物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般理数科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高等学校 新物理基礎 (第一学習社)/ ネオパルノート基礎物理学(第一学習社), 配布プリント
担当教員 渡辺 みのり

到達目標

物理学を学ぶことにより,物事の本質を見抜き抽出する力,論理的に考え説明する力を養う。1~2学年の2年間で,先人が明らかにした法則を用いて身近な現象を説明し,文字式で表した法則を定量的論理的に使いこなし,現象を定性的側面と定量的側面から理解する力を養う。法則を用いて得られた結果から,逆に現象をイメージする力を養う。公式を組み合わせ,使いこなす応用力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1位置,速度,加速度を理解し,正しく計算をすることができる。位置,速度,加速度の計算をすることができる。位置,速度,加速度の計算をすることができない。
評価項目2力と運動に関する式を立て,正しく計算をすることができる。力と運動に関する基礎的な計算をすることができる。力と運動に関する基礎的な計算をすることができない。
評価項目3熱やエネルギーに関する現象を説明 でき,物理法則と関連づけて式を立て,正しく計算することができる。熱やエネルギーに関する基本的 な現象を,物理法則と関連づけて計算することができる。熱やエネルギーに関する基本的な 現象を,物理法則と関連づけて計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年生では,物体の運動を中心に学ぶ。最初に等速度運動,等加速度運動について学習した後,力と運動の法則について学び,運動方程式の考え方を習得する。また,力や速度の分解・合成について理解し,直線運動を簡単な平面運動へと発展させる。
 次にエネルギーについて学習する。仕事や力学的エネルギーについて理解し,物体の運動をエネルギーの側面から記述することを学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業では,基本的物理量の概念の意味を学び,教科書の例題を通してその物理量を求め方を理解する。課題として,それに関する部分の問題集を解いて物理量の意味や求め方を身につける。小テストで,その理解度を確認する。
注意点:
基本的物理量の概念が次々に定義されるので,一つ一つを確実に覚えること。それらを用いて現象を“理解”すること。法則を使う練習・努力を怠らないこと。一つの公式に数値を当てはめるだけで満足せず,物理的イメージを持ち,それを元にして考えることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
[新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
序章 物理量の測定と扱い方
・有効数字を考慮した計算ができる。
2週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
1. 速さと等速直線運動
・速さについて説明できる。
・等速直線運動について説明できる。
3週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
2. 変位と速度
・速度について説明できる。
4週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
3. 速度の合成・相対速度
・2 物体について,相対速度を求めることができる。
5週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
4. 加速度
・加速度について説明できる。
6週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
5. 等加速度直線運動
・等加速度直線運動の公式を用いて,物体の座標,時間,速度に関する計算ができる。
7週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
6. 重力加速度と自由落下
・自由落下に関する計算ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
7. 鉛直投げ下ろし・鉛直投げ上げ
・鉛直投射した物体の座標,速度,時間に関する計算ができる。
10週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第1節 物体の運動
8. 水平投射・斜方投射
・水平投射または斜方投射した物体の座標,速度,時間に関する計算ができる。
11週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
1. 力と質量
・力について説明できる。
12週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
2. いろいろな力
・張力・垂直抗力・弾性力を説明できる。
フックの法則を用いて,弾性力の大きさを求めることができる。
13週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
2. いろいろな力
・水圧・浮力を説明できる。
14週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
3. 力の合成・分解と力のつりあい
・物体に作用する力を図示することができる。
・力の合成と分解をすることができる。
15週 前期期末試験
16週 前期末試験返却・解説
[新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
4. 慣性の法則
・慣性の法則について説明できる。
後期
3rdQ
1週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
5. 力と質量と加速度の関係
・力と質量と加速度の関係を説明できる。
2週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
6. 運動方程式
・運動方程式を説明できる。
3週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
7. 作用・反作用の法則
・作用と反作用の関係について,具体例を挙げて説明できる。
4週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
8. 摩擦力
・静止摩擦力がはたらいている場合の,力のつりあいについて理解している。
・最大摩擦力に関する計算ができる。
・動摩擦力に関する計算ができる。
5週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
9. 運動方程式の利用(1)
・いろいろな運動方程式を立てて,計算ができる。
6週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
10. 運動方程式の利用(2)①
・いろいろな運動方程式を立てて,計算ができる。
7週 [新物理基礎]
第Ⅰ章 力と運動
第2節 力と運動の法則
10. 運動方程式の利用(2)②
・互いに力を及ぼしあう物体の運動について,運動
・方程式を立てて解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 [新物理基礎]
第II章 エネルギー
第1節 仕事と力学的エネルギー
1. 力がする仕事
・物理での仕事が説明できる。
10週 [新物理基礎]
第II章 エネルギー
第1節 仕事と力学的エネルギー
2. 仕事と仕事率
・仕事と仕事率に関する計算ができる。
11週 [新物理基礎]
第II章 エネルギー
第1節 仕事と力学的エネルギー
3. 運動エネルギー
・運動エネルギーに関する計算ができる
12週 [新物理基礎]
第II章 エネルギー
第1節 仕事と力学的エネルギー
4. 位置エネルギー
・重力の位置エネルギーの計算ができる。
・弾性力の位置エネルギーの計算ができる。
13週 [新物理基礎]
第II章 エネルギー
第1節 仕事と力学的エネルギー
5. 力学的エネルギー保存の法則
・力学的エネルギー保存則について理解し,計算ができる。
14週 [新物理基礎]
第II章 エネルギー
第1節 仕事と力学的エネルギー
6. いろいろな運動と力学的エネルギー①
・力学的エネルギー保存則について理解し,様々な物理量の計算に利用できる。
15週 学年末試験
16週 [新物理基礎]
学年末試験返却・解説
第II章 エネルギー
第1節 仕事と力学的エネルギー
6. いろいろな運動と力学的エネルギー②
・力学的エネルギー保存則について理解し,様々な物理量の計算に利用できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2

評価割合

試験小テスト課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701020000100
基礎的能力701020000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000