化学工学実験

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学工学実験
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:4
教科書/教材 化学工学実験(東畑・城塚・小島著,産業図書)
担当教員 兵野 篤,千葉 誠

到達目標

1. 実験内容を十分に理解し,正しく実験を行うことができる。
2. 実験機器の原理・操作方法等を理解し,十分に使いこなすことができる。
3. 実験に関する分野の知識・情報等の活用状況を明確に記述できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-3, D-2, E-1, E-2)実験内容を十分理解し,正しく実験を行うことができる。また,実験レポートの作成方法を理解し,正しく実践できる。実験内容を理解し,正しく実験を行うことができる。また,実験レポートの作成方法を理解し,実践できる。実験内容を理解できず,実験を行えない。また,実験レポートの作成方法を理解できず,実践できない
評価項目2 (A-3, E-1)実験機器の原理・操作方法等を正しく理解し,十分に使いこなすことができる。実験機器の原理・操作方法等を理解し,使いこなすことができる。実験機器の原理・操作方法等を理解できない。
評価項目3 (D-2, E-1, E-2)実験に関する分野の知識・情報等の活用状況を明確に記述できる。実験に関する分野の知識・情報等の活用状況を記述できる。実験に関する分野の知識・情報等の活用状況を記述できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工業において応用されている種々の内容と手法を実験を通して理解を深め,併せて種々の操作の基礎を経験する。
授業の進め方・方法:
各実験担当教員の指導の下で,授業(60時間)を行う。
実験の前に実験書をよく読み,実験目的,理論,計算法の大要,実験装置とその操作などを理解しておく。
分からない点があれば,実験の前に調べておく。実験レポートには,最低限実験書に書かれている報告事項と指導教員の指示する事項を記入する。
実験時,レポートの作成にはグループ内での積極的な協力・討議が必要不可欠である。
レポートの提出期限には決して遅れないこと。
なお,全ての実験レポートが受理されていなければ単位の取得はできない。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-3(60%), D-2(10%), E-1(15%) , E-2(15%)とする。
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)のための予習復習時間,測定値から目標値に至る計算,結果の考察・および文献調査等の時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
・評価項目と評価対象の各組合せは,「技術,知識習得度(A-3)」が「レポート20%, 試験30%, 事前レポート10%」,「分析能力(D-2)」が「レポート5%, 事前レポート5%」,「達成度(E-1)」が「試験10%, 事前レポート5%」,「積極性・協調性 (E-2)」が「レポート15%」である。評価内容の詳細については,ガイダンスにおいて周知する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,実験,データ整理,レポート作成上の注意 実験に臨む姿勢,データ処理の仕方,安全管理,全テーマの概要について理解し,安全に実験を進めることができる。
レポート作成に際しての注意点を理解し,それらを守ったレポートを作成することができる。
2週 管内の圧力損失(流体計測)1 流体輸送の基礎事項として機械的エネルギー収支式を理解し,圧力損失を実測し,摩擦係数とレイノルズ数との関係を説明できる。
3週 管内の圧力損失(流体計測)2 流体輸送の基礎事項として機械的エネルギー収支式を理解し,圧力損失を実測し,摩擦係数とレイノルズ数との関係を説明できる。
実験データの整理・考察ができる。
4週 充填層と流動層(流体計測)1 粒子の充填層および流動層において流体の流動条件による圧損失および空隙率の変化の測定を行い,粒子群の流動開始速度および粒子終末速度について実験値と計算値を比較検討できる。
5週 充填層と流動層(流体計測)2 粒子の充填層および流動層において流体の流動条件による圧損失および空隙率の変化の測定を行い,粒子群の流動開始速度および粒子終末速度について実験値と計算値を比較検討できる。
実験データの整理・考察ができる。
6週 液滴の生成(液体の取扱い)1 液-液系の最も基礎的な形態である単一液滴生成に影響を与える物理的因子を知り,次元解析からそれらの物理量相互の関係を予測することができる。
7週 液滴の生成(液体の取扱い)2 液-液系の最も基礎的な形態である単一液滴生成に影響を与える物理的因子を知り,次元解析からそれらの物理量相互の関係を予測することができる。
実験データの整理・考察ができる。
8週 実験結果の確認・再レポートの作成実験試験,実験装置の保守作業1 実験結果の取りまとめ,報告の仕方を再確認し,結果の妥当性評価や考察において理論的な説明ができる。
実験レポートの記述,及び実験レポートの作成方法を理解し,実践できる。
4thQ
9週 二重管熱交換器の総括伝熱係数(物質移動)1 もっとも簡単な熱交換器である二重管交換器の熱収支を行い,総括伝熱係数を実測し,流体の流量との関係を述べることができる。
10週 二重管熱交換器の総括伝熱係数(物質移動)2 もっとも簡単な熱交換器である二重管交換器の熱収支を行い,総括伝熱係数を実測し,流体の流量との関係を述べることができる。
実験データの整理・考察ができる。
11週 小型ボイラーの性能(物質移動)1 小型ボイラーの基準蒸発量,伝熱面蒸発率等を算出し,熱精算を行うことができる。
12週 小型ボイラーの性能(物質移動)2 小型ボイラーの基準蒸発量,伝熱面蒸発率等を算出し,熱精算を行うことができる。
実験データの整理・考察ができる。
13週 単蒸留(液体の取扱い)1 2成分系を資料として単蒸留を行い理論値と比較し,物質収支を行うことができる。
14週 単蒸留(液体の取扱い)2 2成分系を資料として単蒸留を行い理論値と比較し,物質収支を行うことができる。
実験データの整理・考察ができる。
15週 実験結果の確認・再レポートの作成実験試験,実験装置の保守作業2
理解度の確認試験
実験結果の取りまとめ,報告の仕方を再確認し,結果の妥当性評価や考察において理論的な説明ができる。実験レポートの記述,及び実験レポートの作成方法を理解し,実践できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後8
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4後1,後13,後14,後15
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

技術・知識習得度分析能力達成度積極性・協調性ポートフォリオその他合計
総合評価割合6010151500100
基礎的能力205550035
専門的能力4051000055
分野横断的能力000100010