数学ⅢA

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 数学ⅢA
科目番号 0023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 一般理数科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 LIBRARY工学基礎&高専TEXT「微分積分」(数理工学社)、LIBRARY工学基礎&高専TEXT「微分積分 問題集」(数理工学社)
担当教員 奥村 和浩,冨永 徳雄,大澤 智子

到達目標

・数列の極限における収束・発散について調べることができる。
・定積分の考え方を理解し、置換積分法・部分積分法による計算ができる。
・高次導関数の計算および応用ができる。
・関数のべき級数展開ができる。
・広義積分を理解し、計算ができる。
・定積分の応用として、面積・体積が計算できる。
・曲線の媒介変数表示と極方程式について、微分・積分ができる。
・偏微分法について理解し、近似式や極値を求めることができる。
・2重積分について理解し、累次積分を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1数列の極限を広く理解し、様々な数列および級数の和の収束・発散を調べることができる。数列の極限を理解し、数列および級数の和の収束・発散を調べることができる。数列の極限についての理解および収束・発散について調べることができない。
評価項目21変数関数の微分法を理解し、導関数を利用した様々な計算ができる。1変数関数の微分法を理解し、導関数を利用した基本的な計算ができる。1変数関数の微分法を理解し、導関数を利用した基本的な計算ができない。
評価項目31変数関数の様々な定積分の計算ができる。1変数関数の定積分の基本的な計算ができる。1変数関数の定積分の基本的な計算ができない。
評価項目42変数関数の微分法を理解し、偏導関数を用いた計算ができる。2変数関数の微分法を理解し、偏導関数を用いた基本的な計算ができる。2変数関数の微分法を理解し、偏導関数を用いた基本的な計算ができない。
評価項目52変数関数の積分法を理解し、累次積分による様々な計算ができる。2変数関数の積分法を理解し、累次積分による計算ができる。2変数関数の積分を累次積分によって求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 一般理数科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前年度のテキストを引き続き使用し、まず数列の極限および無限級数について学んだのち、定積分の様々な計算法を学び、その応用として面積や体積、曲線の長さなどを求める。
次に、高次導関数について学び、応用として、曲線の凹凸や変曲点などを求めることや関数を「べき級数」で表すことを学ぶ。
そのあと、曲線を「媒介変数」「極座標」により表示する方法を学び、続いてさらに、「2変数関数」についての微分法である「偏微分法」を学ぶ。最後に、2重積分の基本的な計算について触れる。
授業の進め方・方法:
概念の意味や具体的な例題を通して、理解をし、演習を行うことでその概念の使い方や応用のされ方等を学ぶ。
評価方法は定期試験を80%、平常点(小テスト・レポート等の課題)を20%として評価する。
注意点:
① 道具としての数学を身に付けようという積極的な学習意欲を持ち,授業に臨むこと。
② 必ずその日のうちに復習をし,演習問題の反復練習に努めること。
③ 分からない個所がある場合は,必ず自分で可能な限り考えること。それでも分からない場合は,担当教員等に尋ね,疑問を早めに解決すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
第1章 数列と極限
数列の極限
数列の極限について理解し、その収束および発散について調べることができる。
2週 無限級数とその和 無限級数について理解し、その和の収束および発散について調べることができる。
3週 第3章 積分の基礎
3.2 定積分
定積分の性質を理解し、基本的な関数の定積分を計算できる。
4週 3.2 定積分
定積分の置換積分法
定積分の置換積分法を理解し、置換積分による様々な関数の積分ができる。
5週 3.2 定積分
定積分の部分積分法
定積分の部分積分法を理解し、部分積分による様々な関数の積分ができる。
6週 3.3 面積・体積・曲線の長さ
面積・体積
定積分を用いて、曲線と座標軸や、2曲線で囲まれた部分の面積を求めることができる。断面積から立体の体積を求めることができる。
7週 3.3 面積・体積・曲線の長さ
体積(続き)・曲線の長さ
次週、前期中間試験を行う
定積分を用いて回転体の体積や曲線の長さを求めることができる。
8週 第4章 微分・積分の応用
4.1 微分の応用
高次導関数を求めることができる。
2ndQ
9週 4.1 微分の応用
ロピタルの定理
平均値の定理およびロピタルの定理を理解し、不定形の極限の計算に応用できる。
10週 4.1 微分の応用
曲線の凹凸
第2次導関数と曲線の凹凸の関係を理解し、曲線の凹凸を調べることができる。
11週 4.1 微分の応用
媒介変数表示された曲線の導関数
曲線の媒介変数表示について理解し、媒介変数表示された関数の導関数を求めることができる。
12週 4.1 微分の応用
近似式、テイラー展開
1次近似・2次近似を理解し、これらを用いた近似値を求めることができる。テイラー展開・マクローリン展開を理解し、いろいろな関数に応用できる。
13週 4.2 積分の応用
媒介変数表示された曲線の積分
媒介変数表示された曲線について面積や曲線の長さを求めることができる。
14週 4.2 積分の応用
媒介変数表示された曲線の積分(続き)
媒介変数表示された曲線について回転体の体積や回転面の面積を求めることができる。
15週 4.2 積分の応用
極座標表示の曲線
極座標と直交座標の関係を理解し、極方程式が表す図形がかける。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 4.2 積分の応用
極座標表示の曲線(続き)
極方程式の表す図形の面積や曲線の長さを求めることができる。
2週 4.2 積分の応用
広義積分
速度と位置
定積分の定義を拡張した広義積分の計算ができる。積分を速度や位置の計算に応用できる。
3週 4.2 積分の応用
区分求積法と数値積分
4.3 微分方程式の初歩
台形公式の考えが理解できる。初歩的な微分方程式を解くことができる。
4週 第5章 多変数関数の微分
5.1 2変数関数とその連続性
2変数関数のグラフがイメージできる。2変数関数の極限が求められる。
5週 5.2 偏微分係数と偏導関数 偏導関数を求め、偏微分係数が求められる。接平面の方程式を求めることができる。
6週 5.3 接平面と全微分
5.4 合成関数の偏微分
全微分を求めることができる。2変数関数について、合成関数の導関数・偏導関数が求められる。
7週 既習事項の確認
次週、中間試験を実施する
既習事項について復習する
8週 既習事項の確認 既習事項について復習する
4thQ
9週 5.5 高次偏導関数とテイラーの定理 第2次編導関数を求めることができる。2変数関数のテイラー展開を理解し、近似値の計算に応用できる。
10週 5.6 2変数関数の極値 2変数関数の極値の判定法を理解し、簡単な関数に応用できる。
11週 5.7 最大値・最小値
5.8 陰関数定理
簡単な2変数関数について最大値・最小値を求めることができる。陰関数の導関数を理解し、これを用いて曲線の接線を求めることができる。
12週 5.9 条件付き極値問題
5.10 包絡線
ラグランジュの未定乗数法について理解し、条件付き極値問題に応用できる。包絡線について理解し、簡単な問題に応用できる。
13週 第6章 重積分
6.1 重積分
2重積分の定義を理解し、長方形領域における2重積分の計算ができる。
14週 6.1 重積分(続き) 一般領域における2重積分を直交座標系の累次積分で表し、計算することができる。
15週 6.1 重積分(続き) 累次積分の積分順序を変更できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3前1,前9
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3前2
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3前10
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3前8,前10
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前11
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前4,前5
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前4,前5
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前6,前7,前13,後1
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前7,前13,後1
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前14
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後4,後5
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後6
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後9
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後10,後11,後12
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前12
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前12
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前12
自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前8,前14,後2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3後3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前7,前16,後7,後15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前7,前16,後7,後15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前7,前16,後7,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前7,前16,後7,後15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前7,前16,後7,後15

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力000
分野横断的能力000