応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 「微分積分Ⅱ」(実教出版),高専テキストシリーズ「線形代数」(森北出版),「応用数学」(森北出版)
担当教員 長岡 耕一

到達目標

1. 2重積分の定義を理解し,いろいろな2重積分の値を計算できるようになる。
2. 1階と2階の典型的な微分方程式が解けるようになる。
3. 行列の固有値・固有ベクトルを求めることができ,行列を対角化できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12重積分の値を様々な領域に対して計算でき,体積を求める問題などに応用できる。2重積分の値を計算できる。極座標を用いて2重積分の値を計算できる。2重積分の値を簡単な領域の場合に求めることができない。
評価項目2同次形,1階線形微分方程式が解ける。2階非同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができない。
評価項目3行列の固有値固有ベクトルを用いて,行列を対角化できる。1次独立・1次従属を判定できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができ,これを応用して行列を対角化できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-1 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用数学Ⅰでは,2重積分の計算法およびその応用について学び,1階および2階の微分方程式の解法を学ぶ。次に,行列の固有値と固有ベクトルの概念を学び,行列の対角化とその応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
学習内容を解説する講義とテキストにある問いをいくつかとり上げ演習する。テキストまたは問題集の問題をレポート課題として課す。授業計画を確認して,テキストの例題はあらかじめ予習し,疑問点を整理して授業へのぞむこと。授業後は,レポート課題に取り組みながら理解を確認するとともに,各自問題集等により知識の定着を図ること。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標はA-1とする.
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)ついては,日常の授業(60時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【「微分積分Ⅱ」】 第4章 2重積分
1節 重積分
1 2重積分の定義  2 累次積分
2重積分の定義を理解できる。
累次積分により2重積分の値を計算できる(長方形領域および一般の領域)。
2週 3 累次積分と順序変更 累次積分の順序を変更できる。
3週 4 2重積分と座標変換 極座標を用いて2重積分の値を計算できる。
4週 2節 2重積分の応用
1 体積 2 ガウス型積分
(単元テスト①)
2重積分を応用して立体の体積,ガウス型積分を求めることができる。
5週 【「微分積分Ⅱ】 第5章 微分方程式
1節 微分方程式と解
1 微分方程式 2 微分方程式の解
3 初期値問題と境界値問題
与えられた関数が微分方程式の解であることを確かめることができる。
一般解の任意定数を初期条件から決定できる。
6週 2節 1階微分方程式
1 変数分離形 2 同次形
3 線形微分方程式
変数分離形の微分方程式の一般解を求めることができる。
1階線形微分方程式の解を求めることができる。
7週 3節 2階微分方程式
1 階数降下法
特別な形の2階微分方程式の一般解を求めることができる。
8週 【中間試験】
2 2階線形微分方程式と解
3 定数係数同次線形微分方程式
2階線形微分方程式の解の構造を理解する。
定数係数同次線形微分方程式の一般解を求めることができる。
2ndQ
9週 4 定数係数非同次微分方程式
5 連立微分方程式
(小試験)
定数係数非同次線形微分方程式の一般解を求めることができる。
連立微分方程式を解くことができる。
10週 【森北出版「線形代数」】
6.4 直交行列と直交変換
第3章 正方行列の固有値と対角化
7.1 固有値と固有ベクトル
線形変換の基本的な事項を確認する。
直交行列と直交変換について理解する.
行列の固有値および固有ベクトルを理解する。(2次の行列)
11週 7.1 固有値と固有ベクトル(その2)
7.2 行列の対角化(その1)
2次の行列の固有値および固有ベクトルを求めることができる。2次の行列で対角化可能な行列を固有ベクトルと用いて対角化できる。
12週 7.2 行列の対角化(その2)
7.3 対称行列の対角化(その1)
対角化を用いて行列の累乗を求めることができる。
2次の対称行列の固有値と固有ベクトルの関係を理解し,適当な直交行列により対角化できる。
13週 7.3 対称行列の対角化(その2)
(小試験)
3次正方行列の対角化(その1)
2次の対称行列の固有値と固有ベクトルの関係を理解し,適当な直交行列により対角化できる。直交変換の意味を理解する。
3次の正方行列の固有値および固有ベクトルを求めることができる。
14週 3次正方行列の対角化(その2) 3次の正方行列の対角化ができる。
15週 B3 2次曲線の標準形とその分類
(演習)
2次曲線の標準形を求めることができる。
16週 【期末試験】 学んだ知識の再確認と修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力801595
専門的能力000
分野横断的能力055