数学ⅡA

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 数学ⅡA
科目番号 0001 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 一般理数科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:新版 基礎数学[実教出版],高専テキストシリーズ 線形代数[森北出版],問題集:新版 基礎数学演習 [実教出版],高専テキストシリーズ 線形代数問題集 [森北出版]
担当教員 近藤 真一,冨永 徳雄,長岡 耕一

到達目標

数学における新しい概念や原理・法則の理解を深め,計算力の向上を目指す。さらに,事象を数学的に考察し処理する能力を高めることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平面座標上の点や直線上の表し方を理解し,直線や2次曲線の応用問題を解くことができる。平面座標上の点や直線上の表し方を理解し,直線や2次曲線の方程式を求めることができる。平面座標上の点や直線上の表し方を理解できなく,直線や2次曲線の方程式を求めることができない。
評価項目2ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を正しく理解でき,直線や平面を表現することなどに適切に活用できる。ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解でき,直線や平面を表現することなどに活用できる。ベクトルの概念およびベクトルに関する演算が理解できず,直線や平面を表現することなどに活用できない。
評価項目3行列・行列式の概念および行列・行列式に関する演算を正しく理解でき,連立1次方程式の解法に適切に活用できる。行列・行列式の概念および行列・行列式に関する演算を理解でき,連立1次方程式の解法に活用できる。行列・行列式の概念および行列・行列式に関する演算を理解できず,連立1次方程式の解法に活用できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎数学の続きとして,点と直線および2次曲線を学ぶ。次に,「線形代数」としてベクトルの概念,および演算方法を学び,平面における直線および空間における直線や平面などの方程式を学ぶ。さらに,行列・行列式の概念を導入し,それらの演算および応用例としての連立1次方程式の解法を理解する。
授業の進め方・方法:
教科書の内容に基づき,工学の基礎となる数学力を身に付け,社会における様々な事象に潜む数学の有用性を認識する。自分の考えを数学的に表現し考察・議論するために,自学自習用に問題集も活用する。定期試験(80%),各種試験および学習への取り組み(レポート,宿題等)(20%)にて評価する。(週時限数:前期4,後期2)
注意点:
新たな内容に対して,その定義をしっかりと身に付けること,および論理的な筋道を理解することを心掛ける。したがって疑問点は早期に解決するよう努力すべきである。また,専門科目で活用できるためには,「わかる」だけではなく「できる」ことが求められるので,その力を養うためには,授業の他にも自分で問題演習を数多くこなすことが必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
[基礎数学]
7章 図形と方程式
1節 座標平面上の点と直線①
2点間の距離を求めることができる。内分点の座標を求めることができる。
2週 1節 座標平面上の点と直線② 通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。2つの直線の平行・垂直条件を理解している。
3週 2節 2次曲線① 円,放物線の方程式を求めることができる。
4週 2節 2次曲線②
2次曲線(楕円,双曲線)の標準形とその焦点を求めることができる。2次曲線(楕円,双曲線)のグラフの概形をかける。
5週 2節 2次曲線③ 2次曲線と直線の共有点を求めることができる。2次曲線を平行移動した方程式を求めることができる。
6週 3節 不等式と領域 不等式で表わされた領域を図示することができる。
7週 前期中間試験
8週 [線形代数]
1章 ベクトルと図形
1節 ベクトル①
ベクトルの定義を理解し,平面図形や空間図形に適応できる。
2ndQ
9週 1節 ベクトル② ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。
10週 1節 ベクトル③ 平面および空間ベクトルの成分表示ができ、基本的な計算ができる。
11週 1節 ベクトル④ 平面および空間内の直線の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。
12週 2節 ベクトルと図形① 平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。
13週 2節 ベクトルと図形② ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。
14週 2節 ベクトルと図形③ 空間内の平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。
15週 前期末試験
16週 答案返却・解説
2章 行列と行列式
3節 行列①
行列の定義を理解している。
後期
3rdQ
1週 3節 行列② 行列の和・差・数との積の計算ができる。
2週 3節 行列③ 行列の積の計算ができる。
3週 3節 行列④ 逆行列の定義を理解し,2次の正方行列の逆行列を求めることができる。
4週 3節 行列⑤ 逆行列を用いて連立1次方程式を解くことができる。
5週 4節 行列式① 行列式の定義を理解し、2次3次の行列式の値を求めることができる。
6週 4節 行列式② 行列式の性質を理解し、行列式の値を求めることに適応できる。
7週 4節 行列式③ 行列式の展開を理解し、3次4次の行列式の値を求めることに適応できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 5節 基本変形とその応用① クラメルの公式を用いて,連立1次方程式を解くことができる。
10週 5節 基本変形とその応用② 余因子行列を用いて3次の逆行列を求めることができる。
11週 5節 基本変形とその応用③ 掃き出し法で連立1次方程式を解くことができる。
12週 5節 基本変形とその応用④ 掃き出し法で3次の逆行列を求めることができる。
13週 5節 基本変形とその応用⑤ 行列を応用して,ベクトルの線形独立と線形従属を判別できる。
14週 演習 9週目から13週目までの内容を応用できる。
15週 学年末試験
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2点間の距離を求めることができる。2前1
内分点の座標を求めることができる。2前1
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。2前2
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。2前2
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。2前3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。2前8,前9
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。2前10,前12
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。2前12
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2前12,前14
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。2前11,前12,前14
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2後1
行列の和・差・数との積の計算ができる。2後3
行列の積の計算ができる。2後2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。2後3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2後6,後8

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力801595
専門的能力000
分野横断的能力055