哲学(東洋哲学)

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 哲学(東洋哲学)
科目番号 0130 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 一般人文科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「『荘子』の中の孔子」(響文社)/プリント教材
担当教員 石本 裕之

到達目標

1.東洋思想を学びながら、人間や社会の在り方について理解することができる。
2.思想を学ぶことをとおして自主的に学び考える力を身に着けることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (B-1, B-2, C-1)東洋思想を学びながら、人間や社会の在り方について十分に理解することができる。 東洋思想を学びながら、人間や社会の在り方について基本的に理解することができる。 東洋思想を学びながら、人間や社会の在り方について理解することができない。
評価項目2 (B-1, B-2, C-1)思想を学ぶことをとおして自主的に学び考えることが十分にできる。思想を学ぶことをとおして自主的に学び考えることが基本的にできる。自主的に学び考えることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 一般人文科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる
JABEE B-1 説明 閉じる
JABEE B-2 説明 閉じる
JABEE C-1 説明 閉じる
JABEE基準 a 説明 閉じる
JABEE基準 d 説明 閉じる
JABEE基準 f 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間とは、また自然や社会とはどのようなものであるか。そしてどのようなものであるべきか。これらを古来問い続けてきた人類の営みが哲学である。
私たちは今、科学技術が高度に発達した豊かな時代に生き、「真の豊かさ」とは何かということを問い返している。政治や経済、環境や教育など多岐にわたり、社会は尚、というよりますます多くの課題を抱えつつある。その社会の一員である私たちには、自ら課題をとらえ、自ら考え、対処してゆくための柔軟な思考能力を養い高めることがますます重要になっている。思考の主体性を高め、将来にわたり自分に役立つ学びとなるよう期待する。
東洋哲学を主素材とし、視聴覚教材を活用する。導入期などで、西洋哲学や現代の「思想」への誘いも差し加える。
授業の進め方・方法:
「到達目標」を達成するための留意点を一言でいえば、「学びて思わざれば則ち罔(くら)し。思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し」(論語)である。
科目内容はむろん「国語」との関連が深いが、授業展開は趣をことにするであろう。
概要にもう少し具体性を持たせて述べよう。
周王朝の権威が衰えた春秋末から戦国にかけての時代は、いわゆる諸子百家によって自由闊達な論争が展開された中国思想史の黄金時代である。本講義ではその中の儒家(孔子・孟子及び荀子)、道家(老子・荘子)、墨家(墨子)、法家(韓非子)の思想を概観するとともに、荘子については儒家思想との関係から見つめてみる。
もう少し大きなことも付け加えておこう。
我が国を含め、東洋の社会あるいは国々が今日の形をとるに至るまでの間、さまざまな面で少なからぬ影響をおよぼしてきた諸思想を学ぶことの意義は小さくはない。のみならず、これからも欧米へ世界へと、我が国から諸情報を発してゆく時にわれわれがとるべき基本的な立ち構えの一つとして、これら諸思想に通じておくことは大いに価値あることと言えよう。
「補助教材」「プリント」の主なものに、以下を予定している。
・養老猛司『バカの壁』(新潮新書)第四章「万物流転、情報不変」(p.52~86:全19節)
・藤原正彦『祖国とは国語』(新潮文庫)冒頭章・同題「国語教育絶対論」(p.12~45)と、同章内の他10編
注意点:
評価は筆記試験(2 回)とレポートによって行います。視聴覚教材も用いますが、メモを取り、自分の頭で考え、それを整理して表現する努力が必要になります。頑張りましょう。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はB-1(10%)、B-2(20%)、C-1(70%)とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は、日常の授業(30時間)に対する予習復習、レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること、教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス/資料配付・説明 ・講義意義や評価法が理解できる。
・課題や授業への取り組み方がわかる。
・哲学を学ぶこと、自ら思考することの意義が理解できる。
2週 Ⅰ 『荘子』の孔子受難説話/A・教材「中国の思想」 ・『荘子』の孔子受難説話8条を指摘することができる。
3週 Ⅰ 『荘子』の孔子受難説話/B・①諸子 -ア) 諸子概観 ・受難回想説話4条の特徴が理解できる。
・受難現場説話4条の特徴が理解できる。
4週 Ⅰ 『荘子』の孔子受難説話/B・①諸子 -イ) 墨子・韓非子 ・『荘子』の孔子に対する二つの視点を理解することができる。
5週 Ⅱ-1 『荘子』内篇の孔子 (ⅰ)/B・②孔子 -ア ・『荘子』内篇の特徴を、外篇・雑篇との違いから、大まかに理解することができる。
6週 Ⅱ-1 『荘子』内篇の孔子 (ⅰ)/B・②孔子 -イ ・『荘子』内篇の孔子説話11条を指摘することができる。
7週 Ⅱ-1 『荘子』内篇の孔子 (ⅰ)/B・③孟子 -ア
次週、中間試験を実施する。
・『荘子』の中で孔子が批判されるときの様子を理解することができる。
8週 Ⅱ-2 『荘子』内篇の孔子 (ⅱ)/B ・③孟子 -イ ・『荘子』内篇の孔子説話11条を読み進めることができる。
2ndQ
9週 Ⅱ-2 『荘子』内篇の孔子 (ⅱ)/B ・④老子 -ア ・『荘子』の中で、孔子が道家的な思想の説明者として描かれるときの様子を理解することができる。
10週 Ⅱ-3 『荘子』内篇の孔子 (ⅲ)/B ・④老子 -イ ・『荘子』内篇の孔子説話11条の全体像を理解することができる。
11週 Ⅱ-3 『荘子』内篇の孔子 (ⅲ)/B ・⑤荘子 -ア ・『荘子』の中で孔子が、孔子本来の在り方で賞揚されるときの様子とその意義を理解することができる。
12週 Ⅱ-3 『荘子』内篇の孔子 (ⅲ)/B ・⑤荘子 -イ ・『荘子』の中で孔子が、孔子本来の在り方で賞揚されるときの様子とその意義を理解することができる。
13週 Ⅱ-3 『荘子』内篇の孔子 (ⅲ)/B ・⑤荘子 -イ ・『荘子』の孔子に対する視点の諸相を理解することができる。
14週 A・教材「論語」
・孔子の生涯をおおまかにとらえることができる。
15週 C・「孔子傳」 ・孔子思想の意義を理解することができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力301040
分野横断的能力10010