応用物理実験

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理実験
科目番号 0125 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 応用物理実験テキスト,新物理基礎(第一学習社),物理(啓林館),原康夫著「物理学基礎」(第4版) 学術図書出版社
担当教員 岡島 吉俊,寺木 悠人

到達目標

1. 実験を安全に行って正確な結果を得られるように,機器などの取り扱い方を理解し,基本的な操作を行うことができる。
2. 実験報告書の書き方に関する基礎的事項を身に付け,それらを満たした報告書を作成することができる。
3. 実験結果を座学で学んだ内容と関連づけて考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-3)機器などの取り扱い方を正しく理解し,基本的な操作を正しく行うことができる。機器などの取り扱い方を理解し,基本的な操作を行うことができる。機器などの取り扱い方を理解しておらず,基本的な操作を行うことができない。
評価項目2 (A-3)実験報告書の書き方に関する基礎的事項を十分身に付け,それらを満たした報告書をすべての実験について作成することができる。実験報告書の書き方に関する基礎的事項を身に付け,それらを満たした報告書を作成することができる。実験報告書の書き方に関する基礎的事項を身に付けておらず,それらを満たした報告書を作成することができない。
評価項目3 (A-3)実験結果を座学で学んだ内容と関連づけて考え,正しく表現することができる。実験結果を座学で学んだ内容と関連づけて考えることができる。実験結果を座学で学んだ内容と関連づけて考えることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ② 説明 閉じる
JABEE A-3 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる
JABEE基準 (e) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実験を行う上で重要な安全・レポートの書き方・実験装置の使い方について学んだ後,6つのテーマについて測定・データ整理・考察を行い,物理の法則や理論を実験的に確かめ,報告書にまとめる。
授業の進め方・方法:
最初の3週で,安全・レポートの書き方・実験装置の使い方について学ぶ。その後,班に分かれ、各班ごとに与えられた実験テーマについて予習,実験,レポート作成をおこなう。実験テーマは2週ごとに変わり,全部で6つのテーマについて実験をおこなう。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-3(100%)とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に係る理論について予習復習時間,実験装置・方法の理解を深め正しい計測を行うための予習復習時間,実験結果を検討しレポートをまとめる時間等を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・評価項目と評価対象の各組み合わせは,「技術・知識修得度(A-3)」が「実験の取組」と「レポート」である。評価内容の詳細については,ガイダンスにおいて周知する.
・既に学んだ法則理論との関連,測定技術,装置の取り扱い,測定値のデータ処理,結果に対する考察,そして期限内の報告書作成に留意すること。実験前に予習をし,スムーズに実験をおこなう努力をすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
安全教育
実験をおこなう上での危険や注意すべき事柄を理解し,説明することができる。
2週 レポートの書き方 レポートの書き方について,理解し説明することができる。
有効数字を考慮して,データを集計することができる。
3週 実験装置の使い方 ノギス,マイクロメーター,オシロスコープなどの基本的な実験測定機器について操作法を学ぶ。
4週 比熱の測定 熱の仕事当量,金属の比熱を測定する。
5週 1) 振子による重力加速度の測定 単振動や剛体の回転運動を復習する。単振り子の周期を測定し,重力加速度を求める。また,剛体振子(ケーター振子)によるより精密な重力加速度の測定も行う。
6週 1) 振子による重力加速度の測定 単振動や剛体の回転運動を復習する。単振り子の周期を測定し,重力加速度を求める。また,剛体振子(ケーター振子)によるより精密な重力加速度の測定も行う。
7週 2) 気柱の共鳴 波動の重ね合わせや共鳴現象について学ぶ。さまざまな気温で気柱の共鳴を観測し,空気中の音速,および,その温度依存性を測定する。
8週 2) 気柱の共鳴 波動の重ね合わせや共鳴現象について学ぶ。さまざまな気温で気柱の共鳴を観測し,空気中の音速,および,その温度依存性を測定する。
4thQ
9週 3) 電子の円運動 ローレンツ力による磁界中の荷電粒子の運動を復習し,軌跡から電子の比電荷を測定する。
10週 3) 電子の円運動 ローレンツ力による磁界中の荷電粒子の運動を復習し,軌跡から電子の比電荷を測定する。
11週 4) 光電効果 光電効果による光電子の運動エネルギーと光の振動数との関係から,プランク定数を実験的に決める。
12週 4) 光電効果 光電効果による光電子の運動エネルギーと光の振動数との関係から,プランク定数を実験的に決める。
13週 5) 原子スペクトルの分光測定 光の干渉や,原子と光の相互作用について学ぶ。回折格子による分光の基礎を習得し,原子スペクトルの波長の測定を行う。
14週 5) 原子スペクトルの分光測定 光の干渉や,原子と光の相互作用について学ぶ。回折格子による分光の基礎を習得し,原子スペクトルの波長の測定を行う。
15週 課題
まとめ
実験内容の理解度を問うまとめの課題や小テストなどに取り組む。
16週 課題
まとめ
実験内容の理解度を問うまとめの課題や小テストなどに取り組む。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後3
安全を確保して、実験を行うことができる。3後1
実験報告書を決められた形式で作成できる。3後2,後15,後16
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3後2
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後5,後6
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後4
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後7,後8,後13,後14
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後9,後10,後13,後14
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後5
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後5
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後5
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後5
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後5
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後5
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後2

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合02080000100
基礎的能力0103000040
専門的能力003000030
分野横断的能力0102000030