電気工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気工学
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気理論(著者 池田哲夫,森北出版)
担当教員 三井 聡

目的・到達目標

1. 電気現象の本質である電荷の特徴を説明でき,電気に関する基本的な計算ができる.特に,身近な電力や電力量を区別して説明でき,それらの計算が補助単位等を活用してできる。
2. 材料の電気的な分類を説明でき,その形状に応じた抵抗値が計算できると共に,各種法則を用いて直流回路各部分の合成抵抗・電流・電圧・電力等を計算できる。
3. 電荷によって生じる電気力線や電界の状況を説明できると共に,クーロンの法則に従った力やガウスの法則を活用して電界等の計算ができる。
4. 静電容量を説明でき,各形状単体での静電容量,合成静電容量,静電エネルギ等を計算できる。
5. 磁極によって生じる磁力線や磁界の状況を説明できると共に,右ねじの法則,ビオ・サバールの法則及びアペールの法則を活用して磁界や磁束密度等の計算ができる。
6. フレミングの左手の法則を用いて電磁力の向き説明でき,その大きさを計算できる。
7. 電磁誘導を説明でき,誘導起電力をレンツの法則やフレミングの右手の法則を用いて計算できる。
8. 自己誘導と相互誘導を説明でき,自己インダクタンス,相互インダクタンス,インダクタンスの合成,磁気エネルギ等に関する計算ができる。
9. 各種交流波形を分類でき,実効値・平均値・波高率・波形率を計算でき,基本的な回路における電流と電圧を計算できる。
10. 正弦波交流をフェーザ及び複素数で表現でき,各種素子の組み合わせ回路での電流と電圧を計算し,グラフ化できる。
11. 交流電力と力率を説明し,皮相電力・有効電力・無効電力・力率角の相互関係を計算できる。
12. 過渡現象について説明でき,RL直列回路・RC直列回路・RLC直列回路の分類とそれらの直流応答を計算し,グラフ化できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気現象の本質である電荷の特徴量を具体的に説明でき,電気に関する基本的な計算が十分にできる.身近な電力や電力量を区別して説明でき,それらの多少複雑な計算が補助単位等を活用してできる。電気現象の本質である電荷の特徴を簡単に説明でき,電気に関する基本的な計算ができる.身近な電力や電力量を区別して説明でき,それらの基本的な計算ができる。電気現象の本質である電荷の特徴を説明できず,電気に関する基本的な計算もできない.身近な電力や電力量を説明できず,それらの基本的な計算もできない。
評価項目2電気的な分類を具体的な材料名と抵抗率を挙げて説明でき,形状に応じた抵抗値が計算できると共に,各種法則を用いて多少複雑な直流回路各部分の合成抵抗・電流・電圧・電力等を計算できる。 抵抗器のカラーコードから抵抗値が読み取れ,逆に抵抗値からカラーコードを決定できる。 E標準数について説明でき,E系列を計算できる。電気的な分類を簡単に説明でき,形状に応じた抵抗値が計算できると共に,各種法則を用いて簡単な直流回路各部分の合成抵抗・電流・電圧・電力等を計算できる。 抵抗器のカラーコードから抵抗値を求められる。 E標準数について説明できるが,具体的な計算はできない。電気的な分類を説明できず,形状に応じた抵抗値が計算できないと共に,各種法則を用いて簡単な直流回路各部分の合成抵抗・電流・電圧・電力等を計算できない。 抵抗器のカラーコードから抵抗値を求められない。 E標準数について説明できない。
評価項目3複数の電荷によって生じる多少複雑な電気力線や電界の状況を説明できると共に,クーロンの法則に従った力やガウスの定理を活用して電界等の多少複雑な計算ができる。単体の電荷によって生じる電気力線や電界の状況を説明できると共に,クーロンの法則に従った力やガウスの定理を活用して電界等の簡単な計算ができる。単体の電荷によって生じる電気力線や電界の状況を説明できないと共に,クーロンの法則に従った力やガウスの法則を活用して電界等の簡単な計算もできない。
評価項目4静電容量を説明でき,多少複雑な形状単体での静電容量,合成静電容量,静電エネルギ等を計算できる。 静電容量を説明でき,簡単な形状単体での静電容量,合成静電容量,静電エネルギ等を計算できる。静電容量を説明できず,簡単な形状単体での静電容量,合成静電容量,静電エネルギ等を計算できない。
評価項目5複数の磁極によって生じる多少複雑な磁力線や磁界の状況を説明できると共に,右ねじの法則,ビオ・サバールの法則及びアペールの法則を活用して磁界や磁束密度等の多少複雑な計算ができる。単体の磁極によって生じる磁力線や磁界の状況を説明できると共に,右ねじの法則,ビオ・サバールの法則及びアペールの法則を活用して磁界や磁束密度等の簡単な計算ができる。単体の磁極によって生じる磁力線や磁界の状況を説明できないと共に,右ねじの法則,ビオ・サバールの法則及びアペールの法則を活用して磁界や磁束密度等の簡単な計算もできない。
評価項目6フレミングの左手の法則を用いて電磁力の向き説明でき,その大きさを計算できる。フレミングの左手の法則を用いて電磁力の大きさを計算できる。フレミングの左手の法則を用いて電磁力の向きや,その大きさを計算できない。
評価項目7電磁誘導を説明でき,誘導起電力の向きと大きさをレンツの法則やフレミングの右手の法則を用いて計算できる。電磁誘導を説明でき,誘導起電力の大きさをレンツの法則やフレミングの右手の法則を用いて計算できる。電磁誘導を説明できず,誘導起電力の向きや大きさをレンツの法則やフレミングの右手の法則を用いて計算できない。
評価項目8自己誘導と相互誘導を説明でき,多少複雑な自己インダクタンス,相互インダクタンス,インダクタンスの合成,磁気エネルギ等に関する計算ができる。自己誘導と相互誘導を説明でき,簡単な自己インダクタンス,相互インダクタンス,インダクタンスの合成,磁気エネルギ等に関する計算ができる。自己誘導と相互誘導を説明できず,簡単な自己インダクタンス,相互インダクタンス,インダクタンスの合成,磁気エネルギ等に関する計算もできない。
評価項目9各種交流波形を分類でき,実効値・平均値・波高率・波形率を定義式から計算でき,基本的な回路における電流と電圧を計算できる。各種交流波形を分類でき,実効値・平均値・波高率・波形率を求められ,基本的な回路における電流と電圧を計算できる。各種交流波形を分類できず,実効値・平均値・波高率・波形率を求められず,基本的な回路における電流と電圧も計算できない。
評価項目10正弦波交流をフェーザ及び複素数で表現でき,それらの相互変換ができると共に,各種素子の組み合わせ回路での電流と電圧をフェーザ及び複素数の何れもで計算し,グラフ化できる。正弦波交流をフェーザ及び複素数で表現でき,各種素子の組み合わせ回路での電流と電圧をフェーザまたは複素数の何れかで計算し,グラフ化できる正弦波交流をフェーザ及び複素数で表現できず,各種素子の単体の回路での電流と電圧をフェーザまたは複素数の何れかでも計算できない。
評価項目11交流電力と力率を説明し,皮相電力・有効電力・無効電力・力率角の相互関係を計算できる。交流電力と力率を説明し,皮相電力と力率から有効電力と無効電力を計算できる。交流電力と力率を説明できず,皮相電力と力率から有効電力と無効電力を計算できない。
評価項目12過渡現象について説明でき,RL直列回路・RC直列回路・RLC直列回路の分類とそれらの直流応答を計算し,グラフ化できる。過渡現象について説明でき,RL直列回路・RC直列回路の直流応答を計算し,グラフ化できる。過渡現象について説明できず,RL直列回路・RC直列回路の直流応答を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 数学の進行状況(特にベクトル,複素数,微積分,微分方程式)を考慮して,使用する教科書の内容の順序を入れ替えて講義する。前期は「直流」を中心とした「電気回路」と「電界」を中心とした「電気磁気学」,後期は「磁界」を中心とした「電気磁気学」と「交流」を中心とした「電気回路」を学習する。
授業の進め方と授業内容・方法:
 直接的に目に見えない電流・磁気等を主として扱うため,これらの基本である電荷の動作とそれに伴う電流・磁力線の動き等を頭の中でイメージしながら学習する。これらの現象は,数学で学習した微分・積分や微分方程式等によって表現されるため,数学と(電気に関係する)物理についても十分に関連づけて学習する必要がある。また,三次元空間内のベクトルも扱うので,ベクトルに関する数学的な基礎知識を事前に確認する必要がある。講義内容を単に暗記しても意味はないので,様々な場面に応用できるよう講義時間中の演習(講義終了時に提出する)や休業期間中の課題レポート作成を通して,理解を高めると共に,学習事項を復習する習慣をつける。eラーニングに復習内容・基礎的な演習を掲載するので,自学自習用として主体的且つ効果的に活用する。
注意点:
 講義時間最後の演習は,基本的に前回または前々回の学習内容範囲であるので,日頃からeラーニングなどを活用して学習内容を復習する習慣付けをする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス説明
1 電気の基礎
(1) 電気の利用
(2) “電気”の本質とその表現
電気現象の本質とその活用例を説明できる。
電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。
電気を量として捉え定量的取り扱いができる。
電荷と電流,電圧を説明できる。
2週 (2) “電気”の本質とその表現
(3) 電気工学で扱う基本単位・補助単位と次元解析
電力及び電力量を説明でき,それらの計算ができる。
電気工学で扱う基本単位や補助単位及び簡単な次元解析ができる。
3週 2 電気抵抗とオームの法則 
(1) 電気材料と電気抵抗
電気材料の電気的な分類を説明できる。
電気抵抗とその取り扱い方法について説明でき,その具体的な計算ができる。
抵抗器のカラーコードを読みとれ,抵抗値をカラーコードで表現できる。
E標準数について説明でき,E系列を具体的に計算できる。
4週 (2) オームの法則
(3) 電池の接続と計算
オームの法則を説明し,電流・電圧・抵抗の計算ができる。
合成抵抗や分圧・分流の考え方を説明し,直流回路の計算に用いることができる。
ブリッジ回路の平衡条件を求められる。
電池の接続方法を理解し,その具体的な計算ができる。
5週 (4) 電気回路の基本法則(キルヒホッフの法則,重ねの定理) キルヒホッフの法則を説明し,直流回路の計算に用いることができる
重ねの理を説明し,直流回路の計算に用いることができる。
6週 (5) 電力とジュール熱 電力とジュール熱の計算ができる。
7週 3 電荷と電界
(1) 電荷とクーロンの法則
電荷及びクーロンの法則を説明でき,点電荷に働く力等を計算できる。
8週 中間試験 これまでの学習内容の理解度を試験により確認する
2ndQ
9週 試験答案の確認・解説
(2) 電界と電気力線
(3) ガウスの定理
試験結果から自らの理解状況を把握して,今後の学習に反映できる。
電界,電位,電気力線,電束を説明でき,これらを用いた計算ができる。
電気力線の特徴を説明でき,電気力線によって電界の状態を表現できる。
ガウスの定理とその活用方法を説明できる。
10週 (3) ガウスの定理 ガウスの定理を説明でき,電界の計算に用いることができる。
導体の性質を説明でき,導体表面の電荷密度などを計算できる。
11週 (3) ガウスの定理
絶縁体の性質を説明でき,絶縁体の電荷体積密度や電界などを計算できる。
12週 (4) 電位と電位差
(5) 静電容量(コンデンサ)
電位と電位差の関係を説明でき,その計算ができる。
エレクトロンボルトの定義を説明し,単位換算等の計算ができる。
静電容量を説明でき,平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。
静電容量の接続を説明し,その合成静電容量を計算できる。
静電エネルギーを説明できる。
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。
13週 4 磁石と磁界
(1) 磁石と磁界
(2) 電流と磁界
磁石と磁界の関係を説明でき,計算できる。
電流が作る磁界を右ねじの法則,ビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき,簡単な磁界の計算に用いることができる。
磁力線の特徴を説明でき,磁力線によって磁界の状態を表現できる。
14週 (3) 電磁力
(4) 磁化と磁性体
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。
フレミングの左手の法則を用いて電磁力の向き説明でき,その大きさを計算できる。
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。
磁化曲線の特徴を説明でき,各種特徴量を読み取れる。
15週 (4) 磁化と磁性体
(5) 磁性体
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。
磁化曲線の特徴を説明でき,各種特徴量を読み取れる。
16週 期末試験 これまでの学習内容の理解度を試験により確認する(試験時間90分)
後期
3rdQ
1週 試験答案の確認・解説
5 電磁誘導
(1) 電磁誘導作用
(2) 自己インダクダンス
試験結果から自らの理解状況を把握して,今後の学習に反映できる。
電磁誘導を説明でき,誘導起電力をレンツの法則やフレミングの右手の法則を用いて計算できる。
自己誘導と相互誘導を説明でき,自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
2週 (3) 相互インダクタンス
(4) インダクタンスの計算
自己誘導と相互誘導を説明でき,自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
磁気エネルギを説明できる。
インダクタンスの合成について計算できる。
各種形状の自己インダクタンスを計算できる。
3週 6 交流回路
(1) 正弦波交流
交流波形の分類や特徴について説明できる。
正弦波交流の特徴を説明し,式に基づき周波数や位相などを計算できる。
4週 (2) 瞬時値・実効値・平均値 平均値と実効値を説明しこれらを計算できる。
波形率と波高率を計算できる。
5週 (3) 電気回路素子とインピーダンス
(4) 交流回路の計算
瞬時値を用いて,簡単な交流回路の計算ができる。
インピーダンスとアドミタンス等を説明し,これらを計算できる。
交流電力と力率を説明し,これらを計算できる。
6週 (5) 瞬時電力
交流電力と力率を説明し,これらを計算できる。
皮相電力,有効電力,無効電力と力率角の関係を説明でき,計算できる。
7週 7 交流回路の計算法
(1) 交流回路のベクトル表示と計算法
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。
正弦波交流の複素表示を説明し,これを交流回路の計算に用いることができる。
フェーザを用いて簡単な交流回路の計算ができる。
R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。
8週 中間試験 これまでの学習内容の理解度を試験により確認する
4thQ
9週 試験答案の確認・解説
(2) インピーダンスの接続

試験結果から自らの理解状況を把握して,今後の学習に反映できる。
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を説明し,これらを交流回路の計算に用いることができる。
各種定理等を説明し,これらを交流回路の計算に用いることができる。
10週 (3) 各種回路における計算例 各種定理を交流回路の計算に用いることができる。
直列共振回路と並列共振回路の特性を計算できる。
11週 (4) 相互誘導を含む回路
(5) 交流ブリッジ回路
相互誘導を説明し,相互誘導回路の計算ができる。
交流ブリッジ回路の平衡条件式を書け,未知量を具体的に計算できる。
12週 8 電気回路の過渡現象
(1) 定常解と過渡解
(2) 1階の微分方程式で表される過渡現象
過渡現象,定常解,過渡解の数学的・物理的な意味を説明できる。
RL直列回路の単エネルギ回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる。
13週 (2) 1階の微分方程式で表される過渡現象 RC直列回路の単エネルギ回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる。
14週 (3) 2階の微分方程式で表される過渡現象 RLC直列回路の複エネルギ回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる。
15週 (3) 2階の微分方程式で表される過渡現象 RLC直列回路の複エネルギ回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる。
16週 期末試験 これまでの学習内容の理解度を試験により確認する(試験時間90分)

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習・課題レポート等合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力1500001025
専門的能力5500002075
分野横断的能力0000000