科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 地理
科目番号 0011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般人文科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 地理A(第一学習社)/標準高等地図・新訂版(帝国書院)、地理Aワークノート(第一学習社) プリント、視聴覚教材
担当教員 阿部 敬一郎

到達目標

1.文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
2.国家間や国家内で見られる民族問題や宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について理解できる。
3.科学技術や産業の発展が、自然環境に及ぼした影響について理解できる。
4.環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文化の多様性を認識し互いの文化を尊重することの大切さを十分に理解できる文化の多様性を認識し互いの文化を尊重することの大切さを理解できる文化の多様性を認識し互いの文化を尊重することの大切さを理解できない
評価項目2国家間や国家内で見られる民族問題や宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について複眼的に理解できる。国家間や国家内で見られる民族問題や宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について理解できる国家間や国家内で見られる民族問題や宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について理解できない
評価項目3科学技術や産業の発展が、自然環境に及ぼした影響について十分に理解できる科学技術や産業の発展が、自然環境に及ぼした影響について理解できる科学技術や産業の発展が自然環境に及ぼした影響について理解できない
評価項目4環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について、文化的な相違も踏まえて理解できる環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について理解できる環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 一般人文科の教育目標 ③ 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
グローバル化が急速に進展する現代国際社会の諸課題に対する理解を深めるために、異文化や異民族、民族紛争・民主化運動・環境問題等について学び、民族や異文化に対する理解を深めるとともに現代国際社会における日本の現状を理解する。
授業の進め方・方法:
座学を中心に進めるが、授業中にワーク課題に取り組むこともある。

注意点:
授業の内容を、試験のためとしてとらえるのではなく、現代社会においてどのような問題が生じているのかを自ら発見するための素材として欲しい。新聞などに目を通す習慣を身に付ける。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
地球儀や地図からとらえる世界
○地球儀を用いて,水陸分布,大陸間の方位,距離,位置関係,時差や季節の生じるメカニズムについて考察することで,球体としての地球の姿を把握する。
授業の意義や目的について理解できる。地球儀や世界地図を活用することで,球面上の世界に関する基本的枠組みを身につける。
2週 日本の位置と領域
○国家の三要素と国境の概念,日本の地理的位置と領域,日本の抱える領土問題を扱うことで,世界的な見地から日本という国を考察する。
領土問題発生の背景が国益の衝突にあることを踏まえ,問題を平和的に解決するための方法について考えることが出来る。
3週 世界の国家群
○第二次世界大戦後~東西冷戦期に結成された様々な国家群とその結成の背景について当時の国際情勢との関わりから考察する。
○冷戦終結以降に結成された様々な国家群の特徴について考察することで,国家間が互いに結びつき,協力していくことの大切さを理解する。
国家群を軸に国家間の結びつきの現状や課題について考察することができる。
4週 貿易で結びつく世界
○経済のグローバル化に伴う日本の産業構造の変化や多国籍企業の活発な事業展開について考察する。
○貿易体制と国際分業を切り口に,ものや資本の移動を通じた現代世界の動向と課題について考察する。

○統計を用いて貿易品目・相手国の変化と産業構造・国家間の関係の変化との関係について理解できる。
○流線図の作成を通じて,貿易体制や国際分業を軸にした国家間の結びつきを把握できる。
5週 交通・通信の発達と世界の一体化
○交通・通信の発達を切り口に,人や情報の国際移動を通じて,一体化する現代世界の動向と課題について考察します。国際移動の変遷,近年の労働力や難民を中心とした国際移動を事例に,現代世界の動向と課題について考察します。
流線図の作成や統計の読み取りを通じて交通・通信を軸に国家間の結びつきの現状や課題について考察します。
国際移動の変遷,近年の労働力や難民を中心とした国際移動について把握します。
6週 さまざまな地形と生活
○河川がつくる地形や海岸の地形と生活のかかわりについて考察する。
○特徴ある氷河地形・乾燥地形・カルスト地形について理解する。
地形図の読図と作業を通して、土地の高さや、土地利用などを読み取ることができる。
7週 世界の気候と生活
○気温・降雨量・雨の降り方などによって世界の気候区を分類できることを理解する。
○各気候に応じた文化がはぐくまれていることを理解する。
各気候の特徴とそこに暮らす人々の生活の関係について説明できる。
8週 東アジアの生活・文化と環境
東アジアの代表的事例として中国と韓国の生活・文化を取り上げ,地域性や歴史的背景との関わりから考察します。次週,中間試験を実施する
写真や主題図,統計を用いて中国と韓国の生活・文化の特徴について理解できる。中国,韓国の最新の動向,抱えている課題について様々な角度から理解できる。
2ndQ
9週 中国の改革開放と市場経済化苦難を乗り越えた韓国の生活と文化 中国,韓国の最新の動向,抱えている課題について様々な角度から理解できる。
10週 東南アジアの生活・文化と環境、ASEAN諸国の多様性について
東南アジアの生活・文化の特徴について理解できる。
統計を用いてASEAN諸国の生活・文化の多様性について理解できる。
11週 タイの産業と開発
日本と歴史的に関わりの深いタイの地域性や歴史的背景との関わりから多面的・多角的に考察します
タイの産業と開発の動向について理解できる
12週 南アジアの生活・文化と環境
南アジアの生活・文化の特徴について,自然環境と関連づけて考察します。
南アジアの生活・文化の特徴について理解できる。
13週 インドの成長と南アジアの国々
○南アジアの代表的事例としてインドを取り上げ,その生活・文化の特徴と変化について考察する。合せて南アジア諸国の現在の動向,抱えている課題について,多面的・多角的に考察する。
インドの現状と抱えている課題を近隣諸国の動向を理解できる。
14週 身近な地域の知的財産について
身近な地域の活性化に重要な知的財産について学ぶ
日本が世界有数の知的財産国になることを目指している実情を把握し知財の基本的な概念を理解できる。
15週 夏休み中の課題について 「身近な地域の土地利用」 地域身近な地域の土地利用の情報について収集することができる。
16週 期末試験 前期末試験の解説
将来、知財創出人財として活躍する本校の卒業生に必要な知財に関する基本的な事項を理解できる。
後期
3rdQ
1週 西アジア・北アフリカの生活・文化と環境
西アジア・北アフリカの宗教・言語の代表的事例として,イスラム教とアラビア語について地域性や歴史的背景との関わりから多面的・多角的に考察する。
○油田開発が人々の生活をどのように変えたのか具体的に考察する。
写真や主題図を用いて西アジア・北アフリカの生活・文化の特徴について理解できる。
○写真や主題図を用いてイスラム教とアラビア語の特徴について理解できる。
油田地帯に居住する人々の生活の変化について理解できる。
2週 アフリカ中・南部の生活・文化と環境
生活・文化の特徴について自然環境や歴史的背景,民族性と関連づけて考察する。
アフリカ中・南部の生活・文化の特徴について理解できる。
3週 アフリカの発展
近年めざましい経済成長を遂げるアフリカ諸国の状況とその課題について考察する。
アフリカの急速な経済成長の背景と国際社会との関係を説明することができる。
4週 ヨーロッパの生活・文化と環境
EU統合へ向けた動きについて歴史的背景とのかかわりから考察し、EU統合によってもたらされた産業面や生活面における変化,地域間格差の現状について考察する。
地図や年表を用いてEU統合へ向けたこれまでの動きについて歴史的背景とのかかわりから理解できる。
5週 ヨーロッパの伝統と新しい動き
ヨーロッパの宗教分布と民族系統分布の相関関係について考察し、伝統文化の保全に関わる様々な取り組みについて理解を深める。

○キリスト教に根ざした伝統的なヨーロッパ文化の特徴について理解できる。伝統文化を保持する地域主義,歴史的景観の保全,自然保護に向けた新たな動きについて理解できる。
6週  ロシアとその周辺諸国の生活・文化と環境
ロシアとその周辺諸国の生活・文化の多様性について自然環境や民族性と関連づけて考察する。
ロシアとその周辺諸国の生活・文化の多様性について理解できる。
7週 北アメリカの生活・文化と環境
北アメリカの生活・文化の多様性について自然環境や歴史的背景,民族性と関連づけながら考察する。
北アメリカの生活・文化の多様性について理解できる。アメリカ合衆国とカナダにおける人々の生活と社会の特色について理解できる。
8週 アメリカ合衆国の産業と国際社会
アメリカ合衆国とカナダにおける人々の生活の社会の特色について考察する。
写真,統計を用いてアメリカ合衆国の産業の動向について理解できる。
4thQ
9週 中部・南アメリカの生活・文化と環境
中部アメリカ諸国の生活・文化の特徴について産業構造面から考察する。
中部・南アメリカの生活・文化の特徴について理解できる。また産業構造の特色について把握できる。
10週 オセアニアの生活・文化と環境
オセアニア,特にオーストラリアの生活・文化の近年の動向について都市人口・余暇活動の観点から考察する。
オーストラリアとニュージーランドの産業立地の特性について空間的に理解できる。
11週 世界の資源・エネルギー問題
エネルギー利用の歴史的変遷を踏まえ,エネルギー消費の地域差とその背景について地球的視野から大観する。
統計を用いてエネルギー消費の南北格差の現状とその背景について認識できる。地球社会の持続可能性という観点から望ましいエネルギー政策について考えることが出来る。
12週 世界の人口・食料問題
食料の供給・生産・流通における地域差を地球的視野から大観する。
先進国における飽食の問題と発展途上国における飢餓の問題について追究・考察する。

人口ピラミッドの作成を通じて発展途上国と先進国それぞれの抱える人口問題とそれをもたらす背景について理解できる。
13週 世界の環境問題
人間社会と自然環境とのかかわりや生態系破壊のメカニズムについて考える。
環境問題の現状を理解し,模式図を用いて生態系破壊のメカニズムを理解できる。統計より地球温暖化の現状を把握し,その背景・要因とそれがもたらす問題について理解できる。
14週 地域の環境問題
ローカルスケールで生じている環境問題と人間社会のかかわりについて考察する。
地域の環境問題に対処していく上で重要なポイントについて理解できる。
15週 地球的諸課題をめぐる国際協力
持続可能な社会実現へ向けての具体的な取り組みについて考察する。
地球的課題の解決へ向けての様々な国際的取り組みとその課題を理解できる。
日本の国際協力への取り組みについてODA,NGO双方の視点から理解できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3前2,後11
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。1前12,後2,後4,後5,後6
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。2後14
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3後13
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後13
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後14
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3後14
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。2前10,前12,後1,後2,後4
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。2前10,前12,後1,後2,後4
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。2前10,前12,後1,後2,後4
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。2前10,前12,前13,後1,後2

評価割合

試験レポート・ワーク相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000