生化学実験

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 生化学実験
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 各テーマの実験テキスト(プリント配布またはweb配付)、実験に関する動画
担当教員 小林 渡,杉本 敬祐,松浦 裕志

到達目標

1. 生物化学分野の基礎的な実験方法と機器の使用法を習得するとともに、実験を通して、生物化学,生物学,微生物学の知識を習得する。
2. バイオ分野におけるデータベースの利用等情報リテラシーを身に付ける。
3. 実験結果をまとめて正確に記述するとともにそれらを基に論理的に考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各テーマの内容を正確に理解し,正確な段取りで,各種機器を正確に使用して,実験することができる。各テーマの内容の概要を理解し,正しい手順で各種機器を使いこなして実験ができる。 左記に達していない
評価項目2バイオ分野の各種データベースを使いこなして,様々な情報を得ることができる。バイオ分野の指定されたデータベースを用いて,適切な情報を得ることができる。左記に達していない
評価項目3実験結果を正確にまとめ,評価すると共に,適切な文献等を参照し,充分な考察を記述することができる。実験結果を正確にまとめ,ほぼ妥当な考察をすることができる。左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物関連物質の性質についての理解を深め,生物試料の調製・取扱・分析法やパソコンによるデータ処理等の基礎的技術を習得する。
授業の進め方・方法:
授業内容に示した実験を行い,自学学習時間を用いてレポートを作成する。また,実験前日には,実験を効率よく進めるために,操作手順などを事前に作成しておく。
注意点:
各回の実験テーマについて,生化学の講義での関連分野を良く復習するとともに,テキストおよびホームページ*の指示に従って事前レポートを作成した上で実験に臨むこと。実験終了の1週間後までにレポートを作成し提出する。なお、テスト期間に実施するテストは、各実験テーマに関する技術・技術の定着を確認する内容で、レポート評価点に組み込まれる。
*初回ガイダンス時に連絡するアドレスに実験操作を動画にしたコンテンツを用意した(杉本担当)。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 実験の取り組み方について理解している。正しい濃度の溶液の作成方法を理解している。
2週 マイクロピペットの使用法と検定・レポート作成法 マイクロピペットを使用する事ができる。データを正しく扱い、実験レポートを記載する事ができる。
3週 生体高分子の構造 タンパク質の立体構造を分子表示ソフトで表示し,タンパク質の高次構造を支える相互作用について説明できる。
4週 顕微鏡操作
光学顕微鏡の基本的操作が実施できる。様々な生物試料を観察し、スケッチ等を通して細胞や組織の構造を理解することができる。
5週 タンパク質の定量 分光光度計を使ってタンパク質の濃度測定ができる。
6週 糖の定性反応 各種の糖の性質の違いを利用して,未知の糖を同定できる。
7週 返却レポートの修正1
次週、中間試験を実施する。
指示に従い適切にレポートを修正できる。
8週 生体物質の精製
ゲル濾過の分離メカニズムを理解し,カラムクロマトグラフィーの操作を行うことができる。
4thQ
9週 酵素反応 条件を変えて酵素活性(唾液アミラーゼ)を測定することにより,酵素の性質を理解することができる。
10週 返却レポートの修正2
指示に従い適切にレポートを修正できる。
11週 寒天培地の作製 培地を作成し,微生物を純粋培養する事ができる。
12週 植物色素の分離 TLC の分離メカニズムを理解し、抽出した光合成色素を分離する事ができる。
13週 返却レポートの修正3
指示に従い適切にレポートを修正できる。
14週 DNAホモロジー検索 生物情報データベースにアクセスしてタンパク質の情報を検索する事ができる。
15週 返却レポートの修正4・実験室片付け清掃 指示に従い適切にレポートを修正できる。
16週 学年末試験 様々な実験の理論的背景や実験手技の理論を説明出来る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4後5,後8
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。3後2,後5
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4後4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4後11
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4後12
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4後5
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4後8
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4後9

評価割合

レポート実験技能と取組度相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力155000020
専門的能力3525000060
分野横断的能力1010000020