到達目標
1. 与えられた境界条件の下で偏微分方程式を解く際にあらわれる種々の関数について理解できる。
2. 公理によってベクトル空間や内積が定義されることを理解し,複素ベクトル空間や関数空間などの様々なベクトル空間について理解できる。
2. フーリエ変換および離散フーリエ変換の数学的な性質を理解し,活用することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 境界条件に応じた方法で偏微分方程式の解を導くことができる。 | 一定の境界条件の下で基本的な偏微分方程式の解を導くことができる。 | 境界条件の下で基本的な偏微分方程式の解を導くことができない。 |
評価項目2 | 関数の集合をベクトル空間とみることや,内積やノルムが定義されることを深く理解し,空間のもつ性質や代表的な直交関数について幅広く理解できる。 | 関数の集合をベクトル空間とみることで,関数に内積やノルムが定義されることをおよびその空間のもつ性質や代表的な直交関数を理解できる。 | 関数に内積やノルムが定義されるなど関数の集合をベクトル空間とみることが理解できず,その空間のもつ性質や代表的な直交関数について理解することができない。 |
評価項目3 | フーリエ変換および離散フーリエ変換の数学的な性質を深く理解し,幅広く活用することができる。 | フーリエ変換および離散フーリエ変換の数学的な性質を理解し,活用することができる。 | フーリエ変換および離散フーリエ変換の数学的な性質の理解および活用ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (生産システム工学専攻の教育目標)
説明
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学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標)
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教育方法等
概要:
はじめに,多次元の実数や複素数からなるベクトル空間とその内積について導入し,それを一般化して,関数空間および直交関数系について学ぶ。そして,偏微分方程式について,いくつかの境界条件に応じた解法と,それによって導出された関数について触れ,直交関数系との関連づけを行う。次に,フーリエ変換および離散フーリエ変換について,定義および基本的性質について学び,工学への応用例について学ぶ。
授業の進め方・方法:
担当教員作成によるテキストを用いて授業を行う。本科で学んだ数学および応用数学をもとに,工学や物理における諸問題を数学の言葉に「翻訳」するとどのような事柄に対応するか,その基本的な事柄について理解し,工学などの問題に適切に活用する能力を身につけること。
評価方法は定期試験を70%,平常点(課題・レポート)を30%として評価する。
注意点:
本科の数学や応用数学(主としてフーリエ級数)で学んだ事項は予備知識となるので,各自である程度理解しておくこと。講義の際に,先々学ぶ内容についても説明するので,各自,参考書等を利用して予習を行い,疑問点を整理して授業に取り組むこと。その日に学んだ内容は,必ず復習して理解すること。授業以外にも問題演習を多くこなすことも必要である。
評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であることが認められる。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 抽象的なベクトル空間と内積 |
抽象的なベクトル空間や内積ついて理解できる。
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2週 |
無限級数 |
等比級数以外の無限級数の収束条件について理解できる。
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3週 |
関数空間と直交関数系 |
関数の集合もベクトル空間であることが理解できる。また,そのようなベクトル空間において,関数が直交することの意味を理解して活用できる。
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4週 |
いろいろな直交関数 |
フーリエ級数における三角関数や微分方程式の解としてあらわれる多項式が直交関数系であること理解できる。
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5週 |
ヒルベルト空間の基礎 |
内積の定義された空間をヒルベルト空間として一般化されることについて理解できる。
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6週 |
偏微分方程式の解法 |
いくつかの境界条件のもとでの偏微分方程式の解法を理解し,簡単な方程式を解くことができる。
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7週 |
偏微分方程式の解法(続き) |
偏微分方程式を解く際に得られるいくつかの型の微分方程式とその解となる関数について理解できる。
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8週 |
演習 |
これまで学んだ内容について確認できる。
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2ndQ |
9週 |
フーリエ変換の定義と性質 |
フーリエ変換の定義を理解し,簡単な関数のフーリエ変換を求めることができる。フーリエ変換の一般的性質について理解する。
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10週 |
フーリエ変換の計算 |
フーリエ変換の性質を利用して,関数のフーリエ変換を求めることができる。
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11週 |
デルタ関数とフーリエ変換 |
デルタ関数の形式的性質とその数学的意味づけを理解し,フーリエ変換の計算に利用できる。
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12週 |
一般化された導関数とデルタ関数 |
滑らかでない関数や不連続な関数に対しても広い意味で導関数が定義されることを理解し,そのような導関数の計算ができる。
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13週 |
フーリエ変換の応用 |
フーリエ変換を利用した熱伝導方程式の解法について理解しする。サンプリングした離散信号から,もとの連続信号を再現するサンプリング定理について理解する。
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14週 |
離散フーリエ変換の定義と性質 |
離散フーリエ変換の定義について理解する。離散フーリエ変換を行列を用いて表されることを理解する。
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15週 |
高速フーリエ変換 |
離散フーリエ変換が「間引き」と「バタフライ」の繰り返しであることを理解し,これによる計算が通常の離散フーリエ変換より容易であることを理解する。
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16週 |
後期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート・演習 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 30 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |