基礎工学概論Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 基礎工学概論Ⅰ
科目番号 0149 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 PID制御の基礎と応用(山本重彦・加藤尚武著,朝倉書店)(制御分野)/ 電気理論(池田哲夫著,森北出版), 制御工学演習(黒須茂他著,パワー社), 基礎から学ぶ機械工学(門田和雄著,ソフトバンククリエイティブ)
担当教員 小寺 史浩,源津 憲昭

到達目標

1. 電気基本量について理解でき,直流回路計算,電界の計算,交流回路計算ができる。
2. 電気の応用技術について説明することができる。
3. フィードバック制御,PID制御について適切な取り扱いができる。
4. 化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解し,計装図を作図することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(D-1, D-2)電気基本量について理解でき,直流回路計算,電界の計算,交流回路計算の応用計算ができる。電気基本量について理解でき,直流回路計算,電界の計算,交流回路計算ができる。電気基本量について理解できず,直流回路計算,電界の計算,交流回路計算ができない。
評価項目2(A-2, D-1)電気の応用技術について説明することができ,実社会での技術について評論・提案することができる。電気の応用技術について説明することができる。電気の応用技術について説明することができない。
評価項目3(D-1, D-2)フィードバック制御,PID制御の応用問題について適切な取り扱いができる。フィードバック制御,PID制御の基本的な問題について適切な取り扱いができる。フィードバック制御,PID制御の基本的な問題について適切な取り扱いができない。
評価項目4(A-2, D-1)化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解し,複雑な計装図を作図することができ。化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解し,簡単な計装図を作図することができる。化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解できず,計装図を作図することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(電気分野)電気電子機器の働きや電気を用いた計測を理解するための電気基礎を学ぶ科目である。簡単な回路の計算や,電界・磁界等の計算を通して電気的知見を広めることが到達目標である。
(制御分野)化学工場での製造装置を動作させるための制御技術の基礎を学び,実際の生産現場での制御機器に触れる際のセンスを培う。
授業の進め方・方法:
(電気分野)電気回路の基本的な取り扱い及びその基礎となる電磁気現象を学び,更にその応用について知見を深める。
(制御分野)化学プラントの運転に必要なPID制御の基礎知識を学び,実際の化学プラントにどのように応用されているかを理解する。
注意点:
(電気分野)電気現象は,数式の意味することと物理的な現象の両面で理解できるように心がける。また,数式を使って具体的な演習問題を解きながら,概念を理解し定着させることが重要である。
(制御分野)授業で扱う制御技術が,実際の化学プラントのどのような箇所で使われているかを意識しながら学習すること。これまでに学ぶ機会のなかった内容であるが,化学工学とは密接に関連している。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(20%) D-1(50%) D-2(30%)とする.
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間および小テストや定期試験の準備のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電流・電圧(源津)①
 ・電気基本量

電気の基本量や,定義の基本的概念が説明できる。
2週 電流・電圧(源津)②
 ・電気抵抗とオーム則
オーム則やキルヒホッフ則を用いて直流回路計算ができる。
3週 電荷と電界(源津)
 ・クーロンの法則・ガウスの定理
クーロンの法則やガウスの定理を用いて,簡単な電界の計算ができる。
4週 磁界と電流(源津)
 ・電磁力・電磁誘導
各種定理を学び,電磁力や電磁誘導の概念が説明できる。
5週 交流回路(源津)
 ・正弦波交流
交流の基本的概念,回路素子の働きが説明できる。
6週 フィードバック制御(小寺)①
 ・フィードバック制御の定義と動作の種類
 ・ブロック線図と伝達関数
フィードバック制御とは何かを理解でき,フィードバック制御の動作をブロック線図と伝達関数で表現できる。
7週 フィードバック制御(小寺)②
 ・制御系の応答特性と安定性
(次週、中間試験を実施する)
制御系の応答と安定性について適切な取り扱いができる。
8週 PID制御(小寺)①
 ・PID制御の基本構造とバリエーション
化学プロセスにおける主流であるPID制御について理解し,基本構造とバリエーションについて説明できる。
2ndQ
9週 PID制御(小寺)②
 ・PID制御の調整法
 ・複合制御
 ・フィードフォワード制御
 ・むだ時間プロセスの制御
PID制御の調整と設計についての考え方を理解し,基本的な取り扱いができる。
10週 交流回路(源津)
 ・交流回路の計算法
記号法を用いて簡単な交流回路の計算ができる。
11週 電気の応用(源津)①
 ・電力インフラの概要
発電・送電・変電・拝殿の仕組みが説明できる。
自然エネルギー発電の動向などを理解する。
12週 電気の応用(源津)②
 ・半導体や各種デバイスの概要
 ・放送・通信の概要
半導体の原理やデバイスの働きについての基本概念を説明できる。
放送や通信の基本概念を説明できる。
13週 各種の量の計測・制御(小寺)①
 ・流量
 ・圧力
化学プロセスでの代表的なプロセス変量(流量,圧力)の計測方法と制御上の特徴について理解し,適切な方法を選択できる。
14週 各種の量の計測・制御(小寺)②
 ・液位
 ・温度
化学プロセスでの代表的なプロセス変量(液位,温度)の計測方法と制御上の特徴について理解し,適切な方法を選択できる。
15週 化学プラントの制御系(小寺)
 ・計装の定義
 ・計装図の作成

 
計装とは何かを説明でき,計装図を理解・作図することができる。
16週 前期末試験 学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題小テスト・レポート合計
総合評価割合603010000100
基礎的能力0500005
専門的能力6015500080
分野横断的能力010500015