熱・流体工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 熱・流体工学Ⅰ
科目番号 0066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 水力学(基礎と演習)(北川 能 監修 パワー社)
担当教員 阿部 晶

到達目標

1. 流体の性質を理解し,静止流体の圧力および壁に及ぼす力等が計算できる.
2. ベルヌーイの定理および運動量の法則から,管路内の液体の圧力,速度,作用する力を計算できる.
3. 層流と乱流の違いを理解し,層流の管摩擦損失が計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1マノメータからの圧力計算,静水圧の壁に及ぼす力等の計算,圧力の中心の計算ができる.マノメータからの圧力計算,静水圧の壁に及ぼす力等の計算ができる.マノメータからの圧力計算,静水圧の壁に及ぼす力等の計算ができない.
評価項目2ベルヌーイの定理および運動量の法則から,管路内の液体の圧力,速度,作用する力を計算できる.ベルヌーイの定理から,管路内の液体の圧力,速度を計算できる.ベルヌーイの定理から,管路内の液体の圧力,速度を計算できなない.
評価項目3層流と乱流の違いを理解し,層流の管摩擦損失を正確に計算できる.層流と乱流の違いを理解し,層流の管摩擦損失を計算できる.層流と乱流の違いを理解し,層流の管摩擦損失を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
流体静力学の基礎事項を理解し,液体を支える壁面および液体中の静止物体などにおけるつり合いの力学を学ぶ.次いで,連続の式およびベルヌーイの定理の物理的意味を理解し,管路内の液体の圧力,速度等を計算できる応用能力を養う.さらには,層流と乱流の違いを理解し,層流の管摩擦損失の求め方を学ぶ.
授業の進め方・方法:
エネルギーの伝達・変換の媒体である流体の物理的性質と運動に関する基本的な物理法則と原理について学ぶ.流体力学上の諸問題に対処できる能力を身に付けるために水力学の基礎的事項に関して講義を行う.学んだ内容の理解を確認するために宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・単なる丸暗記では意味がない.流体力学の法則や諸原理について,自分の頭で考え理解する姿勢が大切である.基礎をしっかり築くことは,問題解決能力を高める上で欠かせない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体静力学
(1) 流体の性質
流体の性質を説明できる.ニュートンの粘性法則を説明できる.
2週 (2) 静止流体内の圧力 パスカルの原理を説明できる.絶対圧力とゲージ圧力を説明できる.マノメータによる圧力測定の原理を説明できる.
3週 (3) 平板に作用する力 静水圧の平板に及ぼす力を計算できる.
4週 (4) 曲面板に作用する力
(5) 浮力
静水圧の曲面板に及ぼす力を計算できる.流体中の物体に働く浮力の計算ができる.
5週 連続の式 定常流と非定常流の違いを説明できる.流線と流管の定義を説明できる.
6週 連続の式 連続の式を説明できる.連続の式を用いて流速と流量を計算できる.
7週 ベルヌーイの定理とその応用 エネルギー保存則とベルヌーイの式を説明できる.ベルヌーイの式とオイラーの運動方程式の違いを説明できる.
8週 中間試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
2ndQ
9週 ベルヌーイの定理とその応用 トリチェリーの定理が説明できる.円管内の圧力および流量等が計算できる.
10週 ベルヌーイの定理とその応用 ピトー管,ベンチュリー管の流量,流速および圧力の計算ができる.
11週 運動量の法則 運動量の法則から,円管に作用する力を求めることができる.
12週 運動量の法則 運動量の法則から,噴流が固定平板に与える力等の基礎的問題を解くことができる.
13週 運動量の法則 角運動量の法則から,散水器の定常回転数を求めることができる.
14週 円管内の流れ 層流と乱流の違いを説明できる.円管内の速度分布を説明できる.
15週 円管内の流れ 層流及び乱流の管摩擦損失を計算できる.
16週 期末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前7
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前7
動力の意味を理解し、計算できる。4前10
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4前1
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前1
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4前1
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4前2
パスカルの原理を説明できる。4前2
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4前2
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4前3,前4
物体に作用する浮力を計算できる。4前4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4前5
流線と流管の定義を説明できる。4前5
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前6
オイラーの運動方程式を説明できる。4前7
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前7,前9,前10
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前11,前12,前13
層流と乱流の違いを説明できる。4前14
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4前14
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4前15
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4前15

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75250000100
基礎的能力2510000035
専門的能力5015000065
分野横断的能力0000000