無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 無機化学 基礎から学ぶ元素の世界(長尾宏隆・大山 大 著;裳華房)/ プリント、模型
担当教員 古崎 睦

到達目標

1. 代表的な化学結合を理解し、その特徴や具体例を説明できる。
2. 代表的な固体結晶を理解し、その構造や特徴、具体例を説明できる。
3. 基本的な無機元素単体および化合物について理解し、その構造や結合様式、性質について説明できる。
4. いくつかの先端材料について、その構造、機能、合成法、用途等を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な化学結合を理解し、その特徴や具体例を正しく説明できる。代表的な化学結合を理解し、その特徴や具体例を説明できる。代表的な化学結合の特徴や具体例を説明できない。
評価項目2代表的な固体結晶を理解し、その構造や特徴、具体例を正しく説明できる。代表的な固体結晶を理解し、その構造や特徴、具体例を説明できる。代表的な固体結晶の構造や特徴、具体例を説明できない。
評価項目3基本的な無機元素単体および化合物について理解し、その構造、結合状態、性質を正しく説明できる。基本的な無機元素単体および化合物について理解し、その構造、結合状態、性質を説明できる基本的な無機元素単体および化合物の構造、結合状態、性質を説明できない。
評価項目4いくつかの先端材料について、その構造、機能、合成法、用途等を正しく説明できる。いくつかの先端材料について、その構造、機能、合成法、用途等を説明できる。いくつかの先端材料について、その構造、機能、合成法、用途等を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
元素単体および無機化合物の諸性質を決定する「要因」について系統的に学ぶ科目であり、第4学年『無機化学Ⅲ』の土台となる。
授業の進め方・方法:
前半は第2学年に引き続き「基礎理論」を学習し、その後「元素各論」および「先端材料論」へと移行する。「先端材料論」では少人数の班に分かれ、自ら選択したある物質・材料・システムについて、プレゼンテーションを行う。
注意点:
原則、毎授業時に小テストを実施する。「元素各論」では、必要に応じて「基礎理論」に立ち戻りながら、系統的な視点から各元素・物質の特徴を捉える姿勢が大切である。また、「先端材料論」では、班のメンバーと協力しながら、材料としての特徴・機能がどのように発現し、どのように応用され、どのような問題を含んでいるか、などについてストーリー性を意識しながらまとめ、発表することを要求している。なお、評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、共有結合(1) 学習内容や評価方法がわかり、また、原子価結合理論により共有結合を説明できる。
2週 共有結合(2) 混成軌道により、多原子分子の構造を説明できる。
3週 共有結合(3) 分子軌道理論により、多原子分子の構造を説明できる。
4週 共有結合(4) 分子軌道理論により、多原子分子の構造を説明できる。
5週 金属結合 金属結合の形成理論や特徴を理解し、説明できる。
6週 分子間力結合 水素結合およびファンデル・ワールス結合の形成理論や特徴を理解し、説明できる。
7週 結晶系とブラベ格子
次週、中間試験を実施する
空間格子、結晶系、ブラベ格子について理解し、単位格子の違いを説明することができる。
8週 金属結晶(1) 金属結晶の具体例を挙げ、その構造上の特徴を説明できる。
2ndQ
9週 金属結晶(2) 代表的な金属結晶について、充填率や密度が計算できる。
10週 イオン結晶(1) イオン結晶の具体例を挙げ、その構造上の特徴を説明できる。
11週 イオン結晶(2) 代表的なイオン結晶について、イオン半径比や隙間サイト形、配位数などを求めることができる。
12週 共有結晶 共有結晶の具体例を挙げ、それらの構造上の特徴を説明できる。
13週 分子結晶 分子結晶の具体例を挙げ、それらの構造上の特徴を説明できる。
14週 バンド構造と半導体 導電体・半導体・絶縁体のバンド構造を図示、説明することができる。
15週 水の特異性 水の特性を、その分子構造および極性と関連づけて説明できる。
16週 期末試験 学んだ知識を確認することができる。
後期
3rdQ
1週 水素とその化合物(1) 水素単体の性質、特異性、所在・製法・用途がわかる。
2週 水素とその化合物(2) 水素化合物の分類、代表的化合物の特徴がわかる。
3週 アルカリ金属元素とその化合物(1) アルカリ金属元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
4週 アルカリ金属元素とその化合物(2) アルカリ金属元素の代表的化合物について、その特徴がわかる。
5週 アルカリ土類金属元素とその化合物(1) アルカリ土類金属元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
6週 アルカリ土類金属元素とその化合物(2) アルカリ土類金属元素の代表的化合物について、その特徴がわかる。
7週 模擬中間試験
次週、中間試験を実施する
学んだ知識を確認することができる。
8週 中間試験の解説
貴ガス元素
学んだ知識の再確認と修正ができる。
貴ガス元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
4thQ
9週 ハロゲン元素 ハロゲン元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
10週 先端材料論(1) 班毎に「先端材料論」に関するテーマを選択し、協力しながら調査することができる。
11週 先端材料論(2) 班毎に「先端材料論」に関するテーマを選択し、協力しながら調査することができる。
12週 先端材料論(3) 調査結果を基に、発表用資料を作成することができる。
13週 先端材料論(4) 調査結果を基に、発表用資料を作成することができる。
14週 先端材料論(5) 資料を基に、定められた時間の中で発表・質疑応答を行うことができる。
15週 先端材料論(6) 資料を基に、定められた時間の中で発表・質疑応答を行うことができる。
16週 学年末試験 学んだ知識を確認することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。4前1
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4前1
金属結合の形成について理解できる。4前5,前8,前9
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4前1,前3,前4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4前2
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4前9,前10,前11
水素結合について説明できる。4前6,後1
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9

評価割合

試験小テスト・レポート口頭発表態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力105000015
専門的能力6015500080
分野横断的能力0050005