概要:
粘性流体の特徴である管摩擦損失や抗力について理解を深め,その計算方法を学ぶ.次いで,次元解析の概念を理解し,流体工学的現象の相似則の計算方法を学ぶ.最後に,熱力学第一法則について学び,内燃機関で用いられている代表的なガスサイクルの理解を深める.
授業の進め方・方法:
エネルギーの伝達・変換の媒体である流体の物理的性質と運動法則,および熱エネルギーに関する基本的な物理法則と熱機関の原理について学ぶ.熱・流体に関する諸問題に対処できる能力を身に付けるために,これらに関する基礎的事項の講義を行う.学んだ内容の理解を確認するために宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(20%),D-1(60%),D-2(20%)とする.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
・単なる丸暗記では意味がない.流体・熱力学上の法則や諸原理について,自分の頭で考え理解する姿勢が大切である.基礎をしっかり築くことは,問題解決能力を高める上で欠かせない.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
円管内の流れ |
層流と乱流の違いを説明できる.・レイノルズ数と臨界レイノルズ数を説明できる.
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2週 |
円管内の流れ |
円管内の速度分布を説明できる.ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる.
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3週 |
円管内の流れ |
ダルシー・ワイズバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる.ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる.
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4週 |
抗力・揚力 |
流れの中の物体に作用する抗力を説明できる.抗力係数を用いて抗力を計算できる.
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5週 |
抗力・揚力 |
流れの中の物体に作用する揚力を説明できる.揚力係数を用いて揚力を計算できる.
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6週 |
次元解析と相似則 |
ロード・レイリー法から,物理方程式を求めることができる.
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7週 |
次元解析と相似則・次週,中間試験を実施する |
無次元量であるレイノルズ数およびフルード数を理解し,相似則に関する計算ができる.
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8週 |
テスト返却・熱力学の第一法則 |
内部エネルギー,広義のエネルギー保存則としての熱力学第一法則について説明できる.
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4thQ |
9週 |
熱力学の第一法則 |
熱力学第一法則に関する基礎式を導出することができる.
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10週 |
理想気体の状態変化 |
理想気体の等圧,等温変化を取り上げ,このときの出入りする熱量および発生する仕事を理解し,計算することができる.
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11週 |
理想気体の状態変化 |
理想気体の等容,断熱変化を取り上げ,このときの出入りする熱量および発生する仕事を理解し,計算することができる.
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12週 |
ガスサイクル |
カルノーサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
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13週 |
ガスサイクル |
オットーサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
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14週 |
ガスサイクル |
ディーゼルサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
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15週 |
期末試験 |
これまで学んだ内容について,試験で確認する.
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16週 |
答案返却および解説 |
学んだ知識の再確認と修正ができる.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 層流と乱流の違いを説明できる。 | 3 | |
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。 | 4 | |
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。 | 3 | |
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。 | 3 | |
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。 | 3 | |
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。 | 3 | |
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。 | 3 | |
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。 | 3 | |
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。 | 3 | |
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。 | 3 | |
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 3 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 1 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 3 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 2 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 2 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 3 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 3 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 3 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 3 | |