科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 地理
科目番号 0011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人文理数総合科(人文系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 地理A(第一学習社)/標準高等地図・新訂版(帝国書院)、地理Aワークノート(第一学習社) プリント、視聴覚教材
担当教員 阿部 敬一郎

到達目標

1.文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。
2.国家間や国家内で見られる経済問題や民族・宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について理解できる。
3.科学技術や産業の発展が、自然環境に及ぼす影響について理解できる。
4.環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文化の多様性を認識し互いの文化を尊重することの大切さを十分に理解できる文化の多様性を認識し互いの文化を尊重することの大切さを理解できる文化の多様性を認識し互いの文化を尊重することの大切さを理解できない
評価項目2国家間や国家内で見られる経済問題や民族・宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について複眼的に理解できる。国家間や国家内で見られる経済問題や民族・宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について理解できる国家間や国家内で見られる経済問題や民族・宗教問題など、文化的相違に起因する諸問題について理解できない
評価項目3科学技術や産業の発展が、自然環境に及ぼした影響について十分に理解できる科学技術や産業の発展が、自然環境に及ぼした影響について理解できる科学技術や産業の発展が自然環境に及ぼした影響について理解できない
評価項目4環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について、文化的な相違も踏まえて理解できる環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について理解できる環境、資源・エネルギー、人口、食糧問題等の地球的規模の諸課題とその背景について理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 人文理数総合科(人文系)の教育目標 ③ 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
グローバル化は利便性と問題を同時に、そして大量に生み出している。自分たちで課題とその解決策を考えられるよう、異文化や異民族、環境、経済等について学び、民族や文化に対する理解を深める。現代の国際社会における日本の現状を理解する。
授業の進め方・方法:
座学を中心に進めるが、授業中にワーク課題に取り組むこともある。

注意点:
本授業は、現代社会においてどのような問題が生じているのかを自ら発見し、解決策を検討するための素材として欲しい。新聞や専門家の情報に目を通す習慣を身に付けて欲しい。テストのための、記憶力を競うことはしない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション ~本授業の勉強の仕方、中間試験、成績のつけ方の説明
地球儀や地図からとらえる世界
○地球儀を用いて,水陸分布,大陸間の方位,距離,位置関係,時差や季節の生じるメカニズムについて考察することで,球体としての地球の姿を把握する。
ノートの取り方、授業の意義や目的について理解できる。地球儀や世界地図を活用して,球面上の世界を平面で表現する意味と技術を身につける。
2週 日本の位置と領域
○国家の三要素と国境の概念,日本の地理的な位置と領域,日本の抱える領土問題から,世界の民族・宗教を背景とした領土問題を考察する。
領土問題はなぜ起きるのか。その背景が国益の衝突にあることを踏まえ,問題を平和的に解決するための方法について考えることができる。
3週 世界の国家群
○第二次世界大戦後~東西冷戦期に結成された様々な国家群とその結成の背景について当時の国際情勢との関わりから考察する。
○国家間が互いに結びつき,協力していくことの大切さを理解する。
国家群を軸に、国家間の結びつきの現状や課題について考察することができる。
4週 生活・文化を支える産業の地域性
○食料の原産地と生産地を決めている背景を踏まえ、農業技術の発展について考察する。
○大規模の農牧業の技術によって、日本の食がどのような危機にあるか考察する。
○統計を用いて食料品目・相手国の変化と産業構造・国家間の関係の変化との関係について理解できる。
○農業から始まる貧困格差を把握できる。
5週 交通・通信の発達と世界の一体化と地理的環境
○交通・通信の発達によって,人や情報の国際移動が容易になっている。一体化する現代世界の動向と課題について考察する。
○ヒト・モノ・カネ・情報が集約することによって発生する多くの破壊活動と、残すべき文化・環境の課題について考察する。
統計の読み取りを通じて交通・通信を軸に国家間の結びつきの現状や課題について考察する。
国際移動による利便性の向上と貧富の格差を把握する。
6週 世界の地形と民族・宗教・生活と文化
○地球がつくりだす、特徴ある氷河地形・乾燥地形・カルスト地形等と生活のかかわりについて考察する。
○に世界の宗教と言語、民族性の理解と、そこに起因する諸問題ついて理解する。
○世界の地形、民族、文化、宗教が育んだ、世界遺産などの資産を理解する。
7週 世界の気候と生活
○気温・降雨量・雨の降り方などによって世界の気候区を分類できることを理解する。
○各気候に応じた文化が育まれていることを理解する。
各気候の特徴とそこに暮らす人々の生活の関係について説明できる。

※次週、中間試験を実施する
8週 日常生活と地図と地図表現
○地図の種類と、その用途を理解する。
○地理の言語である地図と、地図表現の可能性について考察する
地図ツールを理解し、使い方について説明できる。
2ndQ
9週 自然環境と防災
○日本の地形的特色と生活について理解する。環境を利用した産物や農工業について考察する。
○日本の災害とその対策について理解する。自分たちが災害に備えるために何をすべきか考察する。
自然環境や防災といった当たり前のことに対し、日本では何が不足し、何に充足しているのか説明できる。
10週 東アジアの生活・文化と環境
東アジアの代表的事例として中国と韓国の生活・文化を取り上げ,地域性や歴史的背景との関わりから考察します。次週,中間試験を実施する
写真や主題図,統計を用いて中国と韓国の生活・文化の特徴について理解できる。中国,韓国の最新の動向,抱えている課題について様々な角度から理解できる。
11週 中国の改革開放と市場経済化苦難を乗り越えた韓国の生活と文化
中国,韓国の最新の動向,抱えている課題について様々な角度から理解できる。
12週 東南アジアの生活・文化と環境、ASEAN諸国の多様性について 東南アジアの生活・文化の特徴について理解できる。
統計を用いてASEAN諸国の生活・文化の多様性について理解できる。
13週 南アジアの生活・文化と環境
南アジアの生活・文化の特徴について,自然環境と関連づけて考察します。
南アジアの生活・文化の特徴について理解できる。
14週 インドの成長と南アジアの国々
○南アジアの代表的事例としてインドを取り上げ,その生活・文化の特徴と変化について考察する。合せて南アジア諸国の現在の動向,抱えている課題について,多面的・多角的に考察する。
インドの現状と抱えている課題を近隣諸国の動向を理解できる。
15週 前期総括
○地球を包括的に考え、環境、インフラ、地理の特色について理解する。
○アジア諸国について理解を深め、それぞれの文化・国家・産業・地球的規模の課題について理解する。
前期を包括して理解することができる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 西アジア・北アフリカの生活・文化と環境
西アジア・北アフリカの宗教・言語の代表的事例として,イスラム教とアラビア語について地域性や歴史的背景との関わりから多面的・多角的に考察する。
○油田開発が人々の生活をどのように変えたのか具体的に考察する。
写真や主題図を用いて西アジア・北アフリカの生活・文化の特徴について理解できる。
○写真や主題図を用いてイスラム教とアラビア語の特徴について理解できる。
油田地帯に居住する人々の生活の変化について理解できる。
2週 アフリカ中・南部の生活・文化と環境
生活・文化の特徴について自然環境や歴史的背景,民族性と関連づけて考察する。
アフリカ中・南部の生活・文化の特徴について理解できる。
3週 アフリカの発展
近年めざましい経済成長を遂げるアフリカ諸国の状況とその課題について考察する。
アフリカの急速な経済成長の背景と国際社会との関係を説明することができる。
4週 ヨーロッパの生活・文化と環境
EU統合へ向けた動きについて歴史的背景とのかかわりから考察し、EU統合によってもたらされた産業面や生活面における変化,地域間格差の現状について考察する。
地図や年表を用いてEU統合へ向けたこれまでの動きについて歴史的背景とのかかわりから理解できる。
5週 ヨーロッパの伝統と新しい動き
ヨーロッパの宗教分布と民族系統分布の相関関係について考察し、伝統文化の保全に関わる様々な取り組みについて理解を深める。

○キリスト教に根ざした伝統的なヨーロッパ文化の特徴について理解できる。伝統文化を保持する地域主義,歴史的景観の保全,自然保護に向けた新たな動きについて理解できる。
6週  ロシアとその周辺諸国の生活・文化と環境
ロシアとその周辺諸国の生活・文化の多様性について自然環境や民族性と関連づけて考察する。
ロシアとその周辺諸国の生活・文化の多様性について理解できる。
7週 北アメリカの生活・文化と環境
北アメリカの生活・文化の多様性について自然環境や歴史的背景,民族性と関連づけながら考察する。
北アメリカの生活・文化の多様性について理解できる。アメリカ合衆国とカナダにおける人々の生活と社会の特色について理解できる。
8週 アメリカ合衆国の産業と国際社会
アメリカ合衆国とカナダにおける人々の生活の社会の特色について考察する。
写真,統計を用いてアメリカ合衆国の産業の動向について理解できる。
4thQ
9週 中部・南アメリカの生活・文化と環境
中部アメリカ諸国の生活・文化の特徴について産業構造面から考察する。
中部・南アメリカの生活・文化の特徴について理解できる。また産業構造の特色について把握できる。
10週 オセアニアの生活・文化と環境
オセアニア,特にオーストラリアの生活・文化の近年の動向について都市人口・余暇活動の観点から考察する。
オーストラリアとニュージーランドの産業立地の特性について空間的に理解できる。
11週 世界の資源・エネルギー問題
エネルギー利用の歴史的変遷を踏まえ,エネルギー消費の地域差とその背景について地球的視野から大観する。
統計を用いてエネルギー消費の南北格差の現状とその背景について認識できる。地球社会の持続可能性という観点から望ましいエネルギー政策について考えることが出来る。
12週 世界の人口・食料問題
食料の供給・生産・流通における地域差を地球的視野から大観する。
先進国における飽食の問題と発展途上国における飢餓の問題について追究・考察する。

人口ピラミッドの作成を通じて発展途上国と先進国それぞれの抱える人口問題とそれをもたらす背景について理解できる。
13週 世界の環境問題
人間社会と自然環境とのかかわりや生態系破壊のメカニズムについて考える。
環境問題の現状を理解し,模式図を用いて生態系破壊のメカニズムを理解できる。統計より地球温暖化の現状を把握し,その背景・要因とそれがもたらす問題について理解できる。
14週 地域の環境問題・地球的諸課題をめぐる国際協力
○ローカルスケールで生じている環境問題と人間社会のかかわりについて考察する。
○持続可能な社会実現へ向けての具体的な取り組みについて考察する。
○地域の環境問題に対処していく上で重要なポイントについて理解できる。
○地球的課題の解決へ向けての様々な国際的取り組みとその課題を理解し、日本の国際協力への取り組みについてODA,NGO双方の視点から理解できる。
15週 後期総括
○世界問題を包括的に考え、環境、インフラ、産業における地理の特色について理解する。
○西アジア、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアについて理解を深め、それぞれの文化・国家・産業・地球的規模の課題について理解する。
後期を包括して理解することができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3前2,前3,前4,後1,後8,後9,後11
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。1前2,前4,前5,前7,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後4,後5,後6,後8
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。1前3,後1,後7
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3前3,前10,前11,後1
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前4,前5,後2,後7,後14
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前1,後10,後13
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後10,後13
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前5,前11,後1,後14
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前11,後14
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。1前9,後2,後8
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。2前1,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後7
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。2前2,前4,前6,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後4,後7
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。2前4,前5,前6,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後4,後7
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。2前5,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2

評価割合

試験レポート・ワーク相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000