概要:
コンピューター・グラフィックス上でタンパク質の立体構造を観察することで,立体構造の形成に関わる要素や反応機構のメカニズムを理解していく。このとき重要なのが,今までの二次元的な理解ではなく,三次元的な理解をできるようにしていくことである。
また、バイオインフォマティクスの基本的操作を習得する。
授業の進め方・方法:
前半:タンパク質の基礎知識を説明した後、情報処理センターにおいて,
・分子モデル表示ソフト(PDB Viewer)を使用し、タンパク質の立体構造を観察する。
・バイオインフォマティクスの基本的操作を学ぶ。
これらについて、いくつかの課題に対して、レポート提出する流れである。
後半:いくつかの酵素の立体構造と反応機構を照らし合わせながら、酵素の高度な反応機構を学ぶ。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2,D-1,D-2 とする。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)のための予習・復習,理解を深めるための演習課題の考察・まとめ,および定期試験のための学習を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
タンパク質における様々な相互作用 その1 |
pHとアミノ酸残基の解離状態の変化が,蛋白質の働き・構造にどのように影響するのを考えることができる.
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2週 |
タンパク質における様々な相互作用 その2 |
生体内における非共有結合について理解し,それを応用することができる.
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3週 |
バイオインフォマティクス その1 |
一次構造から ・タンパク質の機能を明らかにすることができる。 ・進化的関係を明らかにすることができる。 ・収斂進化について明らかにすることができる。 ・重要なアミノ酸残基を推測することができる。
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4週 |
バイオインフォマティクス その2 |
一次構造から ・タンパク質の機能を明らかにすることができる。 ・進化的関係を明らかにすることができる。 ・収斂進化について明らかにすることができる。 ・重要なアミノ酸残基を推測することができる。
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5週 |
バイオインフォマティクス その3 |
一次構造から ・タンパク質の機能を明らかにすることができる。 ・進化的関係を明らかにすることができる。 ・収斂進化について明らかにすることができる。 ・重要なアミノ酸残基を推測することができる。
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6週 |
二次構造から四次構造、およびモチーフとドメイン その1 |
タンパク質中におけるαへリックス・β構造・ターン構造などを立体構造の観点から理解することができる。
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7週 |
二次構造から四次構造、およびモチーフとドメイン その2 次週、中間試験を実施する。 |
タンパク質の様々なモチーフ構造を理解し,分子表示ソフトを用いてその構造を認識することができる。
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8週 |
中間試験 |
試験を通してこれまでに習ったことを再確認する。
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4thQ |
9週 |
二次構造から四次構造、およびモチーフとドメイン その3 |
タンパク質の様々なモチーフ構造を理解し,分子表示ソフトを用いてその構造を認識することができる。
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10週 |
アロステリックと立体構造 |
アロステリックの現象を立体構造の観点から理解することができる。
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11週 |
タンパク質のフォールディング |
タンパク質が正しい構造に巻きあがる仕組みの概要を理解できる。
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12週 |
酵素反応の触媒メカニズム その1 |
なぜ酵素反応が化学反応よりも高活性か説明できる。
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13週 |
酵素反応の触媒メカニズム その2 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH基質濃度)について理解することができる
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14週 |
酵素反応の触媒メカニズム その3 |
リゾチーム,リボヌクレアーゼ,トリプシンなどを例に、触媒反応機構の仕組みを理解することができる。
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15週 |
酵素反応の触媒メカニズム その4 |
分子表示ソフトを用いて、立体構造の観点から反応機構を理解することができる
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16週 |
学年末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 前2 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 前2,前6,前11,前13,前14 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 前1 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前1 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7,前13,前14 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 前13,前14 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 前12 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 前9 |