電子工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子工学Ⅱ
科目番号 0096 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 例題で学ぶアナログ電子回路入門 樋口英世著 森北出版株式会社
担当教員 中村 基訓

到達目標

1.トランジスタのバイアス回路の特徴を理解し,回路設計に必要な基本的な計算や利得の計算ができる.
2.オペアンプの機能を理解し,増幅回路などの各種応用回路の動作原理を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-2,D-1,D-2)トランジスタのバイアス回路の特徴を理解し,回路設計や利得の計算ができる.トランジスタのバイアス回路の特徴を理解し,簡単な回路計算ができる.トランジスタのバイアス回路の特徴を理解しているが,簡単な回路計算ができない.
評価項目2(A-2,D-1)オペアンプの機構を理解し,増幅回路など各種応用回路の動作原理について説明できる.オペアンプの機能を理解し,幾つかの応用回路の動作原理について説明できる.オペアンプn機能を理解しているが,応用回路については説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ③ 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期に引き続き,トランジスタを用いた増幅回路の基本特性およびオペアンプの基礎とその応用回路について学習する.
授業の進め方・方法:
前期の電子工学Ⅰと同様に講義ノートを使用する.板書はなるべく少なくするので,授業の説明に集中し,演習問題などの解答を通じて理解を深めてほしい.また,ほぼ毎週宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・トランジスタの特性等について理解し,使いこなせるように演習問題を出来るだけ多く扱って基本事項の理解を深める.回路に持たせるべき機能を達成するために各素子がどのような役割を担っているかを理解することがポイントである.
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(60%) D-1(20%) D-2(20%)とする.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間や定期試験の準備のための勉強時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 バイアス回路1 トランジスタ増幅回路の基本的なバイアス回路(固定バイアス回路)について理解し,簡単な回路設計や動作点の導出ができる.
2週 バイアス回路2 トランジスタ増幅回路の基本的なバイアス回路(自己バイアス回路)について理解し,簡単な回路設計や動作点の導出ができる.
3週 バイアス回路3 トランジスタ増幅回路の基本的なバイアス回路(電流帰還バイアス回路)について理解し,簡単な回路設計や動作点の導出ができる.
4週 バイアス回路4 トランジスタ増幅回路の基本的なバイアス回路について理解し,簡単な回路設計や動作点の導出ができる.
5週 線形能動4端子回路1 能動素子の特性を線形近似した4端子回路について説明できる.
トランジスタ回路をhパラメータを用いた等価回路に書き換えられる.
6週 線形能動4端子回路2 簡単な回路のhパラメータを導出できる.
hパラメータによる等価回路を用いて,トランジスタの動作量を算出できる.
7週 線形能動4端子回路3
次週,中間試験を実施する
接地方式により,hパラメータが異なり,相互に変換可能であることを説明できる.
これまで学んだ知識について,試験を通じて確認できる.
8週 RC結合増幅回路1 中域周波数を持つ入力信号について,RC結合増幅回路の交流に対する等価回路に変換できる.
4thQ
9週 RC結合増幅回路2 中域周波数を持つ入力信号に関して,RC結合増幅回路の動作量を算出できる.
10週 RC結合増幅回路3 低域,高域周波数を持つ入力信号に関して,RC結合増幅回路の動作量について理解し,利得が周波数特性を持つことを説明できる.
11週 RC結合増幅回路4 直流負荷線,交流負荷線の違いについて理解し,それぞれを算出できる.
12週 負帰還増幅回路 負帰還増幅回路を適用することで,利得の安定性向上やノイズの低減ができることを説明できる.
13週 オペアンプの基本特性と増幅回路1 オペアンプの基本的特性(電圧増幅率,入力インピーダンス,反転増幅回路,非反転増幅回路)について説明できる.
14週 オペアンプの基本特性と増幅回路2 オペアンプを用いた基本的な増幅回路(差動増幅回路,電流電圧変換機)などについて,その働きを説明できる.
15週 学年末試験 これまで学んだ知識について,試験を通じて確認できる.
16週 答案返却と解説 学んだ知識の再確認と修正ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3後10
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3後1,後2,後3
演算増幅器の特性を説明できる。3後13,後14,後15
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。3後14,後15

評価割合

試験課題など合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000