到達目標
1. 誤差の解析に必要な統計に関する基本的な処理を理解し,利用できる.
2. 測定結果における誤差の取り扱い方法を理解し,誤差の算出ができる.
3. 測定結果について統計的な手法を用いて各種分析(回帰分析,分散分析)ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1(A-2,D-1,D-2) | 誤差の解析に必要な基本的な統計量について理解し,具体的なデータを用いて統計量を算出できる. | 誤差の解析に必要な基本的な統計量について理解し,学習した中で大部分の統計量を算出できる. | 誤差の解析に必要な基本的な統計量について理解が不足し,学習した統計量を算出できない. |
評価項目2(A-2,D-1,D-2) | 測定データを用いて適切な統計量を算出でき,検定の手法を理解した上で誤差の評価ができる. | 測定データを用いて適切な統計量を算出できる.検定における理解は若干不足しているが,手順に従い誤差の評価ができる. | 測定データを用いて適切な統計量の算出ができず,検定を用いての誤差の評価もできない. |
評価項目3(D-1,D-2) | 実験計画法の基本について理解し,その手段である分散分析,回帰分析について説明できる,さらに測定結果について,各種分析ができる. | 実験計画法や分析手法についての理解が若干不足しているが,手順にしたがって,測定結果に各種分析を適用できる. | 実験計画法や分析手法についての理解が不足しており,測定結果に各種分析を適用できない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ③
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学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③
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JABEE A-2
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JABEE D-1
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JABEE D-2
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JABEE基準 (d)
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教育方法等
概要:
本講義では,物理量の単位と次元,および計測データにおける誤差の解析に必要な統計的処理に必要な統計学の基礎(基本統計量の算出方法,推定・検定など)を学ぶ. さらに実験計画法の基本について学んだ後,得られた実験データの分析方法(分散分析,回帰分析)の手法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
基本的には講義ノートを準備するので,板書の量を極力少なくし,授業での説明に集中できるような環境を整備する.授業中は例題演習などを通じて,手を動かし,疑問点などはその授業内で解決するように心がけること.また,ほぼ毎週宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・工学における計測の役割と計測の基礎的事項を理解する.他の科目の授業内容及び実験・実習における計測の実践を関連づけて学習する.
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(20%) D-1(60%) D-2(20%)とする.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間や定期試験の準備のための勉強時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 計測の基礎1 |
測定の定義と種類が説明できる. 国際単位系の構成について理解し,SI単位,次元,計測に関する基本的な用語などについて説明できる.
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2週 |
計測の基礎2 |
有効数字や誤差の取り扱いができ,さらに誤差の伝播について説明できる.
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3週 |
基本的な統計量1 |
3種類の不確かさについて説明できる.
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4週 |
基本的な統計量2 |
測定した結果について,平均値,分散,標準偏差などの統計量の導出ができる.
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5週 |
基本的な統計量3 |
簡単な統計処理ができ,EXCELを用いてグラフの描画や統計に関わる各種計算ができる.
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6週 |
誤差と精度1 |
偶然的不確かさが正規分布に従うことを説明できる.
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7週 |
誤差と精度2 次週,中間試験を実施する |
有限回の測定により得られた結果について,t分布を用いて誤差の評価ができる.
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8週 |
最小二乗法1 |
最小二乗法の考え方を用い,任意の多項式に対して最小二乗法を適用し,近似式を導出できる.
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2ndQ |
9週 |
最小二乗法2 |
EXCELを用いて最小二乗近似を求めることができる.
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10週 |
最小二乗法3 |
いくつかの統計データについて最小二乗法を適用し,近似式を導出できる.
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11週 |
相関関係 |
相関関係とはなにかについて説明ができ,相関係数を求めることができる.
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12週 |
統計分析の手法1 |
統計学における検定・推定や回帰分析についての基礎的事項について説明できる.
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13週 |
統計分析の手法2 |
分散分析で利用する統計量(群内変動,群間変動,自由度,不偏分散など)を算出することができる.
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14週 |
統計分析の手法3 |
実験計画法の基礎を理解し,分散分析を用いて,計測して得られたデータの分析を行うことができる.
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15週 |
統計分析の手法4 |
実際に工学実験などで得られたデータについて,分散分析の手法を用いて解析することができる.
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16週 |
期末試験 |
これまで学んだ知識について,試験を通じて確認できる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 4 | 前1 |
評価割合
| 試験 | 課題など | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 50 | 50 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |