1. IUPACの命名法を理解し,構造から名前を,また名前から構造を誘導できる.
2. 代表的な官能基に関して,その性質を理解でき,それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法を説明できる.
概要:
有機化合物は1千万種類以上有り全てを覚えることは不可能である。したがって,どの様な化合物でも官能基を見極め,それが持つ性質と反応性から結果を考えることが必要である。ここでは,有機化合物の一般的な分類・順番に従い,教科書に沿って授業を行い,有機化学の一般的な知識を学ぶ。
授業の進め方・方法:
炭素原子を含む分子を扱う有機化学は我々自身や我々の身の回りのほぼ全てのものに関連し,化学の重要な一分野となっている。この科目では,2年生の有機化学Iに引き続き,有機化合物の命名法,様々な官能基の構造と性質・反応性の関係についての基礎知識を習得する。
前回および当日の授業内容から,教科書の例題や問題に沿った内容の小テストを行う。自宅学習帳で復習するとともに,次週の範囲の予習が必要である。
注意点:
・自学自習時間(30時間)は,日常の授業のための予習復習,授業時間外の課題,定期試験の準備等の学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
・ガイダンス ・アルケンとアルキン:命名法、アルケンの電子構造 |
・授業の進め方と成績の評価方法が理解できる。 ・IUPAC命名法が使え,平面と直線分子を混成で説明できる。
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2週 |
・アルケンとアルキン:シスートランス異性体とE, Z命名法 |
・混成軌道を用い物質の形を説明できる。 ・シスートランス異性体を説明できる。 ・アルケンのE, Z命名法を説明できる。
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3週 |
・アルケンとアルキン:反応の種類と反応機構、求電子付加反応(1)
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・電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 ・結合の分極を予測できる。 ・求電子付加反応の反応機構について説明できる。
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4週 |
・アルケンとアルキン:求電子付加反応(2) |
・Markovnikov則について説明できる。
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5週 |
・アルケンとアルキン:求電子付加反応(3) |
・Markovnikov則により反応の主生成物が予測できる。
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6週 |
・アルケンとアルキン:ラジカル付加とその他の反応 |
・ラジカル重合でポリマーが生成することを説明できる。 ・アルケンのその他の反応について説明できる。
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7週 |
・アルケンとアルキン:共役ジエンの反応とアルキンの反応
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・共役ジエンの反応について説明できる。 ・アルキンの命名法と反応について理解できる。
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8週 |
中間試験 |
・学んだ知識の確認ができる。
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2ndQ |
9週 |
・芳香族化合物:ベンゼンの構造 |
・共鳴および非局在化構造の意味を説明できる。
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10週 |
・芳香族化合物:芳香族化合物の命名法 |
・一般的な芳香族化合物の構造と名前を書ける。
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11週 |
・芳香族化合物:求電子置換反応(1) |
・芳香族化合物への求電子置換反応について反応機構を説明できる。
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12週 |
・芳香族化合物:求電子置換反応(2) |
・芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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13週 |
・芳香族化合物:置換基効果(1) |
・芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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14週 |
・芳香族化合物:置換基効果(2) |
・芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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15週 |
・芳香族化合物:置換基効果(3) |
・芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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16週 |
・期末試験 |
・学んだ知識の確認ができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
・ガイダンス ・立体異性:立体配置(1) |
・授業の進め方と成績の評価方法が理 解できる。 ・分子の三次元的な構造がイメージでき,異性体について理解できる。
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2週 |
・立体異性:立体配置(2) |
・分子の三次元的な構造がイメージでき,異性体について理解できる。
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3週 |
・立体異性:ジアステレオマー・幾何異性 |
・構造異性体,幾何異性体,鏡像異性体などが説明できる。 ・化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。
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4週 |
・有機ハロゲン化物:求核置換反応(1) |
・有機ハロゲン化物の構造および性質が説明できる。
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5週 |
・有機ハロゲン化物:求核置換反応(2) |
・有機ハロゲン化物の合成法と反応が説明できる。
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6週 |
・有機ハロゲン化物:求核置換反応の機構(1) |
・SN2反応の機構が説明できる。
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7週 |
・有機ハロゲン化物:求核置換反応の機構(2) 次週,中間試験を実施する |
・SN2反応の機構が説明できる。
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8週 |
・有機ハロゲン化物:求核置換反応の機構(3) |
・SN1反応の機構が説明できる。
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4thQ |
9週 |
・有機ハロゲン化物:求核置換反応の機構(4) |
・SN1反応の機構が説明できる。
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10週 |
・有機ハロゲン化物:脱ハロゲン化水素反応(1) |
・E1とE2反応の機構が説明できる。
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11週 |
・有機ハロゲン化物:脱ハロゲン化水素反応(2) |
・E1とE2反応の機構が説明できる。
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12週 |
・有機ハロゲン化物:置換反応と脱離反応 |
・2つの反応の競合していることを説明できる。
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13週 |
・アルコールとフェノール:命名法 |
・アルコールとフェノールの命名ができる。
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14週 |
・アルコールとフェノール:性質(1) |
・アルコールとフェノールの構造および性質が説明できる。
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15週 |
・アルコールとフェノール:性質(2) |
・アルコールとフェノールの構造および性質が説明できる。
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16週 |
・期末試験 |
・学んだ知識の確認ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | 前1,前9 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前7,前10,後13 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 前1 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 前4,前7,前13,前14,前15 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | 前5,前7,前9,前10 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | 前4,前7 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | 前9 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 後1,後2 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | 前2,前3,後3 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | 後3 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後14 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 2 | 前2,前3,前4,前6 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 3 | 前7,前11,前12,前13,前14,前15,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後14 |