電気情報工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電気情報工学実験Ⅱ
科目番号 0123 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:4
教科書/教材 プリント(実験テキスト)、各種実験装置
担当教員 井口 傑,嶋田 鉄兵,吉本 健一,技術職員

到達目標

1. 実験の基礎的原理・現象を理解し、実験機器を利用して実験を行い、実験レポートの作成ができる。
2. 実験結果から得られたデータについて分析でき、工学的に考察ができる。
3. 周囲の状況と自身の立場を照合し、自身の長所を活かすべく時宜を得た行動ができる。
4. 目標達成のために他者と協調・協働して行動できる。
5. 目標達成のためのチームの構築ができ、自らやり甲斐を感じて責任を持って行動することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-3、D-2、E-1、E-2)実験の基礎的原理・現象を十分に理解し、実験機器を十分に使いこなして実験を行い、実験レポートの作成が十分にできる。実験の基礎的原理・現象を理解し、実験機器を利用して実験を行い、一定レベルの実験レポートの作成ができる。実験の基礎的原理・現象を十分に理解できず、実験機器を利用して実験を行うことができず、実験レポートの作成ができない。
評価項目2(A-3、D-2、E-1、E-2)実験結果から得られたデータについて正しく分析し、工学的に十分な考察ができる。実験結果から得られたデータについて分析し、工学的に一定レベルの考察ができる。実験結果から得られたデータについて分析できず、工学的に考察できない。
評価項目3(A-3、D-2、E-1、E-2)周囲の状況と自身の立場を照合し、自身の長所を活かすべく時宜を得た良好な行動ができる。おおむね、周囲の状況と自身の立場を照合し、自身の長所を活かすべく時宜を得た行動ができる。周囲の状況と自身の立場を照合し、自身の長所を活かすべく時宜を得た行動ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標② 説明 閉じる
JABEE A-3 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE E-1 説明 閉じる
JABEE E-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる
JABEE基準 (e) 説明 閉じる
JABEE基準 (g) 説明 閉じる
JABEE基準 (h) 説明 閉じる
JABEE基準 (i) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実際の情報機器・分析機器を使って、講義で学んだ理論を実証し、実践的な技術を身につけると共に、さらに理解を深めることを目標とする。また、実験結果をまとめる能力、決められた期限内にレポートを作成する技術の育成を目的とする。
授業の進め方・方法:
今までの講義、演習、実験を通して学び、身につけた技術を用いて、情報機器、分析機器を使い、様々な電気・電子に関わる現象を実証する。新しい技術に対応できる能力を養成するため、電気電子情報工学の広い範囲にわたる応用的な実験を行い、その結果について考察する能力を身につける。クラスを小グループに分け、グループのメンバー間で協調して実験を進める。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-3(40%)、D-2(20%)、E-1(20%)、E-2(20%)とする。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(30時間)については、日常の授業(60時間)に係る理論についての予習復習時間、実験装置・方法の理解を深め正しい計測を行うための予習復習時間、および実験結果を検討しレポートをまとめる時間等を総合したものとする。
・評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること、教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・評価項目と評価対象の各組合せは、「技術、知識習得度(A-3)」が「実験の取組」と「レポート」、「分析力(D-2)」が「レポート」、「達成度(E-1)」が「レポート」、「積極性・協調性(E-2)」が「実験の取組」である。評価内容の詳細については、ガイダンスにて周知する。
・グループにわけて、テーマごとに実験を行う。実験をスムーズに進めるために、実験テキストの予習が必要不可欠である。また、高価な実験機器を使うことが多いので、慎重に実験を行う集中力が必要となる。実験後、実験内容の考察と整理を行い、提出期限内にレポートを提出する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 実験の内容、進め方、注意点の説明、及びレポート作成の指導により、レポートを作成することができる。
2週 テーマ1:直流安定化電源回路の製作実験① 実際の電源回路の製作から特性試験までを2 週にわたって行い、製作技術の修得と回路特性を学ぶことで、電源回路の動作を理解することができる。
3週 テーマ1:直流安定化電源回路の製作実験② 実際の電源回路の製作から特性試験までを2 週にわたって行い、製作技術の修得と回路特性を学ぶことで、電源回路の動作を理解することができる。
4週 テーマ2:低周波電圧増幅回路の設計・製作① 実際の増幅回路の製作から特性試験までを2 週にわたって行い、製作技術の修得と回路特性を学ぶことで、低周波増幅回路の動作を理解することができる。
5週 テーマ2:低周波電圧増幅回路の設計・製作② 実際の増幅回路の製作から特性試験までを2 週にわたって行い、製作技術の修得と回路特性を学ぶことで、低周波増幅回路の動作を理解することができる。
6週 テーマ3:組み合わせ回路・順序回路の設計① 組み合わせ回路の設計および製作を行い、動作を理解することができる。
7週 テーマ3:組み合わせ回路・順序回路の設計② 順序回路の設計および製作を行い、動作を理解することができる。
8週 テーマ4:リレーシーケンスおよびPLC 制御の実習① 制御機器の基本構造、使い方、機器間の配線方法を学び、リレーシーケンスおよびPLC制御を行うことができる。
4thQ
9週 テーマ4:リレーシーケンスおよびPLC 制御の実習② 制御機器の基本構造、使い方、機器間の配線方法を学び、リレーシーケンスおよびPLC制御を行うことができる。
10週 テーマ5:スピーカ増幅回路の設計 スピーカ増幅回路を設計・実装し、スピーカの構造と動作を理解することができる。
11週 テーマ6:シリアルデータ通信の基礎 代表的なシリアルデータ通信の規格であるRS232C について学び、シリアルデータ通信の基礎を理解することができる。
12週 テーマ7:エネルギー変換 誘導電動機に関する動作原理等を学び,動作特性・始動特性等を理解することができる。
13週 テーマ8:データベースの基礎実習 データベースの作成・操作を通じてデータ分析の基礎を理解することができる。
14週 実験レポートの議論(1) 実験レポートに関して議論を行い、より良いレポートを作成することができる。
15週 実験レポートの議論(2) 実験レポートに関して議論を行い、より良いレポートを作成することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後13,後14,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4後14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4後14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4後14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4後14
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4後14
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4後14
データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。3後13
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。3後13
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4後2,後3,後4,後5
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4後2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4後2
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4後2
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3後4,後5,後10
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3後6,後7
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3後6,後7
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3後6,後7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。2後1
合意形成のために会話を成立させることができる。2後1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2後1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2後1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2後1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2後1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2後1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2後1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2後1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2後1
複数の情報を整理・構造化できる。2後1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2後1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2後1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2後1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2後1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2後1
事実をもとに論理や考察を展開できる。2後1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2後1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後1

評価割合

技術・知識習得度(A-3)分析能力(D-2)達成度(E-1)積極性・協調性(E-2)合計
総合評価割合40202020100
基礎的能力10510530
専門的能力301510560
分野横断的能力0001010