物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般理数科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 改訂 物理(数研出版)/ 高校理科へのステップ 高校理科のための準備と練習(東京書籍)/ 改訂 プログレス物理基礎(第一学習社)
担当教員 寺木 悠人

到達目標

物理学を学ぶことにより,物事の本質を見抜き抽出する力,論理的に考え説明する力を養う。1~2学年の2年間で,先人が明らかにした法則を用いて身近な現象を説明し,文字式で表した法則を定量的論理的に使いこなし,現象を定性的側面と定量的側面から理解する力を養う。法則を用いて得られた結果から,逆に現象をイメージする力を養う。公式を組み合わせ,使いこなす応用力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1位置,速度,加速度を理解し,正しく計算をすることができる。位置,速度,加速度の計算をすることができる。位置,速度,加速度の計算をすることができない。
評価項目2力と運動に関する式を立て,正しく計算をすることができる。力と運動に関する基礎的な計算をすることができる。力と運動に関する基礎的な計算をすることができない。
評価項目3仕事や力学的エネルギーに関する現象を説明でき,物理法則と関連づけて式を立て,正しく計算することができる。仕事や力学的エネルギーに関する基本的な現象を,物理法則と関連づけて計算することができる。仕事や力学的エネルギーに関する基本的な現象を,物理法則と関連づけて計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 一般理数科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年生では,物体の運動を中心に学ぶ。最初に等速直線運動,等加速度直線運動について学習した後,力と運動の法則について学び,運動方程式の考え方を習得する。また,力や速度の分解・合成について理解し,直線運動を簡単な平面運動へと発展させる。
 次にエネルギーについて学習する。仕事や力学的エネルギーについて理解し,物体の運動をエネルギーの側面から記述することを学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業では,基本的物理量の概念と意味を学び,教科書の例題を通してその物理量の求め方を理解する。また,自学自習により,問題集の問題を解いて物理量の意味や求め方を身につける。小テストや定期試験で理解度を確認する。
注意点:
基本的物理量の概念が次々に定義されるので,一つ一つを確実に覚えること。それらを用いて現象を理解すること。法則を使う練習・努力を怠らないこと。一つの公式に数値を当てはめるだけで満足せず,物理的イメージを持ち,それを元にして考えることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
序章 物理量の測定と扱い方

有効数字を考慮した計算ができる。
2週 第I章 力と運動 第1節 物体の運動
1. 速さと等速直線運動
速さについて説明できる。
等速直線運動について説明できる。
3週 2. 変位と速度 変位について説明できる。
速度について説明できる。
4週 3. 速度の合成・相対速度 合成速度を求めることができる。
相対速度を求めることができる。
5週 4. 加速度 加速度について説明できる。
6週 5. 等加速度直線運動(その1) 等加速度直線運動について説明できる。
等加速度直線運動の公式について説明できる。
7週 5. 等加速度直線運動(その2)
次週,中間試験を実施する
等加速度直線運動の公式を用いて,物体の位置,時間,速度,加速度に関する計算ができる。
8週 6. 重力加速度と自由落下 重力加速度について説明できる。
自由落下に関する計算ができる。
2ndQ
9週 7. 鉛直投げ下ろし・鉛直投げ上げ 鉛直に投げおろしたり投げ上げたりした物体の位置,時間,速度に関する計算ができる。
10週 8. 水平投射・斜方投射 水平投射または斜方投射した物体の位置,時間,速度について説明できる。
11週 第I章 力と運動 第2節 力と運動の法則
1. 力と質量
力について説明できる。
質量と重さの違いについて説明できる。
12週 2. いろいろな力 張力・垂直抗力・弾性力・圧力・浮力について説明できる。
フックの法則を用いて,弾性力の大きさを求めることができる。
13週 3. 力の合成・分解と力のつりあい(その1) 物体に作用する力を図示することができる。
力の合成と分解をすることができる。
14週 3. 力の合成・分解と力のつりあい(その2) 物体に作用する力のつり合いについて計算することができる。
15週 4. 慣性の法則
7. 作用・反作用の法則
慣性の法則について説明できる。
作用と反作用の関係について,具体例を挙げて説明できる。
16週 期末試験 これまでに学んだ内容について,試験で確認する。
後期
3rdQ
1週 第I章 力と運動 第2節 力と運動の法則
5. 力と質量と加速度の関係
力と質量と加速度の関係を説明できる。
2週 6. 運動の法則 運動の法則を説明できる。
運動の法則を運動方程式で表すことができる。
3週 8. 摩擦力(その1) 静止摩擦力について説明できる。
最大摩擦力に関する計算ができる。
4週 8. 摩擦力(その2) 動摩擦力について説明できる。
動摩擦力に関する計算ができる。
5週 9. 運動方程式の利用(1) 1つの物体のいろいろな運動について,運動方程式を立てることができる。
運動方程式を解いて,物体に作用する力,物体の加速度,質量を求めることができる。
6週 10. 運動方程式の利用(2)(その1) 力を及ぼし合って運動する2つの物体について,運動方程式を立てることができる。
7週 10. 運動方程式の利用(2)(その2)
次週,中間試験を実施する
摩擦のある運動について,運動方程式を立てることができる。
8週 第II章 エネルギー 第1節 仕事と力学的エネルギー
1. 力がする仕事
物理量としての仕事について説明できる。
4thQ
9週 2. 仕事の原理と仕事率 仕事と仕事率に関する計算ができる。
10週 3. 運動エネルギー 物体が持つエネルギーについて説明できる。
運動エネルギーに関する計算ができる。
11週 4 位置エネルギー 重力による位置エネルギーの計算ができる。
弾性力による位置エネルギーの計算ができる。
12週 5. 力学的エネルギー保存の法則 力学的エネルギー保存の法則について説明できる。
力学的エネルギー保存の法則を式で表すことができる。
13週 6. いろいろな運動と力学的エネルギー(その1) 力学的エネルギー保存の法則を用いて,いろいろな運動の物理量の計算ができる。
14週 6. いろいろな運動と力学的エネルギー(その2) 力学的エネルギー保存の法則を用いて,いろいろな運動の物理量の計算ができる。
15週 6. いろいろな運動と力学的エネルギー(その3) 力学的エネルギーが保存しないのはどのような場合か説明できる。
16週 期末試験 これまでに学んだ内容について,試験で確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前2,前3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前6
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前9
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前8
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前10
物体に作用する力を図示することができる。3前11
力の合成と分解をすることができる。3前13
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前12
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前12
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前14
慣性の法則について説明できる。3前15
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前15
運動方程式を用いた計算ができる。3後2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後3
最大摩擦力に関する計算ができる。3後3
動摩擦力に関する計算ができる。3後4
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後9
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後10
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後11
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後11
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後12
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後12
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後12
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後4

評価割合

試験小テスト課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701020000100
基礎的能力701020000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000