応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 原康夫著 「物理学基礎」(第5版) 学術図書出版社 / プリント,物理(啓林館)
担当教員 松原 英一

到達目標

1. 電場の概念を理解し、与えられた電荷からガウスの法則を使って電場を得るほか、任意の位置での電位を求めることができる。
2. 電荷が電磁場から受けるローレンツ力を理解し、電磁場中の電荷の運動を説明できる。
3. 導体、および誘電体の電場に対するそれぞれの応答を理解し、それらを使ったキャパシターなどのデバイスの特性を説明することができる。
4. 電流が作る磁場の概念を理解し、与えられた電流からビオ-サバールの法則を使って磁場を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電場の概念を深く理解し、ガウスの法則を使って様々な状況で電場を求めることができる。電場の概念を理解し、ガウスの法則を使って電場を求めることができる。電場の概念を理解できず、ガウスの法則を使って電場を求めることができない。
評価項目2電荷が電磁場から受けるローレンツ力を深く理解し、様々な電磁場中の電荷の運動をよく説明できる。電荷が電磁場から受けるローレンツ力を理解し、特定の電磁場中の電荷の運動を説明できる。電荷が電磁場から受けるローレンツ力を理解できず、電磁場中の電荷の運動を説明できない。
評価項目3導体、誘電体それぞれの特性と電場に対する応答を深く理解し、キャパシターなど様々なデバイスの電磁気学的特性をよく説明することができる。導体、誘電体それぞれの特性と電場に対する応答を理解し、キャパシターなど特定のデバイスの電磁気学的特性を説明することができる。導体、誘電体それぞれの特性と電場に対する応答を理解できず、キャパシターなど電磁気学的特性を説明することができない。
評価項目4磁場のもとが電流であることをよく理解し、与えられた様々な電流からビオ-サバールの法則を使って磁場を求めることができる。磁場のもとが電流であることを理解し、与えられた電流からビオ-サバールの法則を使って磁場を求めることができる。磁場のもとが電流であることを理解できず、与えられた電流からビオ-サバールの法則を使って磁場を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-1 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
最初に剛体の回転運動について学んだ後、真空中の静電場をベクトルや微分・積分を用いて扱う方法を学ぶ。続いて、電荷が電磁場から受けるローレンツ力、導体や誘電体の電場に対する応答について学ぶ。さらに、電流や電流が作る磁場について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書「物理学基礎(第5版)」の内容に沿って講義を行う。また、課題のプリントを配布して問題演習を行う。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標はA-1とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・物理法則を表す式を単に暗記するのではなく,物理現象と関連づけて深く理解すること。式に数値を当てはめて答えをえるだけで満足せず,物理的イメージを持ち,それを元に考え、応用力を養うことが重要である。
・演習に真摯に取り組み、必要に応じて1・2・3年生で学んだ物理の復習を行い、学修内容の理解と定着を図ること。わからない内容がある場合,まずは自分で考えたり参考書を調べたりして自力で解決する能力も鍛えること。自力でどうしても解決できない場合は、教員に質問するなどして解決すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第8章 剛体の力学
・剛体の回転運動における運動方程式

・剛体の回転運動の運動方程式をたて、解くことができる。
2週 第16章 真空中の静電場
16.1 電荷と電荷保存則
・電荷とその保存則について説明できる。
3週 16.2 クーロンの法則
16.3 電場
・クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。
・クーロンの法則をベクトル形式で扱うことができる。
・電場の考え方を理解することができる。
4週
16.4 電場のガウスの法則とその応用
・ガウスの法則を用いて電場を求めることできる。
5週 16.5 電位 ・電位を、電荷になされた仕事、すなわち電場によるポテンシャルエネルギーとして理解できる。
6週 第17章 導体と静電場
17.1 導体と電場
・導体の性質について、自由電子の特性と関連させて説明できる。
7週 17.2 キャパシター
次週,中間試験を実施する。
・キャパシターの電気容量や極板間の電位差を求めることができる。
8週 第18章 誘電体と静電場
18.1 誘電体と分極(その1)
・誘電体の性質について理解し説明できる。
2ndQ
9週 18.1 誘電体と分極(その2) ・キャパシターの極板間(電場の中)に誘電体を置くと、誘電体やキャパシターがどのような影響をうけるのかを理解できる。
10週 第19章 電流
19.1 電流と起電力
19.2 オームの法則(その1)
19.4 電流と仕事
・電流が電荷の流れであることを理解できる。
・オームの法則を説明し、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。
・電力、ジュール熱などの物理量を、オームの法則を利用して求めることができる。
11週 19.3 直流回路 ・オームの法則を利用して合成抵抗を求めることができる。
・キルヒホッフの法則から、複雑な回路中の電流や電位を求めることができる。
12週 第20章 電流と磁場
20.1 磁場Bのガウスの法則
20.2 電流のつくる磁場(その1)
・磁場に関するガウスの法則を理解することができる。
・電流が磁場をつくることを理解できる。
13週 20.2 電流のつくる磁場(その2)
・磁場に関するビオ−サバールの法則、アンペールの法則を理解し、電流から磁場を求めることができる。
14週 20.3 荷電粒子に作用する力(ローレンツ力)
・電磁場が電荷に及ぼすローレンツ力について理解し、電磁場中の荷電粒子の運動を説明することができる。
15週 20.4 電流に働く力
20.5 電流の間に働く力
・磁場中の電荷の流れ(電流)に力が働くことを理解できる。
・電流と電流の間に力が働くことを理解できる。
16週 期末試験 ・これまで学んだ内容について、理解度を確認することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学力のモーメントを求めることができる。3前1
角運動量を求めることができる。3前1
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前1
重心に関する計算ができる。3前1
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前1
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前1
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3前6
電場・電位について説明できる。3前2,前5
クーロンの法則が説明できる。3前3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3前3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前10
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前11
ジュール熱や電力を求めることができる。3前11

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000