ロボティクスⅡ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 ロボティクスⅡ
科目番号 0092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書なし(参考書:ロボット工学 著者 下嶋浩,佐藤治 森北出版)
担当教員 以後 直樹

到達目標

1. 同次変換行列を用いてロボットの3次元座標変換を行うことができる。
2. ロボットアームのヤゴビ行列を求めることができる。
3. ラグランジュ法を用いて,ロボットの運動方程式を導出することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-2,D-1,D-2)同次変換行列を用いて,多自由度の多関節ロボットにおける3次元の先端座標を導出できる。同次変換行列を用いて,低自由度のロボットにおける3次元の先端座標を導出できる。同次変換行列が導出することができない。
評価項目2(A-2,D-1,D-2)多自由度の多関節ロボットアームにおけるヤゴビ行列を導出できる。低自由度のロボットアームにおけるヤゴビ行列を導出できる。ヤコビ行列を導出することができない。
評価項目3(A-2,D-1,D-2)ラグランジュ法を用いて,3自由度以上のロボットアームの運動方程式を導出できる。ラグランジュ法を用いて,2自由度ロボットアームの運動方程式を導出できる。ラグランジュ法を用いることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ロボットの機構と構成要素の位置を,同次変換行列を用いて記述し,各関節の変位と角度を与え,位置・姿勢を求める順運動学,位置・姿勢から各関節の変位と角度を求める逆運動学について学習する。さらに,ヤコビ行列の導出法を学習し,関節角速度とアームの速度及び姿勢変化の関係について学習する。また,ラグランジュ法を用いて,ロボットの運動方程式の導出を学習する。そして,ロボットの歩行に関する概要を学習する。
授業の進め方・方法:
座学がメインとなるが,適宜,演習を行う。ノートが教科書の代わりとなるため,毎回ノートを取ること。
注意点:
・ロボットの運動学に関する基礎を確実に身につけ,具体的な問題に応用できる能力と,さらに深い内容について,独力で学べる土台を造ることに留意する。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(30%) D-1(40%) D-2(30%)とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ロボットの概要(1)
 ロボットの定義
ロボット三原則に代表されるロボットの定義を説明できる。
2週 ロボットの概要(2)
 構成要素
ロボットの構成要素を説明できる。
3週 産業用ロボット 産業用ロボットを形状により分類できる。
4週 ロボットの順運動学(1)
 概要,座標系,姿勢表現
運動学の概要を説明できる。
座標系の表現方法を説明できる。
四元数等を用いてロボットの姿勢を表現できる。
5週 ロボットの順運動学(2)
 幾何学的
幾何学的な方法により,ロボットアームの先端座標を計算できる。
6週 ロボットの順運動学(3)
 回転行列,同次変換行列
同次変換行行列を用いて,多自由度のロボットアームの先端座標を計算できる。
7週 ロボットの順運動学(4)
 D-H法I
次週,中間試験を実施する
D-H法を用いて,多自由度のロボットアームの先端座標を計算できる。
8週 ロボットの順運動学(5)
 D-H法II
D-H法を用いて,多自由度のロボットアームの先端座標を計算できる。
4thQ
9週 ロボットの逆運動学-幾何学的解法- 幾何学的な解法により,ロボットアームの先端座標から関節角度を計算できる。
10週 ヤコビ行列(1)
 概要
ヤコビ行列を計算できる。
11週 ヤコビ行列(2)
 特異点,可操作性楕円
ヤコビ行列を用いて,特異点や可操作楕円を計算できる。
12週 ラグランジュ法(1)
 概要,運動エネルギ,ポテンシャルエネルギ
ラグランジュ法により運動方程式を計算する方法を説明できる。運動エネルギとポテンシャルエネルギを計算できる。
13週 ラグランジュ法(2)
 1リンクロボットアーム,2リンクロボットアーム
ラグランジュ法を用いて,1リンクおよび2リンクのロボットアームの運動方程式を計算できる。
14週 ラグランジュ法(3)
 2リンクロボットアーム
ロボットの歩行
ラグランジュ法を用いて,2リンクロボットアームの運動方程式を計算できる。
ロボットの2足歩行の基本を説明できる。
15週 期末試験 学んだ知識の確認ができる。
16週 答案返却および解説 学んだ知識の再確認および修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力3010000040
専門的能力4020000060
分野横断的能力0000000