応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 新版微分積分Ⅱ(実教出版),新版線形代数(実教出版),応用数学(数理工学社)
担当教員 降旗 康彦

到達目標

1. 1階と2階の典型的な微分方程式が解けるようになる。
2. 1次変換を表す行列を求めることができ,直線などの図形の像を求めることができる。行列の固有値固有ベクトルを求めることができ,行列を対角化できる。
3. 複素数を複素平面上に図示することができ,ド・モアブルの公式を使うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-1)同次形,1階線形微分方程式が解ける。2階非同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができない。
評価項目2(A-1)1次変換による図形の像を求めることができ,行列の固有値固有ベクトルを用いて,行列を対角化できる。1次独立・1次従属を判定できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができ,これを応用して行列を対角化できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができない。
評価項目3(A-1)ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗およびn乗根を求めることができる。複素数の極形式を求めることができる。ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗を計算できる。複素数の極形式を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
応用数学Ⅰでは,2重積分の応用について学び,1階および2階の微分方程式の解法を学ぶ。次に,1次変換および行列の固有値と固有ベクトルの概念を学び,行列を対角化する。複素数の初歩的な事項について触れる。
授業の進め方・方法:
学習内容を解説する講義とテキストにある問いをいくつかとり上げ演習する。テキストまたは問題集の問題をレポート課題として課す。授業計画を確認して,テキストの例題はあらかじめ予習し,疑問点を整理して授業へのぞむこと。授業後は,レポート課題に取り組みながら理解を確認するとともに,各自問題集等により知識の定着を図ること。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-1(100%)とする.
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)ついては,日常の授業(60時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【実教出版:新版微分積分Ⅱ】
4章.2重積分
2節.2重積分の応用
2重積分の計算方法を復習する。
2重積分を応用して,体積の計算ができる。
2週 5章.微分方程式
1節.微分方程式と解
微分方程式とは何か,解とは何か理解でき,一般解の任意定数が初期値や境界値から定めることができる。
3週 2節.1階微分方程式
1.変数分離形の微分方程式
2.同次形微分方程式
変数分離形の微分方程式の一般解を求めることができる。
同次形の微分方程式の一般解を求めることができる。
4週 3.1階微分方程式 1階線形微分方程式の解を求めることができる。
5週 3節.2階微分方程式
1.階数降下法
階数降下法によって特殊な形の2階微分方程式が解ける。
6週 2.2階線形微分方程式と解
3.定数係数同次線形微分方程式
2階線形微分方程式の解の構造を理解する。
定数係数同次微分方程式の一般解を求めることができる。
7週 4.定数係数非同次線形微分方程式
定数係数非同次線形微分方程式の一般解を求めることができる。
8週 復習と演習
中間試験
これまで学んだ内容について,復習し試験で確認する.
2ndQ
9週 【実教出版:新版線形代数】
3章2節3.行列式の図形的意味
行列式を利用して平行四辺形の面積や平行六面体の体積を求めることができる。ベクトルの1次独立・1次従属の概念を理解し,判定もできる。
10週 4章.1節.1次変換
1.1次変換の定義
2.回転を表す1次変換
3.合成変換と逆変換
1次変換の定義が理解できる。
回転を表す行列を求めることができる。
合成変換・逆変換が行列の積,逆行列で表されることを理解できる。
11週 4.1次変換の線形性
5.1次変換と直線の像
線形性とは何か説明できる。
1次変換による直線の像を求めることができる。
12週 2節.固有値と対角化
1.固有値と固有ベクトル
行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる。
13週 2.正方行列の対角化 固有値・固有ベクトルを利用して,正方行列を対角化できる。
14週 【数理工学社:応用数学】
5.1 複素平面
複素平面を利用して,複素数の極形式を求めることができる。
ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗,n乗根を求めることができる。
15週 復習と演習
前期末試験
これまで学んだ内容について,復習し試験で確認する.
16週 試験返却と解説
5.2 複素関数
学んだ知識の再確認と修正ができる。
簡単な複素関数の値を求めることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。2
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。2
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。2

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力801595
専門的能力000
分野横断的能力055