物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人文理数総合科(理数系) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 総合物理1(啓林館)/ 物理基礎 学習ノート(数研出版)/ リードα 物理基礎・物理(数研出版)
担当教員 岡島 吉俊,松原 英一

到達目標

力学の分野を中心に物理の基礎学力を確立する。物理の学習を通じて,物事の本質を見抜き抽出する力,論理的に考え説明する力を養う。物理法則を使いこなし,力学的現象を定性的側面と定量的側面から理解する力を養う。得た知識を様々な問題に応用する力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1位置,速度,加速度を理解し,正しく計算をすることができる。位置,速度,加速度の計算をすることができる。位置,速度,加速度の計算をすることができない。
評価項目2力と運動に関する式を立て,正しく計算をすることができる。力と運動に関する基礎的な計算をすることができる。力と運動に関する基礎的な計算をすることができない。
評価項目3仕事や力学的エネルギーに関する現象を説明でき,物理法則と関連づけて式を立て,正しく計算することができる。仕事や力学的エネルギーに関する基本的な現象を,物理法則と関連づけて計算することができる。仕事や力学的エネルギーに関する基本的な現象を,物理法則と関連づけて計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年生では,物体の運動を中心に学ぶ。最初に等速直線運動,等加速度直線運動について学習した後,力と運動の法則について学び,運動方程式の考え方を習得する。また,力や速度の分解・合成について理解し,直線運動を簡単な平面運動へと発展させる。
 次にエネルギーについて学習する。仕事や力学的エネルギーについて理解し,物体の運動をエネルギーの側面から記述することを学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業では,基本的物理量の概念と意味を学び,教科書の例題を通してその物理量の求め方を理解する。また,自学自習により,問題集の問題を解いて物理量の意味や求め方を身につける。小テストや定期試験で理解度を確認する。
注意点:
基本的物理量の概念が次々に定義されるので,一つ一つを確実に覚えること。それらを用いて現象を理解すること。法則を使う練習・努力を怠らないこと。一つの公式に数値を当てはめるだけで満足せず,物理的イメージを持ち,それを元にして考えることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
物理量の測定と扱い方

有効数字を考慮した計算ができる。
2週 第1部 様々な運動 第1章 物体の運動 1.速度
A. 速さと速度
速さについて説明できる。
速度について説明できる。
3週 B. 変位と速度 変位について説明できる。
4週 C. 等速直線運動
D. 速度の合成と分解
等速直線運動する物体の位置,時間,速度に関する計算ができる。
合成速度を求めることができる。
速度を分解して成分を求めることができる。
5週 E. 相対速度 相対速度を求めることができる。
6週 第1部 様々な運動 第1章 物体の運動 2. 加速度
A. 加速度
B. 等加速度直線運動(その1)
加速度について説明できる。
等加速度直線運動について説明できる。
等加速度直線運動の公式について説明できる。
7週 B. 等加速度直線運動(その2)
次週,中間試験を実施する
等加速度直線運動の公式を用いて,物体の位置,時間,速度,加速度に関する計算ができる。
8週 第1部 様々な運動 第1章 物体の運動 3. 落体の運動
A. 自由落下
重力加速度について説明できる。
自由落下に関する計算ができる。
2ndQ
9週 B. 鉛直投射(その1) 鉛直に投げおろしたり投げ上げたりした物体の位置,時間,速度に関する計算ができる。
10週 B. 鉛直投射(その2) 鉛直に投げおろしたり投げ上げたりした物体の位置,時間,速度に関する計算ができる。
11週 C. 水平投射
D. 斜方投射
水平投射または斜方投射した物体の位置,時間,速度について説明できる。
12週 第1部 様々な運動 第2章 力と運動 1. 力
A. 力の表し方
B. いろいろな力(その1)
力について説明できる。
物体に作用する力を図示することができる。
重力・張力・垂直抗力・摩擦力・弾性力について説明できる。
13週 B. いろいろな力(その2)
フックの法則を用いて,弾性力の大きさを求めることができる。
14週 第1部 様々な運動 第2章 力と運動 3. 様々な力と運動
C. 圧力と浮力
圧力・浮力について説明できる。
15週 C. 力の合成と分解 力の合成と分解をすることができる。
16週 期末試験 これまでに学んだ内容について,試験で確認する。
後期
3rdQ
1週 D. 力のつり合い 物体に作用する力のつり合いについて計算することができる。
2週 E. 作用と反作用 作用と反作用の関係について,具体例を挙げて説明できる。
3週 第1部 様々な運動 第2章 力と運動 2. 運動の法則
A. 慣性の法則
慣性の法則について説明できる。
4週 B. 運動の法則(その1) 運動の法則を,力と質量と加速度の関係として説明できる。
5週 B. 運動の法則(その2) 運動の法則を運動方程式で表すことができる。
運動方程式を解いて,物体に作用する力,物体の加速度,質量を求めることができる。
6週 C. 運動の三法則
D. 重さと質量
E. 単位と次元
運動の三法則について説明できる。
質量と重さの違いについて説明できる。
単位と次元について説明できる。
7週 第1部 様々な運動 第2章 力と運動 3. 様々な力と運動
A. いろいろな運動と運動方程式
次週,中間試験を実施する
1つの物体の簡単な運動について,運動方程式を立てることができる。
8週 B. 摩擦力がはたらく場合 静止摩擦力について説明できる。
最大摩擦力に関する計算ができる。
動摩擦力に関する計算ができる。
摩擦のある運動について,運動方程式を立てることができる。
4thQ
9週 第1部 様々な運動 第4章 仕事とエネルギー 1. 仕事
A. 仕事
B. 力の向きと変位の向きとが異なる場合の仕事
物理量としての仕事について説明できる。
仕事に関する計算ができる。
10週 C. 仕事の正負
D. 仕事の原理
E. 仕事率
仕事と仕事率に関する計算ができる。
11週 第1部 様々な運動 第4章 仕事とエネルギー 2. 運動エネルギー
A. エネルギー
B. 運動エネルギー
C. 運動エネルギーの変化と仕事
物体が持つエネルギーについて説明できる。
運動エネルギーに関する計算ができる。
運動エネルギーと仕事の関係について説明できる。
12週 第1部 様々な運動 第4章 仕事とエネルギー 3. 位置エネルギー
A. 重力による位置エネルギー
B. 弾性力による位置エネルギー
重力による位置エネルギーの計算ができる。
弾性力による位置エネルギーの計算ができる。
13週 第1部 様々な運動 第4章 仕事とエネルギー 4. 力学的エネルギーの保存
A. 力学的エネルギー
B. 力学的エネルギーの保存(その1)
力学的エネルギーと力学的エネルギー保存の法則について説明できる。
力学的エネルギー保存の法則を式で表すことができる。
14週 B. 力学的エネルギーの保存(その2) 力学的エネルギー保存の法則を用いて,いろいろな運動の物理量の計算ができる。
力学的エネルギーが保存しないのはどのような場合か説明できる。
15週 第2部 熱 第1章 熱とエネルギー 2. 熱量
A. 熱量と温度変化
C. 熱量の保存
熱量を物体の質量や比熱を用いて表すことができる。
熱平衡について説明できる。
熱量の保存を式で表すことができる。
16週 期末試験 これまでに学んだ内容について,試験で確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前2,前6
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前4,前5
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前6,前7
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前2,前6
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前8,前9,前10
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前11
物体に作用する力を図示することができる。3前12
力の合成と分解をすることができる。3前15
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前12,前14
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前13
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3後1
慣性の法則について説明できる。3後3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3後2
運動方程式を用いた計算ができる。3後5,後7
運動の法則について説明できる。3後4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後1,後8
最大摩擦力に関する計算ができる。3後8
動摩擦力に関する計算ができる。3後8
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後9,後10
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後11
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後12
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後12
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後13,後14
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後15
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後15
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後14

評価割合

試験小テスト課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力70030000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000