無機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学Ⅰ
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 無機化学 基礎から学ぶ元素の世界(長尾宏隆、大山 大著;裳華房)/ フォトサイエンス化学図録(数研出版) / プリント
担当教員 古崎 睦

到達目標

1. 原子の構造を理解し、電子の波動性に基づいた新たなモデルをイメージできる。
2. 元素の性質を理解し、それらの性質と原子の電子配置との関係を説明できる。
3. 代表的な化学結合を理解し、その特徴や具体例等を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造を理解し、電子の波動性に基づいた新たなモデルをイメージ・説明できる。原子の構造を理解し、電子の波動性に基づいた新たなモデルをイメージできる。電子の波動性に基づいた新たなモデルをイメージできない。
評価項目2元素の性質を理解し、それらの性質と原子の電子配置との関係を正しく説明できる。元素の性質を理解し、それらの性質と原子の電子配置との関係を説明できる。元素の性質と、対応する原子の電子配置との関係を説明できない。
評価項目3代表的な化学結合を理解し、その特徴や具体例等を正しく説明できる。代表的な化学結合を理解し、その特徴や具体例等を説明できる。代表的な化学結合特徴や具体例等を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
元素単体および無機化合物の諸性質を決める「要因」について系統的に学ぶ科目であり、第3学年『無機化学Ⅱ』、第4学年『無機化学Ⅲ』の土台となる。
授業の進め方・方法:
本科目で学ぶ内容は「基礎理論」に相当し、以降の「元素各論」「先端材料論」「材料科学序論」の基礎となる。
注意点:
原則、毎授業時に小テストを実施する。自己学習においては、ノート・プリントの内容理解に主眼を置き、教科書や参考書により肉付けを行うとよい。なお、評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。
前期および後期の16、17回目の授業については、補講日または時間割空き時間に実施する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、地球の構成元素 学習内容や評価方法がわかり、また、地球の構造と地殻中の主要元素を説明できる。
2週 原子の構成と同位体 原子の構造および同位体について理解し、説明できる。
3週 放射性崩壊(1) 放射性崩壊および放射線について理解し、説明できる。
4週 放射性崩壊(2) 崩壊反応や半減期について理解し、関連する問題を解くことができる。
5週 放射性崩壊(3) 放射性同位体を用いた年代測定について理解し、関連する問題を解くことができる。
6週 質量欠損と核分裂反応 質量欠損および核分裂反応について理解し、説明できる。
7週 中間試験 学んだ知識の確認ができる。
8週 原子力発電の仕組み 原子力発電の仕組みについて理解し、説明できる。
2ndQ
9週 核融合反応 核融合反応について理解し、説明できる。
10週 輝線スペクトルとボーアモデル(1) 輝線スペクトルの意味について理解し、説明できる。
11週 輝線スペクトルとボーアモデル(2) 輝線スペクトルとボーアの原子モデルとを関連付けて説明することができる。
12週 電子の波動性 電子の波動性とは何か理解し、説明できる。
13週 ド・ブロイ波 ド・ブロイ波とは何か理解し、説明できる。
14週 波動方程式 波動方程式の意味について理解できる。
15週 量子数と電子軌道(1) 4つの量子数の意味を理解し、説明できる。
16週 期末試験 学んだ知識の確認ができる。
後期
3rdQ
1週 量子数と電子軌道(2) 4つの量子数の意味を理解し、説明できる。
2週 量子数と電子軌道(3) 電子軌道の大きさや形状等がどのように決まるのかイメージできる。
3週 電子配置と元素の周期性(1) 組み立ての原理、パウリの排他原理、フントの規則を理解し、電子配置を記すことができる。
4週 電子配置と元素の周期性(2) スレーターの規則をもとに、原子番号と原子半径の関係について説明できる。
5週 電子配置と元素の周期性(3) イオン化エネルギーとは何か理解し、原子番号との関係を説明できる。
6週 電子配置と元素の周期性(4) 電子親和力とは何か理解し、原子番号との関係を説明できる。
7週 電子配置と元素の周期性(5) 電気陰性度とは何か理解し、原子番号との関係を説明できる。
8週 中間試験 学んだ知識の確認ができる。
4thQ
9週 化学結合の種類(1) 一次結合と二次結合の違いやそれぞれの具体例について理解し、説明できる。
10週 化学結合の種類(2) 一次結合と二次結合の違いやそれぞれの具体例について理解し、説明できる。
11週 イオン結合(1) イオン結合と共有結合の関係について理解し、説明できる。
12週 イオン結合(2) イオン間距離について、ポテンシャルエネルギーの観点から説明できる。
13週 共有結合(1) オクテット側に基づいて共有結合を理解し、分子の形成を説明できる。
14週 共有結合(2) 電子対反発則を用いて多原子分子の構造を、予測・説明できる。
15週 共有結合(3) 原子価結合理論について理解し、説明できる。
16週 学年末試験 学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4前15,後1
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4後1,後2
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4後3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4後3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4後4,後5,後6,後7
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4後4,後5,後6,後7
イオン結合と共有結合について説明できる。2後10,後11,後12,後13,後14,後15
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。2後11,後12,後13,後14,後15
水素結合について説明できる。1後10,後11
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4前3
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4前3,前4
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4前4,前5
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4前6,前7,前9

評価割合

試験小テスト・レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力2015000035
専門的能力5015000065
分野横断的能力0000000