物理化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理化学Ⅲ
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 化学熱力学中心の基礎物理化学(杉原 他 著,学術図書出版社)
担当教員 千葉 誠

到達目標

1. 相平衡について理解できる.
2. 溶液の性質について理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-2),(D-1),(D-2) 相平衡について理解できる.相平衡について完全に理解できる.相平衡についてしっかりと理解できる.相平衡についてしっかりと理解できない.
評価項目2 (A-2),(D-1),(D-2) 溶液の性質について理解できる.溶液の性質について完全に理解できる.溶液の性質についてしっかりと理解できる.溶液の性質についてしっかりと理解できない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ここまでの物理化学で学んだ熱力学をふまえた上で、物質の状態変化の方向性と平衡状態を決める法則について理解する。さらに相平衡、溶液化学を中心とした考え方を学び、物理化学的な考え方、理解力を身につける。
授業の進め方・方法:
物理化学の基本となる事項について、その基礎概念を理解するとともに、具体的な問題を把握して必要な数値等を正しく求められる能力を演習により身につける。4年次の物理化学では次の項目を扱う:相平衡、溶液の性質。
注意点:
・物理化学の学習では、抽象的な論理を漠然と追うのではなく、演習問題にしっかり取り組んで計算法を身につけることで論理的な理解も深めることができる。またその反対に、計算問題を解く際にはただ与えられた数式を使って数値を計算するのではなく、その背景にある概念についても考えることで量的なイメージがつかめる。物理化学を学ぶ際には、理論的な内容と実際の問題を常に関連させて考えることが必要である。物理化学Ⅰ,Ⅱを基礎として引き続く内容であるので、理解するためには物理化学Ⅰ,Ⅱで学んだ内容を確実に修得していることが必須である。必要に応じて、これまで学んだ内容を見直すこと。なお、授業の際は計算機をつねに持参すること。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2(60%), D-1(20%),D-2(20%) とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間および定期試験の準備のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60 点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 相平衡の条件と相律 相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。
2週 相平衡の圧力・温度依存性1 相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。
3週 相平衡の圧力・温度依存性2 相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。
4週 理想溶液の相平衡:Raoultの法則
純物質の状態図(P-V,P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。
5週 理想溶液の液相-気相状態図 純物質の状態図(P-V,P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。
6週 理想溶液の液相-気相状態図の熱力学的解析 純物質の状態図(P-V,P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。
7週 非理想溶液の液相-気相状態図
次週,中間試験を実施する
純物質の状態図(P-V,P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。
8週 後期中間試験解説 後期中間試験の解答について解説
4thQ
9週 固相-液相平衡 純物質の状態図(P-V,P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。
10週 2成分系の状態図1 2成分の状態図(P-x,y、T-x,y)を理解して、気液平衡を説明できる。
11週 2成分系の状態図2 2成分の状態図(P-x,y、T-x,y)を理解して、気液平衡を説明できる。
12週 2成分系の状態図3 2成分の状態図(P-x,y、T-x,y)を理解して、気液平衡を説明できる。
13週 溶液の熱力学 凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。
14週 溶液の束一的性質
分配平衡
束一的性質を説明できる。
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。
分配平衡について説明できる。
15週 溶液の束一的性質
分配平衡
束一的性質を説明できる。
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。
分配平衡について説明できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4後4,後5,後6,後7,後9
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4後10,後11,後12
束一的性質を説明できる。4後14,後15
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4後14,後15
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4後13
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4後1,後2,後3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力150000015
専門的能力5015000065
分野横断的能力515000020