電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 やくにたつ電磁気学 ムイスリ出版
担当教員 有馬 達也

到達目標

物理現象としての磁界を説明できるようになり、工学的に重要な磁性体について理解し、電気磁気学的に重要な磁気回路の計算をできるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-2,D-1,D-2)磁界を完全に理解する。磁界を説明できる。磁界が理解できない。
評価項目2(A-2,D-1,D-2)磁性体を理解できる。磁性体を説明できる。磁性体がわからない。
評価項目3(A-2,D-1,D-2)磁気回路が理解できる。磁気回路がおおまかに説明できる。磁気回路がわからない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 まず言葉が多い。磁力線、磁界、磁束、磁束密度など同じような言葉が多い。物理的に何を指すのかを理解する。また最初はスカラーでも最後はベクトルで表示されるため、ベクトルに関する演算も学ぶ。また時間、空間の微分も使うため、微分・積分の理解も必要である。絵や図を多用して授業を進めるので、直感的に理解してほしい。
授業の進め方・方法:
 授業は教科書に沿って行うが、使う数学についての説明も行う。ノートをよくとることが重要になる。
注意点:
6回程度授業内で演習を行う。演習では英文和訳も行う。演習点として評価に組み込むので、必ず行い、提出すること。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(50%) D-1(25%) D-2(25%)とする.
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習(60時間)として,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察時間,および試験準備のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電界と異なり一様でない磁界分布を学ぶ。磁気に関するクーロンの法則を学ぶ。 磁界分布を理解する
2週 磁界の強さ、磁力線と磁束について学ぶ。 磁界の強さ、磁力線と磁束について理解する。
3週 磁性体と磁化について学ぶ。 鉄などの強磁性体の磁化と電子のスピンによる磁性を理解する。
4週 磁化の強さと物質の持つ透磁率について学ぶ。 磁気モーメント、磁化線、磁界中に置かれた磁性体の磁化について理解する。
5週 磁化特性について学ぶ。保磁力、ヒステリシス現象などの意味を学ぶ。 磁化特性について理由を理解して曲線を描けるようになる。
6週 ヒステリシス現象が変圧器などでは熱損失になることと、磁気ひずみについて学ぶ。 熱損失と磁歪を理解する。
7週 電流による磁界の発生を学ぶ。アンペアの右ねじの法則を理解する。次週、前期中間試験を行う。 電流による磁界の発生を理解する。磁界の方向についても理解する。
8週 直線導体における磁界の発生を学ぶ。 直線導体における磁界の発生を理解する。
2ndQ
9週 直線、コイル、曲線状の導体における磁界を学ぶ。 図を描いて磁束を描けるようになる。
10週 ビオ・サバールの法則について理解する。 ビオ・サバールの実験法則による公式を学ぶ。
11週 やや複雑なビオ・サバールの法則について学ぶ ビオ・サバールの法則を自由自在に使える。
12週 アンペアの周回積分の法則について学ぶ。 周回積分とアンペアの法則について理解する。
13週 アンペアの法則を用いて太い導体における磁界の強さ、無限長直線電流の周囲の磁界の強さを計算で求める。 磁界の計算方法を理解する。
14週 無限長ソレノイドによる磁界、環状ソレノイドによる磁界の大きさを計算する。 ソレノイドにおける磁界の計算を理解する。
15週 変圧器の原理について学ぶ。 変圧器の原理について理解する。
16週 前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4前3,前4,前5
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4前10,前11
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4前12,前13
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4前7
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000