1. 文学的な文章を多角的に鑑賞することができる。
2. 日本文化への理解を深めるとことができる。
概要:
日本最古の歌集である万葉集の代表的な作品を読んでいく。万葉集の歌が詠まれた奈良時代の歴史背景を踏まえつつ、それぞれの作品を鑑賞する。また、仮名文字や和文の発達していなかった時代に漢字を用いて和歌を表記するために行われた様々な工夫や、叙事的な内容を和歌に盛り込むための多彩な試みなどを見ていくことで、万葉集が日本文学史の中で果たした役割についても学ぶことを目指す。
授業の進め方・方法:
万葉集を読むために、最初に訓詁注釈の基礎について必要な知識を習得する。その後、個々の作品について読み進めていく。
注意点:
講義ではただ内容を聴いてノートを取るだけでなく、自ら積極的に考えて作品と向き合うように心がけてほしい。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はB-1(10%)、B-2(20%)、C-1(70%)とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は、日常の授業(30時間)に対する予習復習、レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること、教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 万葉集についての基礎知識 |
授業の概要と授業への取り組み方がわかる。 万葉集を学ぶ上で必要な歴史的知識や万葉集の研究史の概要を理解することができる。
|
2週 |
万葉集の諸本と本文校訂 |
万葉集の写本・版本の関係と、本文校訂の過程を理解ですることができる。
|
3週 |
万葉集の訓釈 |
語句の解釈を積み重ねて1首の歌を読み解いていく過程を理解することができる。
|
4週 |
初期万葉の歌 |
初期万葉の代表的な作品の特徴を理解することができる。
|
5週 |
初期万葉の歌 |
初期万葉の代表的な作品の特徴を理解することができる。
|
6週 |
柿本人麻呂の作品 |
万葉集の代表的な歌人・柿本人麻呂の作品を読み、その表現の特徴を理解することができる。
|
7週 |
柿本人麻呂の作品 次週、中間試験を実施する |
万葉集の代表的な歌人・柿本人麻呂の作品を読み、その表現の特徴を理解することができる。
|
8週 |
柿本人麻呂の作品 |
万葉集の代表的な歌人・柿本人麻呂の作品を読み、その表現の特徴を理解することができる。
|
2ndQ |
9週 |
山部赤人の作品 |
万葉第三期の宮廷歌人の代表的な作品を読み、讃歌の特徴を理解することができる。
|
10週 |
山上憶良の作品 |
筑紫歌壇の代表的な歌人の長歌作品を読み、その思想の背景を理解することができる。
|
11週 |
大伴旅人の作品 |
筑紫歌壇の代表的な歌人の短歌作品を読み、その思想の背景を理解することができる。
|
12週 |
大伴坂上郎女の作品 |
万葉集の代表的な女流歌人の作品を読み、その技巧や歌の特徴を理解することができる。
|
13週 |
高橋虫麻呂の作品 |
伝説歌を読み、その叙事的な描写や内容を味わうことができる。
|
14週 |
大伴家持の作品 |
家持の作品を読み、先行歌人の表現を取り入れつつ作品を制作した過程を理解することができる。
|
15週 |
大伴家持の作品 |
家持の作品を読み、先行歌人の表現を取り入れつつ作品を制作した過程を理解することができる。
|
16週 |
期末試験 |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。 | 3 | |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 3 | |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 3 | |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 3 | |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 3 | |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 3 | |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 3 | |
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 3 | |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 3 | |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 3 | |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 3 | |
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。 | 3 | |
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。 | 3 | |
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。 | 3 | |
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。 | 3 | |