熱・流体工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱・流体工学Ⅱ
科目番号 0092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 水力学(基礎と演習)(北川 能 監修 パワー社)
担当教員 阿部 晶

到達目標

1. 管摩擦損失,抗力および揚力の計算ができる.
2. 理想気体の状態変化に対する温度,圧力,体積および仕事等の計算ができる.
3. ガスサイクルの効率等を計算できる.
4. エントロピーの変化を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 層流・乱流の管摩擦損失,ならびに抗力および揚力を正確に計算できる.層流・乱流の管摩擦損失,ならびに抗力および揚力を計算できる.層流・乱流の管摩擦損失,ならびに抗力および揚力を計算できない.
評価項目2理想気体の状態変化における圧力・温度・体積を正確に計算できる.理想気体の状態変化における圧力・温度・体積を計算できる.理想気体の状態変化における圧力・温度・体積を計算できない.
評価項目3ガスサイクルの熱効率等を正確に計算できる.ガスサイクルの熱効率等を計算できる.ガスサイクルの熱効率等を計算できない.
評価項目4 エントロピー変化を正確に計算できる.エントロピー変化を計算できる.エントロピー変化を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
粘性流体の特徴である管摩擦損失,抗力および揚力について理解を深め,その計算方法を学ぶ.次いで,熱力学第一法則および理想気体の状態変化について学び,内燃機関で用いられている代表的なガスサイクルの理解を深める.最後に,熱力学第二法則について学び,エントロピー変化の求め方を学ぶ.
授業の進め方・方法:
エネルギーの伝達・変換の媒体である流体の物理的性質と運動法則,および熱エネルギーに関する基本的な物理法則と熱機関の原理について学ぶ.熱・流体に関する諸問題に対処できる能力を身に付けるために,これらに関する基礎的事項の講義を行う.学んだ内容の理解を確認するために宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標はA-2,D-1,D-2とする.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
・単なる丸暗記では意味がない.流体・熱力学上の法則や諸原理について,自分の頭で考え理解する姿勢が大切である.基礎をしっかり築くことは,問題解決能力を高める上で欠かせない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 円管内の流れ ダルシー・ワイズバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる.ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる.
2週 物体まわりの流れと流体力 流れな中で置かれた物体まわりで生じる現象を説明できる.
3週 物体まわりの流れと流体力 抗力係数を用いて抗力を計算できる.揚力係数を用いて揚力を計算できる.
4週 熱力学の基礎 熱力学で用いる物理量,状態量,系の平衡を説明できる.閉じた系と開いた系の違いを説明できる.
5週 熱力学の第一法則 熱力学第一法則に関する基礎式を導出することができる.
6週 理想気体の状態変化 理想気体の状態方程式を説明できる.ガス定数,定積比熱,定容比熱の関係を説明できる.
7週 中間試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
8週 理想気体の状態変化 理想気体の等圧,等温変化を取り上げ,このときの出入りする熱量および発生する仕事を理解し,計算することができる.
4thQ
9週 理想気体の状態変化 理想気体の等容,断熱変化,ポリとロープ変化を取り上げ,このときの出入りする熱量および発生する仕事を理解し,計算することができる.
10週 ガスサイクル ガスサイクルの効率を計算できる.カルノーサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
11週 ガスサイクル オットーサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
12週 ガスサイクル ディーゼルサイクルについて説明でき,サイクルの効率が計算できる.
13週 熱力学の第二法則 熱力学第二法則を説明できる.
14週 熱力学の第二法則 エントロピーを理解し,基本的なエントロピー変化の計算をできる.
15週 熱力学の第二法則 各種サイクルをT-S線図で表現し,エントロピー変化の計算をできる.
16週 期末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体層流と乱流の違いを説明できる。4
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後1
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後1
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後2
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4後3
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4後3
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4後4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4後5
熱力学の第一法則を説明できる。4後6
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4後6
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4後5
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4後7
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4後7
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4後6
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4後8,後9
熱力学の第二法則を説明できる。4後13
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4後10
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4後10
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後14
サイクルをT-s線図で表現できる。4後15

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75250000100
基礎的能力2510000035
専門的能力5015000065
分野横断的能力0000000