基礎工学概論Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 基礎工学概論Ⅱ
科目番号 0150 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:4
教科書/教材 教科書:津田担当A:基本高分子化学(柴田充弘著 三共出版),富樫担当B:使用しない/ 教材:富樫担当B:プリントを配布する
担当教員 津田 勝幸,富樫 巌

到達目標

1. 身の回りの高分子化合物に関して,構造と性質の違いを理解し,説明できる。
2. 化学物質を含む化学実験全般の危険性,および化学実験の安全操作を理解し,説明できる。
3. ものづくりのためのマーケティングの基礎について理解し,説明できる。
4. 品質と品質管理の関わり,および品質管理の手法について理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-1, D-1, D-2)身の回りの高分子化合物に関して,構造と性質の違いを正確に理解し,正確に説明できる。身の回りの高分子化合物に関して,構造と性質の違いをほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明できる。身の回りの高分子化合物に関して,構造と性質の違いを理解できない。
評価項目2 (B-3, D-1)化学物質を含む化学実験全般の危険性,および化学実験の安全操作を正確に理解し,正確に説明できる。化学物質を含む化学実験全般の危険性,および化学実験の安全操作をほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明できる。化学物質を含む化学実験全般の危険性,および化学実験の安全操作を理解できない。
評価項目3 (B-3, D-1)マーケティング論の基礎について正確に理解し,正確に説明できる。マーケティング論の基礎についてほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明できる。マーケティング論の基礎について理解できない。
評価項目4 (A-1, B-3, D-1, D-2)品質と品質管理の関わり,および品質管理の手法について正確に理解し,正確に説明できる。品質と品質管理の関わり,および品質管理の手法についてほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明できる。品質と品質管理の関わり,および品質管理の手法について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-1 説明 閉じる
JABEE B-3 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (b) 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
津田担当 A: 高分子材料の特徴の一つである熱的性質(融点とガラス転移点)について学び,それらと力学的性質(ゴム弾性や粘弾性)の関係について理解する。
富樫担当 B: 化学の安全に関する考え方と既成の安全技術を学ぶことで,労働環境の安全衛生を意識できる技術者教育を行なう。加えて,企業のものづくりに不可欠な顧客ニーズや顧客満足を意識できる技術者教育を行なう。
授業の進め方・方法:
津田担当 A(授業時間30時間):金属やセラミックス材料とは大きく異なる特徴を持つ高分子材料について,その熱および力学的性質に関する基礎知識を学ぶ。
                    身の回りで観察される現象を可能な限り例示しながら解説するが,本校図書館常備のビデオ教材「高分子物性」(全3巻)の閲覧を勧める。
富樫担当 B(授業時間30時間):化学物質に対する安全の基本・基礎知識を学び,安全な実験環境・操作で実験を行う知識と意識を身につける。さらに企業等のものづくり業務に専門知識を生かすために,顧客ニーズを意識するノウハウや                     顧客満足を得る品質管理の基礎を身につける。自分が実験・研究で用いている化学物質の性質・危険性に関心をもって学習すること。
           高専で学んだ自身のベースとなる専門知識を企業等で生かすために,品質管理などの専門関連知識の重要性を意識しながら学習すること。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-1(20%) ,B-3(50%),D-1(20%),D-2(10%) とする。
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)に対する自宅での予習・復習,レポート作成および定期試験の準備等の学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,
A. ポリマーの物性(1) 熱的性質(1)
B. 化学安全(1)
1B. 化学安全
A&B.授業の進め方と成績の評価方法が理解できる。
A.高分子の構造と熱的性質の関係にについて説明できる。
B.安全の基本:安全・危険とはどのようなことかを理解し,説明できる。
2週 A. ポリマーの物性(1) 熱的性質(2)
B. 化学安全(2)
A.高分子の構造と熱的性質の関係にについて説明できる。
B.化学物質の危険と安全な取り扱い:化学物質の危険性評価を理解し,説明できる。
3週 A. ポリマーの物性(1) 熱的性質(3)
B. 化学安全(3)
A.高分子の構造と熱的性質の関係にについて説明できる。
B.化学物質の毒性と予防・救急:実験環境および実験装置・操作の安全と救急対応を理解し,説明できる。
4週 A. ポリマーの物性(1) 熱的性質(4)
B. 化学安全(4)
A.高分子の構造と熱的性質の関係にについて説明できる。
B.廃棄物の安全処理:学校における環境問題について理解し,説明できる。
5週 A. ポリマーの物性(1) 熱的性質(5)
B. 化学安全(5)
A.高分子の構造と熱的性質の関係にについて説明できる。
B.ハインリッヒの法則:ハインリッヒの法則を理解し,ヒヤリハット報告書作成を体験することで,軽微な事故や重大事故との関連性を理解し,説明できる。
6週 A. ポリマーの物性(1) 熱的性質(5)&力学的性質(1)
B. ものづくりのためのマーケティング(1)
A.高分子の構造と熱的性質の関係にについて説明できる。高分子の力学的性質について説明できる。
B.マーケティングの考え方と市場の把握:各種マーケティング(ブランド,環境,経験,リレーションシップ,非営利団体)の考え方,マーケティング・ミックスおよび市場分類の考え方を理解し,説明できる。
7週 A. ポリマーの物性(1) 力学的性質(2)
B. ものづくりのためのマーケティング(2)
次週,中間試験を実施する。
A.ゴム弾性について説明できる。
B.マーケティングの考え方と市場の把握:各種マーケティング(ブランド,環境,経験,リレーションシップ,非営利団体)の考え方,マーケティング・ミックスおよび市場分類の考え方を理解し,説明できる。製品・価格・流通・流通・販売促進:製品のライフサイクル,価格設定,流通チャンネルセールス・プロモーションを理解し,説明できる。
8週 A. ポリマーの物性(1) 力学的性質(3)
B. ものづくりのためのマーケティング(3)
A.ゴム弾性について説明できる。
B.消費者・コミュニケーション・マーケティング調査:市場のニーズ・ウォンツ,AIDMA&AISAS理論,マズローの欲求5段階説,顧客満足を説明できる。
4thQ
9週 A. ポリマーの物性(1) 力学的性質(4)
B. ものづくりのためのマーケティング(4)
A.ゴム弾性について説明できる。
B.各種コミュニケーション(マスメディア利用,インターネット利用,パブリシティ)の違いを説明できる。各種市場調査の特徴を理解し,説明できる。
10週 A. ポリマーの物性(1) 力学的性質(5)
B. ものづくりのためのマーケティング(5)
A.高分子の粘弾性について説明できる。
B.品質と品質管理:製品の品質と品質管理(4級レベル)の考え方,製造物責任を理解し,説明できる。
11週 A. ポリマーの物性(1) 力学的性質(6)
B. 品質・品質管理・品質管理の手法(1)
A.高分子の粘弾性について説明できる。
B.品質と品質管理:製品の品質と品質管理(4級レベル)の考え方を理解し,説明できる。
12週 A. ポリマーの物性(1) 力学的性質(7)
B. 品質・品質管理・品質管理の手法(2)
A.高分子の粘弾性について説明できる。
B.品質と品質管理:製品の品質と品質管理のためのPDCA・SDCAサイクル利用,統計学の利用の意味と意義を理解し,説明できる。
13週 A. ポリマーの物性(1) 力学的性質(8)
B. 品質・品質管理・品質管理の手法(3)
A.高分子の粘弾性について説明できる。
B.品質管理の手法:ばらつき管理,プロセス管理,標準化,品質管理の七つ道具を理解し,説明できる。
14週 A. ポリマーの物性(1) 光学的性質(1)
B. 品質・品質管理・品質管理の手法(4)
A.高分子の光学的性質にについて説明できる。
B.品質管理の手法:ばらつき管理,プロセス管理,標準化,品質管理の七つ道具を理解し,説明できる。
15週 A. ポリマーの物性(1) 光学的性質(2)
B. 品質・品質管理・品質管理の手法(5)
A.高分子の光学的性質にについて説明できる。
B.品質管理の手法:組織における品質管理に欠かせない報告・連絡・相談(ホウレンソウ)とオヒタシ,5S,5ゲン主義,危険予知トレーニングなどを理解し,説明できる。
16週 学年末試験 ・学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
高分子の熱的性質を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力200000020
専門的能力5000002070
分野横断的能力000001010