概要:
読む・聞く・書く・話す・考えるという日本語の能力を有機的に連携させつつ育成することにより、社会において求められる論理的かつ多角的な理解力、柔軟な発想・思考力、豊かな口頭表現を含む効果的なコミュニケーション能力、および主体的な表現意欲を培う。また、古典を含む文学的な文章の鑑賞をとおして日本の言語文化についての理解を深め、感受性を培う。
授業の進め方・方法:
日本語で思考し、日本語で表現する者にとって、しかるべき国語の力をつけることは最も基本的且つ重要なことである。授業では、国語の学力向上を図って単元ごとに随時演習の時間を設ける。(E「授業内容」の「時間」覧に「+1~2」とあるのがその目安である。)学力の定着と、漢字検定試験3級以上(4年生までに2級)合格をめざそう。
注意点:
平常の授業に「きちんと取り組む」ということの内容を理解し、実行すること。
① 学習に有用な、しっかりしたノート作りを確実に行い、理解力・表現力の伸長に心がける。
▼はじめの授業にノート作り指導をする。以後、どの教材もその仕方で各自ノート作りを行うこと。
▼現代文・古文・漢文それぞれ別個の、ノートを用いること。(ファイル式は不可。)
▼古文は予習として、本文書写と活用語、特に助動詞の明示を怠らないこと。
▼漢文は予習として、白文と書き下し文の記入を怠らないこと。
▼現代文ノートでは特に、聞き取りながらメモする作業を重視すること。
② 辞書を引き予習復習を行って、漢字力・語彙力を養成し、日常的な学習習慣を身につける。
▼教材程度のレベルの文章を自力で読み解くことができるようになることが肝心。
▼予習習慣の身に付けが、学習習慣身に付けの基礎であることを忘れないように。
▼「自分で調べ、読み、書く」ことが「勉強」であると、銘記すること。
③ 新聞を含め広く文章に親しみ、実際に読み書きすることを心がける。具体例としてコラム写書を行うことを推奨する。
▼必要な能力を身に付けるために、国語が不得意と自分で思う者ほど取り組む必要がある。
▼平常点に結びつくものであるから、国語が不得意と自分で思う者ほど取り組む必要がある。
※夏期・冬期休業中の課題「読書レポート」がある。400字詰めA4縦書き原稿用紙に、ペン書きして提出すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス ノート法演習
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・学習意義や評価法、検定受検の意義がわかる。 ・予習・復習、授業への取り組み方がわかる。 ・ノート法の基本を身につけ、習慣化できる。
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2週 |
漢)・漢文訓読のきまり・格言・故事成語
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・漢文に親しみ、漢字・熟語・基本的漢文の構造を理解し、訓読文を読み下すことができる。 ・訓点を付けたり、書き下し文にしたりできる。
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3週 |
漢)・格言・故事成語【漢文ために①】
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・漢文に親しみ、漢字・熟語・基本的漢文の構造を理解し、訓読文を読み下すことができる。 ・訓点を付けたり、書き下し文にしたりできる。
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4週 |
現)随想=・「センス・オブ・ワンダー」を追いかけて/・評論=自然と人間の関係をとおして考える |
・筆者のものの見方感じ方を読みとることができる。 ・要旨まとめの基礎を身につけることができる
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5週 |
・評論=自然と人間の関係をとおして考える |
・叙述を正確に読みとることができる。 ・要旨まとめの基礎を身につけることができる。
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6週 |
古)・古典に親しむ 【古文ために①】 |
・歴史的仮名遣いを理解し、古典に親しみ、現代の言葉との関連を理解することができる。
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7週 |
・ねずみの婿とり(沙石集) 【古文ために②】 |
・古典文法の基礎を理解することができる。
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8週 |
・前期中間試験及び返却指導 漢)・鶏鳴狗盗
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2ndQ |
9週 |
漢)・鶏鳴狗盗 ・絶句(暗唱含む) |
・漢文の訓読や訓点・書き下し文に慣れ、身近な漢文を読解することができる。 ・詩の形式を理解し、鑑賞することができる。
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10週 |
【漢文ために②】 現)随想=他者を理解する |
・論理の展開をとらえ、思考を深めることができる。
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11週 |
現)随想=他者を理解する |
・論理の展開をとらえ、思考を深めることができる。
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12週 |
小説=羅生門 |
・背景事項、人物の心理変化を的確に読みとり、小説を味読することができる。
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13週 |
小説=羅生門 古)=・絵仏師良秀(宇治拾遺) |
・背景事項、人物の心理変化を的確に読みとり、小説を味読することができる。 ・古文の文体に慣れ、作者のものの見方、感じ方、考え方を理解することができる。
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14週 |
・高名の木登り(徒然) 【古文ために③】
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・活用と活用形、係り結びを理解することができる。
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15週 |
・前期末試験及び返却指導 |
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16週 |
漢)・律詩(暗唱含む) ・雑説 |
・詩の形式を理解し、鑑賞することができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
・雑説 【漢文ために③】 |
・訓読や訓点・書き下し文に習熟し、表現の特色と論の展開について理解することができる。
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2週 |
現)評論=いたずら |
・論理的な文章の構成を理解し、叙述に即して読解することができる。
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3週 |
・言葉についての認識 |
・論理的な文章の構成を理解し、叙述に即して読解することができる。
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4週 |
・言葉についての認識 |
・提起された問題に対して自ら考えることができる。
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5週 |
古)・はしたなきもの(枕草子) |
・古文の文体に慣れ、内容を理解することができる。
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6週 |
・門出(土佐日記)
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・形容詞・形容動詞、助動詞が理解できる。
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7週 |
【古文ために④】 ・後期中間試験及び返却指導
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8週 |
漢)孔子と孟子 |
・漢文基礎力を固め、孔・孟の学問や政治に対する考えを知り、自己の考えを深めることができる。
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4thQ |
9週 |
漢)孔子と孟子 【漢文ために④】 |
・漢文基礎力を固め、孔・孟の学問や政治に対する考えを知り、自己の考えを深めることができる。
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10週 |
現)評論=・短歌を訳す |
・筆者の主張を的確に理解し、自らのものの考え方感じ方を深めることができる。
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11週 |
現)評論=・短歌を訳す ・母性と父性 |
・筆者の主張を的確に理解し、自らのものの考え方感じ方を深めることができる。
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12週 |
・母性と父性 |
・筆者の主張を的確に理解し、自らのものの考え方感じ方を深めることができる。
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13週 |
古)=・筒井筒(伊勢物語) |
・登場人物の心情・行動を正しく読みとり、歌物語の特色を理解することができる。
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14週 |
古)=・筒井筒(伊勢物語) 【古文ために⑤】 |
・古文の基礎知識を確かにすることができる。
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15週 |
・前期末試験 |
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16週 |
答案返却 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。 | 1 | |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 1 | |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 1 | |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 1 | |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 1 | |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 1 | |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 1 | |
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 1 | |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 1 | |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 1 | |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 1 | |
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。 | 1 | |
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。 | 1 | |
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。 | 1 | |
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。 | 1 | |