数学ⅡA

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 数学ⅡA
科目番号 0013 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 一般理数科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:2
教科書/教材 教科書:新版 基礎数学[実教出版],高専テキストシリーズ 線形代数[森北出版],問題集:新版 基礎数学演習 [実教出版],高専テキストシリーズ 線形代数問題集 [森北出版]
担当教員 長岡 耕一,近藤 真一,奥村 和浩,大澤 智子

到達目標

数学における新しい概念や原理・法則の理解を深め、計算力の向上を目指す。さらに、事象を数学的に考察し処理する能力を身につけることを目標とする。
1.  2次曲線の方程式や不等式が表す領域を求めることができる。
2. ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解でき,直線や平面を表現することなどに活用できる。
3. 行列・行列式・一次変換の概念および行列・行列式に関する演算を理解でき,連立1次方程式の解法に活用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平面座標上の2次曲線や不等式の表す領域に関する応用問題を解くことができる。平面座標上の2次曲線や不等式の表す領域に関する基本的な問題を解くことができる。平面座標上の2次曲線や不等式の表す領域に関する基本的な問題を解くことができない。
評価項目2ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解でき,直線や平面を工夫して表現することなどに活用できる。ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解でき,直線や平面を表現することなどに活用できる。ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解できず,直線や平面を表現することなどに活用できない。
評価項目3行列・行列式・一次変換の概念および行列・行列式に関する演算を理解でき,連立1次方程式の解法に工夫して活用できる。行列・行列式・一次変換の概念および行列・行列式に関する演算を理解でき,連立1次方程式の解法に活用できる。行列・行列式・一次変換の概念および行列・行列式に関する演算を理解できず,連立1次方程式の解法に活用できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 一般理数科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
基礎数学の続きとして,2次曲線と不等式が表す領域を学ぶ。次に,「線形代数」としてベクトルの概念,および演算方法を学び,平面における直線および空間における直線や平面などの方程式を学ぶ。さらに,行列・行列式の概念を導入し,それらの演算および応用例としての連立1次方程式の解法を理解する。さらに、線形変換とその表現行列についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
概念の意味や具体的な例題を通して、理解をし、演習を行うことでその概念の使い方や応用される場面等を学ぶ。
評価方法は定期試験を80%、平常点(小テスト・レポート等の課題)を20%として評価する。
注意点:
① 道具としての数学を身に付けようという積極的な学習意欲を持ち,授業に臨むこと。
② 必ずその日のうちに復習をし,演習問題の反復練習に努めること。
③ 分からない個所がある場合は,必ず自分で可能な限り考えること。それでも分からない場合は,必ず担当教員に聞き,明らかにしておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
[基礎数学]
7章 図形と方程式
2節 2次曲線①
円,放物線の方程式を求めることができる。
2週 2節 2次曲線② 円,放物線の方程式を求めることができる。
2次曲線(楕円,双曲線)の標準形とその焦点を求めることができる。2次曲線(楕円,双曲線)のグラフの概形をかける。
3週 2節 2次曲線③ 2次曲線(楕円,双曲線)の標準形とその焦点を求めることができる。2次曲線(楕円,双曲線)のグラフの概形をかける。
4週 2節 2次曲線④ 2次曲線と直線の共有点を求めることができる。2次曲線を平行移動した方程式を求めることができる。不等式で表わされた領域を図示することができる。
5週 3節 不等式と領域① 不等式で表わされた領域を図示することができる。
6週 3節 不等式と領域②
[線形代数]
1章 ベクトルと図形
1節 ベクトル①
ベクトルの定義を理解し,平面図形や空間図形に適応できる。
7週 1節 ベクトル②
次週、中間試験を実施する
ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。
8週 1節 ベクトル③ 平面および空間ベクトルの成分表示ができ、基本的な計算ができる。平面および空間内の直線の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。
2ndQ
9週 1節 ベクトル④ 平面および空間内の直線の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。
10週 2節 ベクトルと図形① 平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。
ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。
11週 2節 ベクトルと図形② ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。
空間内の平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。
12週 2節 ベクトルと図形③ 空間内の平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。
13週 2章 行列と行列式
3節 行列①
行列の定義を理解している。
行列の和・差・数との積の計算ができる。
14週 3節 行列②
行列の和・差・数との積の計算ができる。
行列の積の計算ができる。
15週 3節 行列③ 逆行列の定義を理解し,2次の正方行列の逆行列を求めることができる。
逆行列を用いて連立1次方程式を解くことができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 4節 行列式① 行列式の定義を理解し、2次3次の行列式の値を求めることができる。
2週 4節 行列式② 行列式の性質を理解し、行列式の値を求めることに適応できる。
3週 4節 行列式③ 行列式の性質を理解し、行列式の値を求めることに適応できる。
行列式の展開を理解し、3次4次の行列式の値を求めることに適応できる。
4週 4節 行列式④ 行列式の展開を理解し、3次4次の行列式の値を求めることに適応できる。
5週 5節 基本変形とその応用① クラメルの公式を用いて,連立1次方程式を解くことができる。
6週 5節 基本変形とその応用② 余因子行列を用いて3次の逆行列を求めることができる。
7週 5節 基本変形とその応用③
次週、中間試験を実施する
掃き出し法で連立1次方程式を解くことができる。
8週 5節 基本変形とその応用④ 掃き出し法で3次の逆行列を求めることができる。
4thQ
9週 6節 線形変換と固有値① 線形変換の定義や性質を理解できる。
具体的な線形変換によるベクトルの像を求めることができる。
10週 6節 線形変換と固有値② 線形変換の定義や性質を理解できる。
具体的な線形変換によるベクトルの像を求めることができる。
11週 6節 線形変換と固有値③ 線形変換による直線の像を求めることができる。
12週 6節 線形変換と固有値④ 線形変換の合成変換や逆変換の表現行列を求めることができる。
13週 6節 線形変換と固有値⑤ 線形変換の合成変換や逆変換の表現行列を求めることができる。直交変換や直交行列を理解できる。
14週 6節 線形変換と固有値⑥ 線形変換の合成変換や逆変換の表現行列を求めることができる。直交変換や直交行列を理解できる。
15週 6節 線形変換と固有値⑦ 線形変換の合成変換や逆変換の表現行列を求めることができる。直交変換や直交行列を理解できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3前1,前2
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3前2
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3前4,前5
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前6,前7
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前8
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前10
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前10,前11
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前9
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3前13,前14
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前15
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後1,後2,後3,後4
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後9,後10
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後12,後13
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後13,後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前16
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2前16
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2前16
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前16
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前16

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000