数学ⅡB

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 数学ⅡB
科目番号 0002 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 一般理数科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:新版基礎数学 [実教出版]、高専テキストシリーズ 微分積分1 [森北出版] 問題集:新版基礎数学演習 [実教出版]、高専テキストシリーズ 微分積分1問題集 [森北出版]
担当教員 奥村 和浩,大澤 智子,近藤 真一

到達目標

数学における新しい概念や原理・法則の理解を深め、計算力の向上を目指す。さらに、事象を数学的に考察し処理する能力を身につけることを目標とする。
1. 順列・組合せの定義を理解し、基本的「場合の数」を計算でき、具体的な場面に活用できる。
2. 数列や級数の概念およびその和の概念を理解できる。また極限の概念を理解でき、基本的な数列や関数の極限も求めることができる。
3. 微分の概念を理解でき、基本的な関数の導関数を求めることができる。また、微分を利用して与えられた基本的な関数のグラフの概形を描くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1順列・組合せの定義を理解でき、具体的な「場合の数」を正しく計算し、様々な具体的な場面において、適切に活用できる。順列・組合せの定義を理解でき、基本的な「場合の数」が計算できる。具体的な場面に対して、活用できる。順列・組合せの定義を理解できず、基本的な問題において活用できない。
評価項目2数列や級数の概念およびその和の概念を理解できる。また極限の概念を理解でき、様々な数列や関数の極限を工夫して求めることができる。数列や級数の概念およびその和の概念を理解できる。また極限の概念を理解でき、基本的な数列や関数の極限も求めることができる。数列や級数の概念およびその和の概念を理解できない。また極限の概念を理解できず、基本的な数列や関数の極限を求めることができない。
評価項目3微分の概念を理解でき、様々な関数の導関数を適切な方法により、求めることができる。また、微分を利用して与えられた関数のグラフの概形を増減や凹凸など正確に捉えた上で、描くことができる。微分の概念を理解でき、基本的な関数の導関数を求めることができる。また、微分を利用して与えられた基本的な関数のグラフの概形を描くことができる。微分の概念を理解できず、基本的な関数の導関数を求めることができない。また、微分を利用して与えられた基本的な関数のグラフの概形を描くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
集合の概念と順列や組合せなどの「場合の数」を学ぶ。また,命題に関する基本概念を学び,背理法などの証明法について学ぶ。
この後、「微分積分学」の学習に入っていく。まず「数列」について学び、さらにそれをもとに「数列の極限」を学ぶ。
次に、関数の極限という概念を学ぶ。これを用いて、理工学分野における解析学の基礎となる「微分法」を学ぶ。一般の関数についての微分法とその応用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
概念の意味や具体的な例題を通して、理解をし、演習を行うことでその概念の使い方や応用される場面等を学ぶ。
評価方法は定期試験を80%、平常点(小テスト・レポート等の課題)を20%として評価する。
注意点:
① 道具としての数学を身に付けようという積極的な学習意欲を持ち,授業に臨むこと。
② 必ずその日のうちに復習をし,演習問題の反復練習に努めること。
③ 分からない個所がある場合は,必ず自分で可能な限り考えること。それでも分からない場合は,必ず担当教員に聞き,明らかにしておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
[基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
1節 集合
集合に関する基本的な概念を理解できる。
2週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
1節 集合
2節 場合の数①
集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。
和の法則が理解できる。
3週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
2節 場合の数②
和の法則・積の法則の違いを理解できる。
順列の概念を理解できる。
4週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
2節 場合の数③ 
順列・円順列・重複順列の基本的な計算ができる。
5週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
2節 場合の数④ 
組合せの概念を理解し、基本的な計算ができる。
6週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
2節 場合の数⑤
組合せの概念を利用して、基本的な場合の数を求めることができる。
7週 前期中間試験
8週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
2節 場合の数⑥
二項定理を理解し展開式の係数を求めることができる。
2ndQ
9週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
3節 命題と証明① 
命題の定義を理解でき、命題であるものとそうでないものを判定できる。
10週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題
3節 命題と証明②
命題の真偽や必要条件、十分条件などの基本的な用語・概念が理解できる。
11週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題③
3節 命題と証明③
命題の真偽や必要条件、十分条件などを判定でき、偽の場合の反例なども挙げることができる。
12週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題③
3節 命題と証明④
条件の同値性をなどを調べることができる。
13週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題③
3節 命題と証明⑤
対偶を利用した証明法や背理法などの証明法を用いることができる。
14週 [基礎数学]
8章 集合・場合の数・命題③
3節 命題と証明⑥
背理法を用いて証明することができる。
15週 前期末試験
16週 答案返却・解説
[微分積分]
 第1章 数列と級数
 1 数列とその和①
数列に関する基本的な用語の意味や表し方を理解でき、等差数列についてその一般項を求めることができる。
後期
3rdQ
1週 [微分積分]
 第1章 数列と級数
 1 数列とその和②
等差数列の和を求めることができる。
等比数列の一般項を求めることができる。
等比数列の和を求めることができる。
2週 [微分積分]
 第1章 数列と級数
 1 数列とその和③
和の記号Σの意味・性質を理解できる。
Σを用いた和を求めることができる。
自然数の和および平方和の公式の意味を理解し、応用できる。
3週 [微分積分]
 第1章 数列と級数
2 無限数列①
いろいろな数列の極限を求めることができる。無限等比数列の収束・発散を調べることができる。
4週 [微分積分]
 第1章 数列と級数
2 無限数列②
級数やその和および収束・発散の定義が理解できる。
等比級数の収束・発散を調べることができる。
5週 [微分積分]
 第1章 数列と級数
2 無限数列③
漸化式を満たす数列の項を計算できる。数学的帰納法を理解し、証明に用いることができる。
6週 [微分積分]
第2章 微分法
3 関数の極限
関数の極限に関する概念・性質を理解し、極限を求めることができる。関数の連続性を理解し、簡単な関数の連続性を調べることができる。
7週 後期中間試験
8週 [微分積分]
第2章 微分法
4 微分法①
平均変化率・微分係数の意味を理解し、導関数を定義に基づいて求めることができる。
4thQ
9週 [微分積分]
第2章 微分法
4 微分法②
x^nなどの導関数の計算を理解することで、導関数の基本的な計算規則を理解できる。
10週 [微分積分]
第2章 微分法
4 微分法③
積の導関数の公式および合成関数の導関数の公式を理解し、基本的な関数の導関数を求めることができる。
11週 [微分積分]
第2章 微分法
5 微分法の応用①
曲線の接線の方程式を求めることができる。
関数の増減や極値を調べ、グラフをかくことができる。
12週 [微分積分]
第2章 微分法
6 微分法の応用②
凹凸を調べ、変曲点を求めることができる。
関数の増減や極値を利用して、関数の最大値や最小値を求めることができる。
13週 [微分積分]
第2章 微分法
6 いろいろな関数の微分法①
分数関数、無理関数、対数関数の導関数を求めることができる。
14週 [微分積分]
第2章 微分法
6 色々な関数の微分法②
指数関数、三角関数の導関数を求めることができる。
分数関数、無理関数、対数関数、指数関数、三角関数を含むような関数について増減や極値、凹凸、変曲点など調べ、グラフをかくことができる。
15週 学年末試験
16週 答案返却・解説
[微分積分]
第2章 微分法
6 色々な関数の微分法③
分数関数、無理関数、対数関数、指数関数、三角関数を含むような関数について増減や極値、凹凸、変曲点など調べ、グラフをかくことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。2前3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。2前3,前4,前5,前6
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。2前16,後1
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。2後2
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。2後3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。2後3,後4
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。2後6
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。2後8,後9
導関数の定義を理解している。2後8,後9
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。2後10,後16
合成関数の導関数を求めることができる。2後10,後16
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。2後13,後14,後16
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。2後10,後11,後12,後14,後16
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。2後11,後12,後14,後16
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。2後10
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。2後11,後14,後16
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。2前1,前2

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力8015000095
専門的能力0000000
分野横断的能力0500005