通信ネットワーク工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 通信ネットワーク工学
科目番号 0081 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 情報通信ネットワークの基礎(著者 宇野新太郎,森北出版),各種プリント,eラーニングコンテンツ
担当教員 森川 一

到達目標

1.情報通信ネットワーク分野の歴史・技術の進歩・ディジタル化について説明できる。
2.インターネットの概念を理解し,データリンク,IPプロトコル等の規約,それらの構成や仕組みを説明できる。
3.インターネットや移動体通信の具体的なサービスや取り扱いの注意点について説明できる。
4.情報セキュリティの重要性を理解し,具体的な対処方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1情報通信ネットワーク分野の歴史・技術の進歩・ディジタル化の詳細について,具体的に説明できる。情報通信ネットワーク分野の歴史・技術の進歩・ディジタル化の概要について,概念的に説明できる。情報通信ネットワーク分野の歴史・技術の進歩・ディジタル化を十分に説明できない。
評価項目2インターネットの概念を理解し,データリンク,IPプロトコル等の規約,それらの構成や仕組みの詳細について,具体的に説明できる。 インターネットの概念を理解し,データリンク,IPプロトコル等の規約,それらの構成や仕組みの概要について,概念的に説明できる。 インターネットの概念を理解し,データリンク,IPプロトコル等の規約,それらの構成や仕組みを十分に説明できない。
評価項目3インターネットや移動体通信の具体的なサービスや取り扱いの注意点の詳細について,具体的に説明できる。インターネットや移動体通信の具体的なサービスや取り扱いの注意点の概要について,概念的に説明できる。インターネットや移動体通信の具体的なサービスや取り扱いの注意点を十分に説明できない。
評価項目4情報セキュリティの重要性を理解し,具体的な対処方法の詳細について,具体的に説明できる。情報セキュリティの重要性を理解し,具体的な対処方法の概要について,概念的に説明できる。情報セキュリティの重要性を理解し,具体的な対処方法を十分に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 インターネットや移動体通信(携帯電話)は,日常生活で必要不可欠になっている。しかし,多くの人は,その技術的内容を必ずしも理解して活用しているわけではない。この講義では,これらのサービスの工学的・技術的な知識を学習すると共に,セキュリティ面で気をつけるべき事項や具体的な対処方法についても学習する。学習内容は,電気通信技術者試験の「伝送交換設備及び設備管理」,「電気通信システム」,「専門的能力・データ通信」や情報処理技術者試験(基本情報技術者試験)の「ネットワーク」及び「セキュリティ」分野の試験科目内容の本講義に関連する領域を十分に理解できる程度の範囲とレベルでの講義とする。
授業の進め方・方法:
・教科書の内容に準じたスライド中心の講義とし,必要に応じてPC・タブレット・スマートフォンを活用してネットワーク通信を観察する簡易実験のデモンストレーションや動画で確認する。動画は,研究室で運営するeラーニングにも掲載するので,適宜復習等に活用する。eラーニングでのオンライン演習を適宜実施するので,スマートフォン等のインターネット接続可能デバイスが講義時に必要となる。また,最新のネットワーク状況に関する調査等の課題レポートを課す。
・「サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」により作成された教育コンテンツ(K-SEC教材)を使用する。
注意点:
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習(15時間)については,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間及び演習や定期試験準備のための勉強時間を総合したものとする。
・評価にお付いては,合計点数が60点以上で単位修得となる。
・研究室で運営するeラーニングを活用して学習内容を復習する習慣付けを要する。
・課題レポート(調査課題)やオンライン演習が多目に与えられるので,提出期限を厳守して提出するよう心掛ける。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス説明
重要専門用語・略語
1.通信とネットワークの歴史
研究室管理のeラーニングに接続し,演習できる環境を構築できる。
重要専門用語・略語の正式名称を書け,それらの内容を説明できる。
通信手段の発展・固定電話の交換方式・携帯電話の発展・データ通信網の発展の歴史について説明できる。
2週 2.アナログ信号のディジタル化
3.ディジタル伝送技術
アナログ信号とディジタル信号の違い・特徴を説明できる。
アナログ信号のディジタル化の方法と特徴を説明できる。
3週 3.ディジタル伝送技術
4.ディジタル交換技術
アナログ伝送方式とディジタル伝送方式の違い・特徴を説明できる。
回線交換技術とパケット交換方式の違い・特徴を説明できる。
4週 5.通信プロトコル プロトコルの必要性と種類の概要について説明できる。
OSI参照モデルの基本と各層の役割・働きについて説明できる。
5週 6.アクセスネットワーク アクセスネットワークについて説明できる。
PPP,ISDN,ADSL,FTTH,CATVを用いたインターネット接続について説明できる。
6週 7.LANとWAN
8.IP技術
LANとWANの違いについて説明できる。
ネットワークのトポロジの構成とそれらの特徴について説明できる。
アクセス制御方式について説明できる。
IPv4について説明できる。
7週 8.IP技術
9.TCP
IPv4,IPv6,ICMPについて説明できる。
TCP/IPの概要と活用状況について説明できる。
TCPの特徴と,これを活用したサービスについて説明できる。
8週 中間試験 これまでの学習内容の理解度を試験により確認する(試験時間90分)。
4thQ
9週 試験答案の確認・解説
9.TCP
試験結果から自らの理解状況を把握して,今後の学習に反映できる。
UDPの特徴と,これを活用したサービスについて説明できる。
10週 10.ルーティング
11.携帯電話とスマートフォン
ルーティングの原理やルーティングテーブル等の働きを説明できる。
移動体通信の発展,基本技術について説明できる。
11週 11.携帯電話とスマートフォン
12.ネットワークセキュリティ
LTEや5G等の携帯電話での新しい通信技術について説明できる。
暗号技術,電子署名,電子認証,IPsec,SSL等のセキュリティ技術を説明できる。
12週 12.ネットワークセキュリティ
暗号技術,電子署名,電子認証,IPsec,SSL等のセキュリティ技術や,DDoS,DoS攻撃等のセキュリティ攻撃手法とその対応方法について説明できる。
13週 13.インターネットサービス DNS,DHCP,Webサービス,電子メール等の日常的に利用しているサービスの技術について説明できる。
14週 14.VoIPとマルチキャスト VoIP,SIPとマルチキャストの技術内容を説明できる。
15週 15.ネットワークの発展的技術
16.関係法令の概要
分散コンピューティングやクラウドコンピューティングの特徴と活用法を説明できる。
6G実現の要素技術について説明できる。
電気通信事業法,不正アクセス禁止法等の通信ネットワーク関連法令の要点を説明できる。
16週 期末試験 これまでの学習内容の理解度を試験により確認する(試験時間90分)。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習・課題レポート等合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力1000001020
専門的能力5500001570
分野横断的能力50000510