熱・流体工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 熱・流体工学Ⅱ
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 水力学(基礎と演習)(北川 能 監修 パワー社)
担当教員 阿部 晶

到達目標

1. 管摩擦損失,抗力および揚力の計算ができる.
2. 相似則から,モデルと実機の速度と力の関係比が計算できる.
3. 理想気体の状態変化に対する温度,圧力,体積および仕事等の計算ができる.
4. ガスサイクルの効率等を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-2, D-1, D-2)層流・乱流の管摩擦損失,ならびに抗力および揚力の計算ができる.層流の管摩擦損失,ならびに抗力および揚力の計算ができる.層流の管摩擦損失,ならびに抗力および揚力の計算ができない.
評価項目2 (A-2, D-1, D-2)レイノルズ数とフルード数を駆使し,相似則が計算できる.レイノルズ数を駆使し,相似則が計算できる.レイノルズ数を駆使し,相似則が計算できない.
評価項目3 (A-2, D-1, D-2)熱力学の第一法則を理解し,理想気体の複雑な状態変化における圧力・温度・体積を計算することができる.理想気体の単純な状態変化における圧力・温度・体積を計算することができる.理想気体の単純な状態変化における圧力・温度・体積を計算することができない.
評価項目4 (A-2, D-1, D-2)オットーサイクルとディーゼルサイクルの効率等を計算することができる.オットーサイクルあるいはディーゼルサイクルのいずれかの効率等を計算することができる.オットーサイクルとディーゼルサイクルの効率等を計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
粘性流体の特徴である管摩擦損失や抗力について理解を深め,その計算方法を学ぶ.次いで,次元解析の概念を理解し,流体工学的現象の相似則の計算方法を学ぶ.最後に,熱力学第一法則について学び,内燃機関で用いられている代表的なガスサイクルの理解を深める.
授業の進め方・方法:
エネルギーの伝達・変換の媒体である流体の物理的性質と運動法則,および熱エネルギーに関する基本的な物理法則と熱機関の原理について学ぶ.熱・流体に関する諸問題に対処できる能力を身に付けるために,これらに関する基礎的事項の講義を行う.学んだ内容の理解を確認するために宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(20%),D-1(60%),D-2(20%)とする.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
・単なる丸暗記では意味がない.流体・熱力学上の法則や諸原理について,自分の頭で考え理解する姿勢が大切である.基礎をしっかり築くことは,問題解決能力を高める上で欠かせない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 円管内の流れ 層流と乱流の違いを説明できる.・レイノルズ数と臨界レイノルズ数を説明できる.
2週 円管内の流れ 円管内の速度分布を説明できる.ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる.
3週 円管内の流れ ダルシー・ワイズバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる.ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる.
4週 抗力・揚力 流れの中の物体に作用する抗力を説明できる.抗力係数を用いて抗力を計算できる.
5週 抗力・揚力 流れの中の物体に作用する揚力を説明できる.揚力係数を用いて揚力を計算できる.
6週 次元解析と相似則 ロード・レイリー法から,物理方程式を求めることができる.
7週 次元解析と相似則 無次元量であるレイノルズ数およびフルード数を理解し,相似則に関する計算ができる.
8週 中間試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
4thQ
9週 熱力学の第一法則 内部エネルギー,広義のエネルギー保存則としての熱力学第一法則について説明できる.
10週 熱力学の第一法則 熱力学第一法則に関する基礎式を導出することができる.
11週 理想気体の状態変化 理想気体の等圧,等温変化を取り上げ,このときの出入りする熱量および発生する仕事を理解し,計算することができる.
12週 理想気体の状態変化 理想気体の等容,断熱変化を取り上げ,このときの出入りする熱量および発生する仕事を理解し,計算することができる.
13週 ガスサイクル オットーサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
14週 ガスサイクル ディーゼルサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
15週 期末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
16週 答案返却および解説 学んだ知識の再確認と修正ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。3
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。3
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。3
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。3
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。3
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。3
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。1
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。2
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。2
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75250000100
基礎的能力2510000035
専門的能力5015000065
分野横断的能力0000000