到達目標
1. ニュートン力学を見通し良く書き直した理論体系である解析力学の初歩を学ぶ。解析力学は量子力学や統計力学など進んだ物理を学ぶ基礎となる。ラグランジュ形式,ハミルトニアン形式により簡単な例を扱えるようになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 簡単な系のラグランジアンを書き下し,運動方程式を導くことができる。その運動について物理的な議論ができる。 | 簡単な系のラグランジアンを書き下し,運動方程式を導くことができる。 | 簡単な系のラグランジアンを書き下すことができない。 |
評価項目2 | ハミルトン形式による力学の記述について,正準変換による対称性まで含めて理解している。 | ハミルトン形式による運動方程式とニュートンの運動方程式の関係を説明できる。 | ハミルトン形式による運動方程式がどのようなものかわからない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (生産システム工学専攻の教育目標)
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学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標)
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教育方法等
概要:
力学の復習を解析力学による再定式化という形で行い,これまで学んできた力学の知識をより高い立場から見直す。まずはラグランジュ形式の力学について学び,一般化座標による記述により,種々の力学の問題が統一した形式で考察できることを知る。その結果,系の対称性と保存量に関係があることをネーターの定理という形でまとめて理解する。さらに,量子力学や統計力学などで必要となるハミルトン形式の力学にも触れる。
授業の進め方・方法:
本科で学んだ物理学に関係する基礎的知識を前提とするが,必要に応じて復習も取り入れる。授業時に適宜参考文献を紹介し,その文献をもとにした講義とする。トピックごとに課題を出し取り組んでもらう。
注意点:
・自学自習時間(60時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・関連物理学の教科書は数多くあるので,自分に合ったものを探して講義の参考とすると良い。
・試験50%,レポート50%にて評価する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1. 解析理学の考え方と変分法 |
変分法の考え方を知り,フェルマーの原理により,幾何光学の法則を扱うことができる。
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2週 |
2. 最小作用の原理 |
ラグランジアンからオイラー・ラグランジュの方程式を導くことができる。
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3週 |
3. 保存力場内の運動 |
一般化座標を使い,保存力が働く場合の粒子の運動方程式を導くことができる。
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4週 |
4. 拘束条件のある系 |
拘束条件がある力学系をラグランジュ形式で扱うことができる。
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5週 |
5. 荷電粒子の運動 |
磁場中の荷電粒子の運動を理解できる。
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6週 |
6. 非保存力を受ける粒子の運動 |
時間変動する力や,摩擦力を受ける粒子の運動をラグランジュ形式で扱うことができる。
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7週 |
7. 質点系の力学 |
2質点系の運動を重心座標と相対座標を用いて解析できる。
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8週 |
8. 多自由度の振動 |
微小振動の扱い方を理解し,基準振動を求めて多粒子系の振動現象を理解できる。
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
9. 対称性と保存則 |
エネルギー,運動量,角運動量の保存則が系の対称性からの帰結であることを理解できる。
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11週 |
10. ネーターの定理 |
ネーターの定理を理解できる。
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12週 |
11. ハミルトン形式の力学 |
ハミルトン形式によって運動方程式を表現できる。ラグランジアン形式との関係について説明できる。
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13週 |
12. 正準変換とポアッソン括弧 |
ハミルトンの運動方程式の持つ変数変換に対する共変性について理解する。
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14週 |
13. リウヴィルの定理 |
ハミルトン系の力学系の位相空間内での運動が,体積を保存するものであることを理解し,統計力学との関係について言及できる。
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15週 |
14. まとめと演習 |
これまでに学んだことを復習し演習をする。
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16週 |
後期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 50 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |