1. 自分が身に付ける技術の社会的な意味と潜在的なインパクトについて、自分の言葉で説明できる。
2. 先例に学び、環境問題に配慮した研究開発の計画を立てることができる。
3. 技術者として、持続可能な開発を通じて多くの人々が安心して暮らせる未来を実現するために配慮することができる。
概要:
科学技術をめぐる環境問題の歴史を鳥瞰し、技術が社会にもたらす影響を正しく理解するためのケーススタディを行う。このケーススタディにより技術的・社会的・ビジネス的観点をバランスよく理解して解決策を得ることの大切さを理解し、技術者としてこれからの社会にどのように貢献をしていくのかを自分の問題として理解させる。
授業の進め方・方法:
地球環境問題に関する歴史に関して講義を受講したうえで、以下のテーマにつき技術班、社会班、ビジネス班、判定班に分けて前3班がプレゼンテーションを行い、判定班がレポートを作成する。すべての受講生はいずれかの版に最低1回は参加する。⑥フロン⑮原子力を含む以下に掲げる15のテーマから学生の人数・専攻・興味に応じて調整し8テーマを選ぶ。
① 水俣病の発生と被害者救済
② ドローンと法規制
③ ギャラクシーノート7と航空機の安全運航
④ ポリ袋完全有料化と代替技術
⑤ 仮想通貨と消費者保護
⑥ フロンとオゾンホールの破壊
⑦ ダイオキシンと安心安全
⑧ ビッグデータとユーザーのプライバシー
⑨ ロボティクスと公序良俗
⑩ 大学・高専等における軍事研究
⑪ ディーゼルゲート事件と自動車産業の未来
⑫ アスベスト
⑬ 地球温暖化
⑭ 廃棄物
⑮ 原子力とエナジーミックス
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は、B-2(24%)、B-3(38%)、D-3(38%) とする。
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)は、日常の授業(60時間)に対する予習復習、レポート課題の解答作成時間、試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること、教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション 講義の進め方周知・グループ分け |
学習の仕方、講義の進め方、参加の仕方、評価方法について理解できる。
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2週 |
講義 地球環境問題の歴史 |
1950年代から現代に至る地球環境問題の発生とそれによって生成された国際的な規制・枠組みのあり方を理解する。
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3週 |
テーマ1 |
当該のテーマにつき、①技術的意義・課題について②ビジネス的・金銭的な側面について③市民、メディア、政治、行政等の社会的側面から3班がプレゼンテーションを行う。
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4週 |
テーマ2 |
同上、1週間前の課題につき判定班がプレゼンテーションを行う
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5週 |
テーマ3 |
同上
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6週 |
テーマ4 フロンとオゾンホール |
同上
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7週 |
判定班プレゼン、続いて 中間試験 |
テーマ1-3のうちいずれか自分が担当していない1テーマについて、技術的、ビジネス的、社会的な観点を盛り込んだ解決方法を記する小論文試験を行う。
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8週 |
テーマ5 |
当該のテーマにつき、①技術的意義・課題について②ビジネス的・金銭的な側面について③市民、メディア、政治、行政等の社会的側面から3班がプレゼンテーションを行う。テーマ4の判定班はプレゼンテーションを行う。
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2ndQ |
9週 |
テーマ6 |
同上、1週間前の課題につき判定班がプレゼンテーションを行う。
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10週 |
テーマ7 |
同上
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11週 |
テーマ7(予備) |
同上
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12週 |
エナジーミックスゲーム
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発電所への投資についてゲーミングで学ぶ特別セッション
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13週 |
テーマ8 原子力とエナジーミックス |
同上
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14週 |
テーマ8 原子力とエナジーミックス |
判定班の議論を踏まえ、この問題から技術者が学ぶべきことについて自由に討議し、この種の問題について総括を試みる。
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15週 |
期末試験 |
テーマ5-11のうちいずれか自分が担当していない1テーマについて、技術的、ビジネス的、社会的な観点を盛り込んだ解決方法を記述する小論文試験を行う。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 4 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 4 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 4 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 4 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |