1. IUPAC の命名法を理解し、構造から名前を、また名前から構造を誘導できる。
2. 代表的な官能基に関して、その性質を理解でき、それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法を説明できる。
3. 材料の分類ができ、材料を製品化する工程やリサイクルする工程を具体的に説明することができる。
4. 半導体材料および誘電体材料の基本特性を理解するとともに、それぞれの原料がどのような化学特性に基づいて機能を発揮するのかを具体的に説明することができる。
概要:
津田担当A:基礎化合物のカルボン酸とアミンについて学ぶ。その後応用に当たる複素環化合物、石けんと脂肪、炭水化物について材料の視点で考える。
宮越担当B:材料設計の基本的な考え方を学び、廃棄物の再資源化の方法や電気伝導性を利用した材料(半導体、誘電体、圧電体)の機能発現の原理を学び、その実用例を理解する。
授業の進め方・方法:
津田担当A:2、3 年で学んだ有機化学を基礎とする項目が多いので、不明の部分は必ず復習して確認すること。
宮越担当B:「新しい材料を創り出すためにはどうしたらよいのか」という視点をもって学習に取り組んでもらいたい。講義の始めに小テストを実施する。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-1(50%) , D-1(25%),D-2(25%)とする。
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)として,日常の授業(60時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間および定期試験の準備のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項 目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
・ガイダンス A. カルボン酸とその誘導体(1) 分類と命名 B. 無機材料の化学と科学(1) 無機材料の分類 |
・A&B.授業の進め方と成績の評価方法が理解できる。 A. カルボン酸類を慣用、IUPAC 名で命名することができる。 B. 無機材料の分類法を理解し、材料設計の指針が立てられる。
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2週 |
A. カルボン酸とその誘導体(2) 物理的および化学的性質 B. 無機材料の化学と科学(2) 化学プロセスと材料プロセス |
A. 酸の強度をpka 値で表し、構造との関連を説明できる。 B. 材料製造における化学プロセスと材料化プロセスの違いをもとに、それぞれの特徴を説明できる。
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3週 |
A. カルボン酸とその誘導体(3) 合成と反応1 B. 無機材料の化学と科学(3) 材料廃棄物の処理と再資源化 |
A. 代表的な合成反応や求核的アシル置換が理解できる。 B. 無機材料の分類法を理解し、環境を考慮した材料評価方法(LCA)が説明できる。
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4週 |
A. カルボン酸とその誘導体(4) 合成と反応2 B. 半導体材料(1) 固体の化学結合と電気伝導 |
A. 代表的な合成反応や求核的アシル置換が理解できる。 B. 各種化学結合の特徴とバンド構造が説明できる。
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5週 |
A. カルボン酸とその誘導体(5) 合成と反応3 B. 半導体材料(2) 真性半導体と不純物半導体 |
A. 代表的な合成反応や求核的アシル置換が理解できる。 B. 真性半導体、不純物半導体の違いを構造図とエネルギーバンド図で説明できる。
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6週 |
A. カルボン酸とその誘導体(6) α水素の酸性について B. 半導体材料(3) 半導体の実用品への応用 |
A. α水素の酸性とエステルエノラートの生成がわかる。 B. 不純物半導体の特性をもとにやp/n接合ダイオードや熱電対の機構を表現できる。
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7週 |
A. カルボン酸とその誘導体(7) クライゼン縮合 B. イオン伝導体材料 イオン伝導体の特性と応用 次週,中間試験を実施する |
A. エステルエノラートを経由するアセト酢酸エチルの生成がわかる。 B. 代表的なイオン伝導体について特性と応用例を説明することができる。
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8週 |
A. アミンと窒素化合物(1) 分類と命名 B. 超伝導体材料(1) 超伝導体の特性と理論 |
A. アミン類の慣用、IUPAC およびC.A 名を命名するができる。 B. 超伝導体の特性とBCS理論について説明することができる。
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4thQ |
9週 |
A. アミンと窒素化合物(2) 物理的および化学的性質 B. 超伝導体材料(2) 酸化物系超伝導体の構造と課題 |
A. アミン類の沸点、溶解度等と分子構造との関連性、および塩基性度をPka値で表すことを説明できる。 B. 酸化物超伝導体の構造特性を理解し、酸化物超伝導体を利用した製品について長所と課題を説明することができる。
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10週 |
A. アミンと窒素化合物(3) アミンの反応1
B. 誘電体材料(1) セラミックスの誘電性 |
A. 代表的な反応や合成法を理解することができる。 B. 誘電率の定義が理解でき、誘電体の種類と分極の原理について説明できる。
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11週 |
A. アミンと窒素化合物(4) アミンの反応2
B. 誘電体材料(2) 誘電体の利用 |
A. ジアゾニウム塩を利用する官能基変換を理解することができる。 B. コンデンサー材料としての誘電体の利用法を説明できる。
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12週 |
A. 炭水化物(1) 単糖の種類と構造および糖の反応 B. 誘電体材料(3) BaTiO3 の特性と応用 |
A. DL-立体配置とD-アルドヘキソースの構造が判り環状ヘミアセタール構造を描くことができる。酸化、還元、アセタール化等および炭素伸張と短縮を理解できる。 B. BaTiO3 の機能に関して具体的に表現できる。
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13週 |
A. .炭水化物(2) 二糖類およびその他の多糖類 B. 誘電体材料(4) セラミックスの圧電性・焦電性 |
A. ショ糖をはじめとする代表的な二糖の存在がわかる。代表的な多糖類の構造を理解できる。 B. 圧電体の特性と利用法について説明できる。
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14週 |
A. .炭水化物(2) 二糖類およびその他の多糖類 B. 誘電体材料(5) セラミックスの圧電性・焦電性 |
A. ショ糖をはじめとする代表的な二糖の存在がわかる。代表的な多糖類の構造を理解できる。 B. 焦電体の特性と利用法について説明できる。
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15週 |
期末試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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16週 |
答案返却&解説 |
学んだ知識の再確認&修正ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 4 | |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 4 | |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 4 | |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 4 | |
重合反応について説明できる。 | 4 | |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 4 | |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。 | 4 | |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。 | 4 | |
無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 3 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 3 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 3 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | |
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。 | 4 | |
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。 | 4 | |
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。 | 4 | |
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。 | 4 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 3 | |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 3 | |