概要:
元素単体および無機化合物の諸性質を決定する「要因」について系統的に学ぶ科目であり、第4学年『無機化学Ⅲ』の土台となる。
授業の進め方・方法:
前半は第2学年に引き続き「基礎理論」を学習し、その後「元素各論」および「先端材料論」へと移行する。「先端材料論」では少人数の班に分かれ、自ら選択したある物質・材料・システムについて、プレゼンテーションを行う。
注意点:
原則、毎授業時に小テストを実施する。「元素各論」では、必要に応じて「基礎理論」に立ち戻りながら、系統的な視点から各元素・物質の特徴を捉える姿勢が大切である。また、「先端材料論」では、班のメンバーと協力しながら、材料としての特徴・機能がどのように発現し、どのように応用され、どのような問題を含んでいるか、などについてストーリー性を意識しながらまとめ、発表することを要求している。なお、評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、共有結合(1) |
学習内容や評価方法がわかり、また、原子価結合理論により共有結合を説明できる。
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2週 |
共有結合(2) |
混成軌道により、多原子分子の構造を説明できる。
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3週 |
共有結合(3) |
分子軌道理論により、多原子分子の構造を説明できる。
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4週 |
共有結合(4) |
分子軌道理論により、多原子分子の構造を説明できる。
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5週 |
金属結合 |
金属結合の形成理論や特徴を理解し、説明できる。
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6週 |
分子間力結合 |
水素結合およびファンデル・ワールス結合の形成理論や特徴を理解し、説明できる。
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7週 |
結晶系とブラベ格子 次週、中間試験を実施する |
空間格子、結晶系、ブラベ格子について理解し、単位格子の違いを説明することができる。
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8週 |
金属結晶(1) |
金属結晶の具体例を挙げ、その構造上の特徴を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
金属結晶(2) |
代表的な金属結晶について、充填率や密度が計算できる。
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10週 |
イオン結晶(1) |
イオン結晶の具体例を挙げ、その構造上の特徴を説明できる。
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11週 |
イオン結晶(2) |
代表的なイオン結晶について、イオン半径比や隙間サイト形、配位数などを求めることができる。
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12週 |
共有結晶 |
共有結晶の具体例を挙げ、それらの構造上の特徴を説明できる。
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13週 |
分子結晶 |
分子結晶の具体例を挙げ、それらの構造上の特徴を説明できる。
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14週 |
バンド構造と半導体 |
導電体・半導体・絶縁体のバンド構造を図示、説明することができる。
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15週 |
水の特異性 |
水の特性を、その分子構造および極性と関連づけて説明できる。
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16週 |
期末試験 |
学んだ知識を確認することができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
水素とその化合物(1) |
水素単体の性質、特異性、所在・製法・用途がわかる。
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2週 |
水素とその化合物(2) |
水素化合物の分類、代表的化合物の特徴がわかる。
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3週 |
アルカリ金属元素とその化合物(1) |
アルカリ金属元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
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4週 |
アルカリ金属元素とその化合物(2) |
アルカリ金属元素の代表的化合物について、その特徴がわかる。
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5週 |
アルカリ土類金属元素とその化合物(1) |
アルカリ土類金属元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
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6週 |
アルカリ土類金属元素とその化合物(2) |
アルカリ土類金属元素の代表的化合物について、その特徴がわかる。
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7週 |
貴ガス元素 次週、中間試験を実施する |
貴ガス元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
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8週 |
ハロゲン元素 |
ハロゲン元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。
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4thQ |
9週 |
先端材料論(1) |
班毎に「先端材料論」に関するテーマを選択し、協力しながら調査することができる。
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10週 |
先端材料論(2) |
班毎に「先端材料論」に関するテーマを選択し、協力しながら調査することができる。
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11週 |
先端材料論(3) |
調査結果を基に、発表用資料を作成することができる。
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12週 |
先端材料論(4) |
調査結果を基に、発表用資料を作成することができる。
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13週 |
先端材料論(5) |
資料を基に、定められた時間の中で発表・質疑応答を行うことができる。
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14週 |
先端材料論(6) |
資料を基に、定められた時間の中で発表・質疑応答を行うことができる。
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15週 |
期末試験 |
学んだ知識を確認することができる。
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16週 |
答案の返却&説明 |
学んだ知識の再確認と修正ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 金属結合の形成について理解できる。 | 2 | 前5,前8,前9 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 2 | 前1,前3,前4 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 2 | 前2 |
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。 | 1 | 前11,前13,前15 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 2 | 前9,前10,前11 |
水素結合について説明できる。 | 2 | 前6,後1 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 2 | 前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8 |
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。 | 1 | 前13,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |