応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 「新版 微分積分Ⅱ」(実教出版),高専テキストシリーズ 「線形代数」(森北出版),高専テキストシリーズ 「応用数学」(森北出版)
担当教員 椿原 康介

到達目標

1. 2重積分の定義を理解し,いろいろな2重積分の値を計算できるようになる。
2. 1階と2階の典型的な微分方程式が解けるようになる。
3. 線形変換による直線などの図形の像を求めることができる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができ,行列を対角化できる。
4. 複素数を複素平面上に図示することができ,ド・モアブルの公式を使うことができる。
5.複素変数の関数について理解し,コーシー・リーマンの関係式を用いて正則性を判定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12重積分の値を様々な領域に対して計算でき,体積を求める問題などに応用できる。2重積分の値を計算できる。極座標を用いて2重積分の値を計算できる。2重積分の値を簡単な領域の場合に求めることができない。
評価項目21階線形微分方程式が解ける。2階非同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式,定数係数2階同次線形微分方程式の解を求めることができない。
評価項目3線形変換による図形の像を求めることができ,行列の固有値固有ベクトルを用いて,行列を対角化できる。線形独立・線形従属を判定できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができ,これを応用して行列を対角化できる。行列の固有値・固有ベクトルを求めることができない。
評価項目4ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗およびn乗根を求めることができる。複素数の極形式を求めることができる。ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗を計算できる。複素数の極形式を求めることができない。
評価項目5複素関数の正則条件を用いることができる。複素関数が正則であることを判定できる。複素関数が正則であることを判定できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用数学Ⅰでは,2重積分の計算法およびその応用について学び,1階および2階の微分方程式の解法を学ぶ。次に,線形変換および行列の固有値と固有ベクトルの概念を学び,行列を対角化する。最後に,複素数の初歩的な事項および複素関数の正則性を扱う。
授業の進め方・方法:
学習内容を解説する講義とテキストにある問いをいくつかとり上げ演習する。テキストまたは問題集の問題をレポート課題として課す。授業計画を確認して,テキストの例題はあらかじめ予習し,疑問点を整理して授業へのぞむこと。授業後は,レポート課題に取り組みながら理解を確認するとともに,各自問題集等により知識の定着を図ること。
注意点:
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)ついては,日常の授業(60時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第4章 重積分
1節 重積分
1 2重積分の定義
2 累次積分
2重積分の定義を理解し,累次積分により計算できる。
累次積分の順序を変更できる。
2週 変数の変換と重積分
3 累次積分と順序交換
4 2重積分と変数変換
2節 重積分の応用
1 体積
極座標を用いて2重積分の値を計算できる。
広義積分の考え方を理解し、その値を計算することができる。
3週 2 ガウス型積分
中間試験①
2重積分を応用してガウス型の広義積分を求めることができる。
4週 第5章 微分方程式
1 微分方程式
2 微分方程式の解
3 初期値問題と境界値問題
2節 1階微分方程式
1 変数分離型
微分方程式を解くことの意味を理解する。与えられた関数が微分方程式の解であることを確かめることができる。
与えられた一般解から,初期条件および境界条件をもとに特殊解を求めることができる。
変数分離形の微分方程式の一般解を求めることができる。
5週 2 同次形
3 1階線形微分方程式
同次形の微分方程式の解を求めることができる。
1階線形微分方程式の解を求めることができる。
6週 3節 2階微分方程式
1 階数降下法
2 2階線形微分方程式と解
3 定数係数の同次線形微分方程式
2階線形微分方程式の解の構造を理解する。
定数係数斉次線形微分方程式の解の構造を理解し、一般解を求めることができる。
7週 4 定数係数の非同次線形微分方程式
5 連立微分方程式
6 非定数係数の同次線形微分方程式
次週,中間試験②を実施する。
定数係数非斉次微分方程式の解を求めることができる。
8週 【線形代数】
第3章 線形変換
6.1 線形変換と表現行列
線形変換による,直線の像を求めることができる。
2ndQ
9週 6.2 いろいろな線形変換
中間試験③
対称変換,原点中心の回転,直交変換の表現行列を求めることができる。
合成変換,逆変換の表現行列を求めることができる。
10週 第3章 線形変換
7.1 固有値と固有ベクトル
2次の正方行列の固有値および固有ベクトルについて理解し,それらを求めることができる。
11週 7.2 行列の対角化 正方行列を対角化できる。
12週 【応用数学】
第2章 複素関数論
1.1 複素平面
複素平面を利用して,複素数の極形式を求めることができる。
13週 1.2 極形式
中間試験④
ド・モアブルの公式を利用して,複素数のべき乗,n乗根を求めることができる。
14週 2.1 複素関数
2.2 基本的な複素関数
複素関数の基本的な事柄について理解できる。
複素変数の多項式や指数関数,三角関数について理解し,具体的な値を求めることができる。
15週 2.3 複素関数の極限
2.4 コーシー・リーマンの関係式
複素関数が正則であるかどうかを判定できる。
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前2
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前4,前5
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前6
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前7

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000