到達目標
1. ベクトル解析や微分積分を用いて,宇宙の現象を理解・説明することができる。
2. 流体力学の基礎方程式を天体現象に応用することができる。
3. 宇宙物理に関する演習問題をこれまで得た知識に基づいて解くことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 宇宙の現象を数式を用いて詳しく説明することができる。 | 宇宙の現象を数式を用いて説明することができる。 | 宇宙の現象を数式を用いて説明することができない。 |
評価項目2 | 流体力学を天体現象に応用し直観的に理解することができる。 | 流体力学を天体現象に応用することができる。 | 流体力学を天体現象に応用することができる。 |
評価項目3 | 物理学の演習問題を解くことができる。 | 物理学の演習問題を解答を見ながら解くことができる。 | 物理学の演習問題を解答を見ても解くことができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③
説明
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教育方法等
概要:
物理を用いて,我々の住んでいる宇宙を理解する。最初に,宇宙を理解するのに必要となる数学を学び,その後,宇宙論や宇宙流体の入門を学んでいく。それと並行し,大学編入の過去問題を使い,物理学演習をおこなう。
本講義では,数式を追えるということも重要ではあるが,現象を数式を用いて直観的に理解するということが最も重要である。
授業の進め方・方法:
独自に配布するテキスト(プリント)を用いて講義を進めていく。90分の授業のうち,最初の45分は宇宙物理の座学をおこない,残りの45分で演習をおこなう。演習では,まずは各自に問題に挑戦してもらい,その後ディスカッション,解説をおこなう。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標はA-1とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・これまでに習った物理と比べると,内容は難しいものとなっているため,わからない点は教員や周囲の学生に質問をしてほしい。
・参考文献:宇宙流体力学(坂下,池内著)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
・ガイダンス ・物理学演習 |
・これまでに学んだ知識を応用し,大学編入試験の問題を解くことができる。
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2週 |
・ベクトル解析1(発散) ・物理学演習 |
・発散を直観的に理解し,計算することができる。
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3週 |
・ベクトル解析2(ガウスの定理) ・物理学演習 |
・ガウスの定理を直観的に理解できる。
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4週 |
・宇宙論入門1(ハッブルの法則、フリードマン方程式) ・物理学演習 |
・ハッブルの法則から宇宙膨張を説明することができる。 ・フリードマン方程式を理解できる。
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5週 |
・宇宙論入門2(フリードマン方程式) ・物理学演習 |
・宇宙膨張の中で,放射や物質の密度がどのように時間進化するかを理解できる。
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6週 |
・宇宙流体力学1(オイラー微分とラグランジュ微分) ・物理学演習 |
・オイラー微分とラグランジュ微分を説明することができる。
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7週 |
・宇宙流体力学2(質量保存則) ・物理学演習
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・流体力学の質量保存則を理解できる。
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8週 |
・宇宙流体力学2(運動方程式) ・物理学演習
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・流体力学の運動方程式を理解できる。
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2ndQ |
9週 |
・音波 ・物理学演習 |
・流体力学の基礎方程式を線形化して解き,音波を理解することができる。 ・波動方程式を理解することができる。
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10週 |
・自由落下 ・物理学演習 |
・球対称に分布した流体を考え,重力のみによって収縮する自由落下時間を求めることができる。
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11週 |
・ジーンズ質量 ・物理学演習 |
・これまでに学んだ音速や自由落下時間を使い,ジーンズ質量を導出できる。 ・ジーンズ質量を直観的に理解できる。
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12週 |
・ビリアル定理 ・物理学演習 |
・ビリアル定理を説明することができる。
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13週 |
・衝撃波 ・物理学演習 |
・ランキン-ユゴニオの関係を理解できる。
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14週 |
・ポアソン方程式 ・物理学演習 |
・ポアソン方程式を説明できる。 ・ポアソン方程式の解を求めることができる。
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15週 |
・重力多体系の力学 ・物理学演習 |
・2体緩和について説明できる。
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16週 |
前期末試験 |
これまで学んだ内容について,試験で確認する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 4 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 4 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 4 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 4 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 4 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 4 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 4 | |
慣性の法則について説明できる。 | 4 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 4 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 4 | |
運動の法則について説明できる。 | 4 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 4 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 4 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 4 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 4 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 4 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 4 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 4 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 4 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 4 | |
重心に関する計算ができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 授業ノート | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 |
専門的能力 | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |