応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 原康夫著 「物理学基礎」(第5版) 学術図書出版社 / 改訂版 物理(数研出版),改訂 新物理基礎(第一学習社),プリント
担当教員 岡島 吉俊

到達目標

・一般的な波動現象および音波・光波に関する現象について考え,計算することができる。
・光や電子に関する様々な現象を,物理法則と関連づけて考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1一般的な波動現象および音波・光波に関する現象について深く考え,正しく計算することができる。一般的な波動現象および音波・光波に関する現象について考え,計算することができる。一般的な波動現象および音波・光波に関する現象について考え,計算することができない。
評価項目2光や電子に関する様々な現象を,物理法則と関連づけて考え,数式を使って正しく表現することができる。光や電子に関する様々な現象を,物理法則と関連づけて考えることができる。光や電子に関する様々な現象を,物理法則と関連づけて考えることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・1,2学年で学んだ物理をより一般的な現象に適用できる能力を身につけるため,物理法則を文字式/ベクトル/微分積分を使って理解し,物理現象を直感的に理解する力を養う。最初に質点や剛体の回転運動について学んだ後、一般的な波動現象,音波・光波について学ぶ。その後に原子物理学の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的には教科書の「物理学基礎」に沿って授業を進めるが,プリントを配布しそれを用いて授業をおこなうこともある。途中,授業で学んだことに関する演習問題を配布し,問題演習をしてもらうこともある。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標はA-1とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に係る理論について予習復習時間,課題作成時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・基本的物理量の概念が次々に定義され,新しい物理法則が導出されるので,物理法則を単に暗記するのではなく,一つ一つを直感的に理解し,それを用いて物理現象を理解すること。法則を使う練習・努力を怠らないこと。一つの公式に数値を当てはめる だけで満足せず,物理的イメージを持ち,それを元に考えることが重要である。わからない場合は,まず自分なりに理解する努力をし,それでも解決できない場合は遠慮せず教員に質問すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
第6章 質点の角運動量と回転運動の法則
6.1 質点の回転運動
第8章 剛体の力学
8.2 固定軸の周りの剛体の回転運動と慣性モーメント

・質点の角運動量,回転運動の法則,角運動量保存の法則について理解している
・剛体の回転運動の運動方程式をたて、解くことができる。
2週 第12章 波動
12.1 波の性質

・波の基本的な性質や波を特徴付ける物理量について理解している。
3週 12.2 波動方程式と波の速さ ・波動方程式とその一般解について理解している。
4週 12.3 波の重ね合わせの原理と干渉 ・波の重ね合わせの原理を理解している。
・波の独立性を理解している。
・2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について説明できる。
5週 12.4 波の反射と屈折 ・波の反射の法則,屈折の法則,および回折について説明できる。
6週 12.5 定在波 ・定在波の特徴(節,腹の振動のようすなど)を理解している。
・弦の固有振動について理解している。
7週 12.6 音波(1)
次週、中間試験を実施する。
・音波について理解している。
・気柱の共鳴について理解している。
8週 試験返却
12.6 音波(2)
・ドップラー効果の原理を説明できる。
2ndQ
9週 12.7 群速度,うなり ・群速度と位相速度の違いを理解している。
・うなりの原理を理解している。
10週 第13章 光
13.1 光の反射と屈折
・光の反射角,屈折角に関する計算ができる。
11週 13.2 光波の回折と干渉 ・光が示す回折や干渉を説明することができる。
12週 第24章 原子物理学
24.1 原子の構造
・トムソンの実験とその意義を理解し説明できる。
・ガイガーとマースデンの実験とその意義を理解し説明できる。
13週 24.2 光の二重性 ・光や電子が示す現象と粒子性,波動性について理解し,説明できる。
・光電効果について理解し,説明できる。
・光の二重性について理解している。
14週 24.3 電子の二重性 ・コンプトン効果について理解し、説明できる
・電子の二重性について理解している。
15週 24.4 不確定性関係
24.5 原子の定常状態と光の線スペクトル
・不確定性関係について理解している。
・気体の原子が放射する光のスペクトルについて理解している。
・原子の中での電子の状態について理解している。
16週 期末試験 これまで学んだ内容について、試験で確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学力のモーメントを求めることができる。3前1
角運動量を求めることができる。3前1
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前1
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前1
波動波の重ね合わせの原理について説明できる。3前2,前4,前7
波の独立性について説明できる。3前2,前7
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3前4,前7
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3前6
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3前6,前7
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3前8
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3前5,前10

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000