基礎化学実験

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎化学実験
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質化学工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 化学基礎,化学(東京書籍)/改訂版フォトサイエンス化学図録(数研出版)
担当教員 梅田 哲,小寺 史浩,小林 渡,堺井 亮介,富樫 巌,松浦 裕志,青山 政和

到達目標

1. 実験を通じて化学技術の初学者として必要な基本的な考え方,基本操作を身につけることができる。
2. 学科横断グループ演習において,共同作業能力を育むことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学技術の初学者として必要な基本的な考え方,基本操作を正しく身につけることができる。化学技術の初学者として必要な基本的な考え方,基本操作を身につけることができる。化学技術の初学者として必要な基本的な考え方,基本操作を身につけることができない。
評価項目2学科横断グループ演習において共同作業能力を正しく育むことができる。学科横断グループ演習において共同作業能力を育むことができる。学科横断グループ演習において共同作業能力を育むことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1) 実験を通じて化学現象に興味をもたせる。
2) 実験を通して化学技術の初学者として必要な基本的な考え方,基本操作を身につけさせる。
3) 学科横断グループ演習において,共同作業能力を育成する。
授業の進め方・方法:
前期は1クラスを数班に分けて,4テーマのものづくり実習を体験し,その内容についてPCを用いたプレゼンテーションを行う。また,学科横断グループ演習を実施する。後期は1クラスを10班程度に分けて,基礎的な化学実験を行う。実験は簡単な器具で操作も簡単にでき,楽しみながら化学に興味をもってもらうことを目的としている。
注意点:
初めて実験を経験する学生も多数いるので安全第一を考え,実験内容を充分に理解し,危険の防止につとめること。実験をただ機械的に行うのではなく,どうしてその実験を行なうのかを考え,操作や観察の要点などをよく理解すること。また,学科横断グループ演習では,レポート内容を取り組み状況に含めて評価する。(自学科:グループメンバーに教える立場,他学科:受講生の立場で評価することになる。)評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物質化学工学科ガイダンス 学科目標を理解し,将来の進路について認識を深めることができる。前期は、クラスを数班に分け,4テーマのものづくり実習を体験し,各グループは高専祭において1つのテーマについてまとめ発表できる。
2週 ものづくり体験実習①-1 1.セッケンをつくることができる。
3週 ものづくり体験実習①-2
4週 ものづくり体験実習②-1 2.水あめをつくることができる。
5週 ものづくり体験実習②-2
6週 ものづくり体験実習③-1 3.納豆・豆腐をつくることができる。
7週 ものづくり体験実習③-2
8週 ものづくり体験実習④-1 4.植物色素でpH指示薬をつくることができる。
2ndQ
9週 ものづくり体験実習④-2
10週 PC導入教育,プレゼンテーション入門・実施 本校情報処理施設を利用し,PCを使用して口頭発表やポスター発表を行うことができる。
11週 ものづくり体験実習⑤-1 上述の4つのテーマより1つを選択し、関連した上級実験に取り組み、実験成果をプレゼンテーションできる。
12週 ものづくり体験実習⑤-2
13週 ものづくり体験実習⑤-3
14週 ものづくり体験実習⑤-4
15週 ものづくり体験実習発表 取り組んだ上級実験に関する実験成果をプレゼンテーションできる。尚,プレゼン資料を加工し高専祭で展示を行う。
16週
後期
3rdQ
1週 実験説明 実験をただ機械的に行うのではなく,どうしてその実験を行なうのかを考え,操作や観察の要点などをよく理解することの重要性が理解できる。
2週 学科横断グループ演習① 学生がチューター役となり前期に受講した体験実習の内容を他学科の学生に教えることができる。
3週 学科横断グループ演習②
4週 学科横断グループ演習③
5週 学科横断グループ演習④
6週 基礎実験① 基 本 操 作 基本的な器具の取り扱い方と実験操作が身についている。
7週 基礎実験② 塩化水素,硫酸,硝酸 強酸の代表的な塩酸,硫酸,硝酸の性質を調べられる。
8週 基礎実験③ 金属イオンの反応 種々の金属イオンの性質を調べられる。例)水酸化物および銅,銀のアンミン錯イオンと硫化物,炎色反応など。
4thQ
9週 基礎実験④ 中 和 滴 定 シュウ酸標準溶液によって,水酸化ナトリウム溶液の濃度を求め,次に食酢中の酢酸の濃度を調べることができる。
10週 基礎実験⑤ 中和熱の測定 化学反応で発生した熱量を測定し,その結果からへスの法則を導くことができる。
11週 基礎実験⑥ 化学変化と物質量 化学変化に伴う物質の質量変化が一定割合で起こり,化学反応係数が物質量の比を示すことを確かめられる。
12週 基礎実験⑦ アルコ-ルの酸化 アルコールを酸化し,その生成物であるアルデヒドの性質について調べられる。
13週 基礎実験⑧ アルカリ金属・電 気 分 解 アルカリ金属の代表として,ナトリウムの性質を調べられる。塩化銅(Ⅱ)が水溶液中で銅イオンと塩化物イオンに分かれていることを,電気分解により調べられる。
14週 基礎実験⑨ アンモニアの性質 塩化アンモニウムを分解して,アンモニアをつくり,その性質を調べられる。
15週 基礎実験⑩ pHの測定 pH試験紙を用いてpHやモル濃度を測り,モル濃度とpHとの関係を調べられる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。2
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験吸引ろ過ができる。1
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。1
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。1
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。1
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。1

評価割合

積極性・協調性達成度プレゼンテーションレポート(後期)試験(後期)その他合計
総合評価割合10252530100100
基礎的能力050100015
専門的能力015151510055
分野横断的能力1051050030