工業力学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 工業力学
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 工業力学[第3版・新装版](青木弘、木谷晋著、森北出版) / 適宜印刷物を配布する
担当教員 阿部 晶,大柏 哲治

到達目標

1. 力の合成・分解ができる.
2. 構造物に力が働いて静止するとき,力のつり合いとモーメントのつり合い式を求めることができる.
3. 物体の重心を求めることができる.
4. 速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と距離の関係、加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・距離を説明できる。質点の平面運動について問題を解くことができる。周速度、角速度、回転速度、向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。
5. 運動の第一、第二、第三法則について説明でき、運動の法則・ダランベールの原理についての問題を解くことができる。
6. 物体のすべり摩擦・ころがり摩擦の問題を解くことができる。
7. 滑車の問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1着力点の異なる力の合成ができる.1点に働く力の合成ができる.1点に働く力の合成ができない.
評価項目2トラス等の複雑な部材の支点反力と作用する力が計算できる.単純な棒や円柱の支点反力が計算できる.単純な棒や円柱の支点反力が計算できない.
評価項目3立体や2次元形状の重心が計算できる.2次元形状の重心が計算できる.2次元形状の重心が計算できない.
評価項目4速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と距離の関係、加速度の意味を正しく理解し、等加速度運動における時間と速度・距離を説明できる。質点の平面運動について問題を正しく解くことができる。周速度、角速度、回転速度、向心加速度、向心力、遠心力の意味を正しく理解し、計算できる。速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と距離の関係、加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・距離を説明できる。質点の平面運動について問題を解くことができる。周速度、角速度、回転速度、向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と距離の関係、加速度の意味を理解できず、等加速度運動における時間と速度・距離を説明できない。質点の平面運動について問題を解くことができない。周速度、角速度、回転速度、向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解できず、計算できない。
評価項目5運動の第一、第二、第三法則について正しく説明でき、運動の法則・ダランベールの原理についての問題を正しく解ける。運動の第一、第二、第三法則について説明でき、運動の法則・ダランベールの原理についての問題を解ける。運動の第一、第二、第三法則について説明できず、運動の法則・ダランベールの原理についての問題を解けない。
評価項目6物体のすべり摩擦・ころがり摩擦の問題を正しく解くことができる。物体のすべり摩擦・ころがり摩擦の問題を解くことができる。物体のすべり摩擦・ころがり摩擦の問題を解けない。
評価項目7滑車の問題を正しく解くことができる。滑車の問題を解くことができる。滑車の問題を解けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学に必要な力学の基礎を学ぶ。物体に力が作用することによって、物体に生じる様々な現象を理解する。新しい技術に対応できる能力を持つ。自主的、継続的に学習できる能力を養う。
授業の進め方・方法:
前期では力の概念を学習する.そして,単純な構造物に力が働く場合の力のつり合いとモーメントのつり合いの考え方を学習する。次いで,物体の重心の意味を理解し,その計算法を学習する。後期では物体の運動・ニュートンの運動法則・ダランベールの原理・摩擦を学ぶことにより力学と運動の基礎を学ぶ。演習問題を多数解くことによって応用力を身につける。
注意点:
単に公式を丸暗記するのではなく,公式の背後にある理論と公式導入の過程を大事に学習する。力学の基礎を確実に身につけ,さらに高く深い内容について独力で学べる土台を造ることに留意する。授業で例題を多数解いていくので、解法をしっかり頭に焼き付けてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1点に働く力の合成と分解ができる.
2週 力のモーメントと偶力が説明できる.
3週 着力点の異なる力の合成ができる.
4週 力のつりあい 1点に働く力のつりあいの計算ができる.
5週 力のつりあい 接触点,支点に働く力の計算ができる.
6週 力のつりあい 着力点の異なる力のつりあいの計算ができる.
7週 力のつりあい・次週,中間試験を実施する 着力点の異なる力の合成ができる.
8週 テスト返却・力のつり合い トラスに働く力と支点の反力の計算ができる.
2ndQ
9週 力のつり合い 節点法によりトラスに働く力の計算ができる.
10週 力のつり合い 切断法によりトラスに働く力の計算ができる.
11週 重心 重心と図心の意味を説明できる.
12週 重心 断面1次モーメントから線素の重心の計算ができる.
13週 重心 断面1次モーメントから簡単な2次元形状の重心の計算ができる.
14週 重心 定積分を利用した重心の計算ができる.
15週 重心 物体のすわりの計算ができる.
16週 前期末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
後期
3rdQ
1週 点の運動、回転運動 速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と距離の関係を説明できる。加速度、接線加速度、法線加速度を説明できる。
2週 点の運動、回転運動 等速直線運動、等加速度運動、落体の運動における時間と距離の関係を説明できる。
3週 点の運動、回転運動 放物線運動における時間と速度・距離の関係を説明できる。
4週 点の運動、回転運動 円運動における時間と速度・距離の関係を説明できる。
5週 点の運動、回転運動 周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。

6週 点の運動、回転運動 相対運動ついて理解し問題を解くことができる。
7週 運動と力。次週、中間試験を実施する。 運動の第一、第二、第三法則について説明でき、問題を解くことができる。
8週 後期中間試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
4thQ
9週 運動と力 試験を返却し、解答を確認する。運動の第一、第二、第三法則について説明できる。
10週 運動と力 運動の第一、第二、第三法則について問題を解くことができる。
11週 運動と力 慣性力・ダランベールの原理について説明でき、問題を解くことができる。
12週 運動と力 向心力、遠心力について説明でき、問題を解くことができる。
13週 摩擦 物体のすべり摩擦について説明でき問題を解くことができる。
14週 摩擦。次週、学年末試験を実施する。 物体のころがり摩擦について説明でき問題を解くことができる。
15週 学年末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
16週 答案返却。滑車。 試験を返却し解答を確認する。滑車に作用する力の問題、滑車を用いた時に物体に作用する力の問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前1,前2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前2,前3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3前3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3前3,前4,前5,前6,前7
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3後1,後2,後6
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3後3,後4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3後7,後9,後10,後12
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3後9,後10,後12
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3後9,後10,後12
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3後6
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3後4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3後15
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3後13,後14

評価割合

前期試験前期レポート後期試験後期レポート合計
総合評価割合3713455100
基礎的能力12518237
専門的能力25827363