数学ⅡB

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 数学ⅡB
科目番号 0007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 一般理数科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:4
教科書/教材 教科書:新版 基礎数学[実教出版],新版数学シリーズ 新版 微分積分Ⅰ [実教出版],問題集:新版 基礎数学演習 [実教出版],新版数学シリーズ 新版 微分積分Ⅰ 演習 [実教出版]
担当教員 奥村 和浩,大澤 智子,冨永 徳雄,近藤 真一

到達目標

数学における新しい概念や原理・法則の理解を深め,計算力の向上を目指す。さらに,事象を数学的に考察し処理する能力を高めることを目標とする。
1.数列の一般項およびその和を求めることができる。また極限の概念を理解でき、基本的な関数の極限も求めることができる。
2.微分の概念を理解でき、基本的な関数の導関数を求めることができる。
3.微分を利用して与えられた基本的な関数のグラフの概形を描くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1いろいろな数列の一般項や和を工夫して求めることができる。また,いろいろな関数の極限も工夫して求めることができる。基本的な数列の一般項や和を求めることができる。また,基本的な関数の極限も求めることができる。基本的な数列の一般項や和を求めることができるない。また,基本的な関数の極限を求めることができない。
評価項目2微分の概念を理解でき、様々な関数の導関数を適切な方法により、求めることができる。微分の概念を理解でき、基本的な関数の導関数を求めることができる。微分の概念を理解できず、基本的な関数の導関数を求めることができない。
評価項目3微分を利用して与えられた関数のグラフの概形を増減や凹凸など正確に捉えた上で、描くことができる。微分を利用して与えられた基本的な関数のグラフの概形を描くことができる。微分を利用して与えられた基本的な関数のグラフの概形を描くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 一般理数科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
集合の概念と命題に関する基本概念を学び,背理法などの証明法について学ぶ。
この後、「微分積分学」の学習に入っていく。まず「数列」について学び、一般項の表し方やその和について学ぶ。
次に、関数の極限という概念を学ぶ。これを用いて、理工学分野における解析学の基礎となる「微分法」の基礎を学ぶ。微分法の応用として,簡単な関数のグラフの概形がかけるようになる。
授業の進め方・方法:
概念の意味や具体的な例題を通して、理解をし、演習を行うことでその概念の使い方や応用される場面等を学ぶ。
評価方法は定期試験を80%、平常点(小テスト・レポート等の課題)を20%として評価する。(週時限数:前期2,後期4)
注意点:
① 道具としての数学を身に付けようという積極的な学習意欲を持ち,授業に臨むこと。
② 必ずその日のうちに復習をし,演習問題の反復練習に努めること。
③ 分からない個所がある場合は,必ず自分で可能な限り考えること。それでも分からない場合は,必ず担当教員に聞き,明らかにしておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
[基礎数学]
第8章 1節 集合と要素の個数
1 集合
集合に関する基本的な概念を理解できる。
2週 第8章 1節 集合と要素の個数
2 集合の要素の個数
集合の要素の個数を求めることができる。
3週 第8章 集合・場合の数・命題
3節 条件と命題① 
命題の定義を理解でき、命題であるものとそうでないものを判定できる。
4週 第8章 集合・場合の数・命題
3節 条件と命題②
命題の真偽や必要条件、十分条件などの基本的な用語・概念が理解できる。 偽の場合の反例なども挙げることができる。
5週 第8章 集合・場合の数・命題
3節 条件と命題③
3節 命題と証明
条件の同値性をなどを調べることができる。 対偶を利用した証明法を用いることができる。
6週 3節 命題と証明
[微分積分Ⅰ]
第1章 数列
1 数列とその和①
対偶を利用した証明法を用いることができる。
数列に関する基本的な用語の意味や表し方を理解できる。等差数列についてその一般項を求めることができる。
7週 中間試験 
8週 答案返却・解説
第1章 数列
1 数列とその和②
等差数列の一般項とその和を求めることができる。
等比数列の一般項を求めることができる。
2ndQ
9週 第1章 数列
1 数列とその和③
等比数列の一般項とその和を求めることができる。
和の記号Σの意味・性質を理解できる。
10週 第1章 数列
1 数列とその和④
Σを用いた和を求めることができる。
自然数の和および平方和の公式の意味を理解し、応用できる。
11週 第1章 数列
1 数列とその和⑤
漸化式を満たす数列の項を計算できる。数学的帰納法を理解し、証明に用いることができる。
12週 第1章 数列と級数
2 数列の極限➀
いろいろな数列の極限を求めることができる。
13週 第1章 数列と級数
2 数列の極限②
いろいろな数列の極限を求めることができる。
無限等比数列の収束・発散を調べることができる。
14週 第1章 数列と級数
2 数列の極限③
無限等比級数やその和および収束・発散の定義が理解できる。
15週 第1章 数列と級数
2 数列の極限④
第2章 微分法
1 関数の極限➀
無限等比級数の性質を用いて和を求めることができる。
関数の極限に関する概念・性質を理解し、極限を求めることができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 答案返却・解説
[微分積分Ⅰ]
第2章 微分法
1 関数の極限②
関数の右極限と左極限を調べることができる。指数関数・対数関数の極限を求めることができる。
2週 第2章 微分法
1 関数の極限③
2 導関数➀
三角関数の極限を求めることができる。関数の連続性を調べることができる。
3週 第2章 微分法
2 導関数②
平均変化率の意味を理解し、微分係数を定義に基づいて求めることができる。
導関数を定義に基づいて求めることができる。
4週 第2章 微分法
2 導関数③
x^nなどの導関数の計算を理解することで,導関数の基本的な計算規則を理解できる。 積と商の導関数の公式を理解し、基本的な関数の導関数を求めることができる。
5週 第2章 微分法
2 導関数④
積と商の導関数の公式を理解し、基本的な関数の導関数を求めることができる。 合成関数と逆関数の導関数の公式を理解し,基本的な関数の導関数を求めることができる。
6週 第2章 微分法
2 導関数⑤
[基礎数学]
第6章 三角関数
2 三角関数
三角関数の導関数を求めることができる。逆三角関数の定義を理解し、逆三角関数の値を求めることができる。
7週 [微分積分Ⅰ]
第2章 微分法
2 導関数⑥
中間試験
逆三角関数の導関数を求めることができる。
対数関数と指数関数の導関数を求めることができる。
8週 第2章 微分法
2 導関数⑦
3 導関数の応用➀
高次導関数の意味を理解し、第2次導関数を求めることができる。
曲線の接線の方程式を求めることができる。
4thQ
9週 第2章 微分法
3 導関数の応用②
関数の増減や極値を調べ、グラフをかくことができる。関数の増減や極値を利用して,関数の最大値や最小値を求めることができる。
10週 第2章 微分法
3 導関数の応用③
関数の増減や極値を利用して,関数の最大値や最小値を求めることができる。
関数の凹凸を調べることができる。
11週 第2章 微分法
3 導関数の応用④
関数の凹凸と変曲点を調べ,グラフをかくことができる。
12週 第2章 微分法
3 導関数の応用⑤
関数の凹凸と変曲点を調べ,グラフをかくことができる。
不等式の証明をするのに,関数の増減を用いることができる。
13週 第2章 微分法
3 導関数の応用⑥
不等式の証明や方程式の実数解の個数を調べるのに,関数の増減を用いることができる。
14週 第2章 微分法
3 導関数の応用⑦
方程式の実数解の個数を調べるのに,関数の増減を用いることができる。
近似式の考えが理解できる。
15週 第2章 微分法
3 導関数の応用⑧
近似式の考えが理解でき,近似値を求めることができる。速度・加速度を求めることができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3前6,前8,前9
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3前10,前11
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3前12,前13,前14,前15
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前15,後1,後2
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3後4,後5,後16
合成関数の導関数を求めることができる。3後5,後16
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3後6,後7,後16
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3後6,後7
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3後9,後10,後12,後13,後14,後16
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3後9,後10,後16
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3後8
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3後11,後12,後16
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3前1,前2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前3,前4,前5
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2前4,前5,後12,後13,後14
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前4,前5
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前4,前5,後12,後13,後14

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000