基礎生物学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎生物学
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高等学校 生物基礎及び生物(第一学習社)/スクエア最新図説生物 (第一学習社)/基礎からしっかり学ぶ生化学(羊土社)
担当教員 小林 渡

到達目標

1. 細胞の構造,細胞内小器官の働きについて理解し,説明出来る。
2. 生体膜,膜タンパク質の化学的性質を理解し,説明出来る。
3. 光合成における光合成色素,光化学反応,炭酸固定反応について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1細胞の構造,細胞小器官のはたらきについて概要を理解し,詳細に説明出来る。細胞の構造,細胞小器官のはたらきについて概要をおおよそ理解し,簡潔に説明出来る。左記に達していない。
評価項目2生体膜の構造と成分について正しく理解し,各成分の働きについて,詳しく説明出来る。生体膜の構造と成分について理解し,簡潔に説明出来る。左記に達していない。
評価項目3光合成の反応に係わる各反応を正確に理解し,正しく説明出来る。光合成の概要を理解し,簡潔に説明出来る。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・生物の構成単位である細胞の機能を生体分子の化学的特性を基に把握し,生命現象のエネルギー的基盤である光合成を化学の観点から把握できる。
・細胞膜の透過性、膜輸送について、小腸上皮細胞による吸収、腎臓における尿の生成を例に学ぶ。
・葉緑体の構造と光合成反応の概要を学ぶ。
授業の進め方・方法:

・毎回の講義では、重要箇所や参考画像を示しつつ、板書による講義形式で行う。各テーマ毎に復習のためのプリントを課すので、期日まで作成して提出する。
注意点:
・評価は試験(80%)及び課題提出の状況(20%)を総合して決定し、60点以上を合格とする。
・履修にあたっては,2学年一般科目の生物の内容や3学年年の生化学,微生物学を適宜復習する。また,同時期に開講される生化学実験のテーマとの関連も深いので,互いに参照しつつ復習する。さらに,日常的に農業,水産業、工業分野でのバイオ関係のニュース,及び医療問題などに関心をもつこと,さらに生物である自分の身体に関心を持ち講義に臨むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
水と生命
水の性質とその特殊性、地球環境や生物における水の重要性を理解し説明することができる。
2週 真核細胞の構造とはたらき1 真核生物の主な細胞小器官の機能を説明できる。膜構造物
3週 真核細胞の構造とはたらき2 真核生物の主な細胞小器官の機能を説明できる。膜構造物以外
4週 生体膜の性質1 リン脂質の性質と生体膜の構造について説明できる。
5週 生体膜の性質2 半透膜と浸透圧について理解し,その重要性を説明することができる。
6週 生体膜の性質3 細胞内外への物質輸送に関する膜タンパク質の役割について説明できる。受動輸送と能動輸送にいて説明出来る。
7週 生体膜の性質4
次週、中間試験を実施する。
小腸上皮および腎臓の細胞の膜タンパク質の役割について説明できる。
8週 光合成1 光合成の概要とその意義について説明できる.葉緑体の構造について説明出来る。
4thQ
9週 光合成2 光合成色素の種類、可視光の波長と色素による吸収について説明できる。
10週 光合成3 光合成の光化学反応によるNADPHとATPの生成について説明出来る
11週 光合成4 光合成の炭酸固定による糖の生成について説明出来る。
12週 光合成5 光合成の環境適応:C3植物、C4植物、CAM植物について説明出来る。
13週 光合成6 光合成と環境条件の関係について説明出来る。
14週 窒素同化 窒素同化について説明出来る。
15週 期末試験
16週 テストの返却と解説
環境問題と光合成

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。2
生物化学脂質の機能を複数あげることができる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。2
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。2

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力2501500040
専門的能力550500060
分野横断的能力0000000