到達目標
1. 金属材料を中心とする強度特性とそれらが発現するしくみを理解し説明できる.
2. 材料の種々の破壊の形態と,それらに対する材料の強さを理解し,説明できる.
3. 材料に生じる応力および材料が破壊する応力を正しく計算できる.
4. 材料にき裂がある場合の強度への影響を説明でき,影響の程度を計算できる.
5. 種々の金属材料の主要な特性を正しく理解し,説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 金属材料を中心とする強度特性とそれらが発現するしくみを理解し説明できる. | 金属材料を中心とする強度特性を理解し,説明できる. | 金属材料を中心とする強度特性を説明できない. |
評価項目2 | 材料の種々の破壊の形態と,それらに対する材料の強さを理解し,説明できる. | 材料の種々の破壊の形態と,それらに対する材料の強さを理解できる. | 材料の種々の破壊の形態と,それらに対する材料の強さを理解できない. |
評価項目3 | 材料に生じる応力および材料が破壊する応力や荷重を正しく計算できる. | 材料に生じる応力および材料が破壊する応力を計算できる. | 材料に生じる応力および材料が破壊する応力を計算できない. |
評価項目4 | 材料にき裂や欠陥がある場合の強度への影響を説明でき,影響の程度を正しく計算できる. | 材料にき裂や欠陥がある場合の強度への影響を理解し,影響の程度を計算できる. | 材料にき裂や欠陥がある場合の強度への影響が理解できない. |
評価項目5 | 種々の金属材料の主要な特性を正しく理解し,説明できる. | 種々の金属材料の主要な特性を理解できる. | 種々の金属材料の主要な特性を理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (生産システム工学専攻の教育目標)
説明
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学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標)
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教育方法等
概要:
材料は工業製品の性能を決める最も基本となるものである。特に強度については軽くて強いものが求められており,それを実現するために必要な材料の性質について,加工や力学とともに考え理解する。また,事故に至った部材の破壊事例や,実際の設計の事例を参考に,使用目的や使用条件に合わせた材料の選択について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業では材料の強度特性に主に焦点を当てる.
序盤は材料の微小構造と強度について,中盤は材料の強さと切欠きの影響について,終盤に種々の材料の特性について学ぶ.
注意点:
・自学自習時間(60時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,定期試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・“もの”のつよさを理解するには,材料単体の性質だけでなく,部材の形状や作用する力の種類,使用環境,加工法についても理解する必要がある。
・材料の性質の理解には,その微視構造への視点が欠かせない.本科で学習する化学ならびに材料の範囲の復習をすると効果的である.出身学科によっては材料の学習経験がなければ予習・復習により補うことが必要である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ものづくりにおける材料の位置づけ 材料の構造と性質 |
設計における材料の役割について説明できる. 化学結合・材料の構造と材料特性の関係について理解し,説明できる。
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2週 |
金属の変形・強度と微視構造 |
金属の変形が生じるしくみを説明できる.加工硬化と再結晶を説明できる.
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3週 |
金属の破壊形態 応力とひずみ |
金属の様々な強度特性と破壊形態について理解し,説明できる。 応力ひずみ線図を理解し,説明できる.
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4週 |
材料試験 |
引張試験,硬さ試験,衝撃試験,クリープ試験の概要を理解できる.
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5週 |
切欠きやきずの影響① 応力集中係数と応力拡大係数 |
応力集中について理解し,応力集中係数を説明できる. 切欠きのある材料について不安定破壊に至る応力やき裂寸法を計算できる.
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6週 |
金属の疲労と疲労試験 |
金属の疲労破壊のプロセスならびにS-N線図を説明できる. 耐久限度線図を用いて疲労限度が推定できる.
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7週 |
切欠きやきずの影響② 疲労の場合 |
切欠きのある材料について,疲労破壊を生じる応力やき裂寸法を計算できる.
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8週 |
強度設計の考え方 |
許容応力と安全率を説明できる。 疲労を考慮した強度計算ができる.
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4thQ |
9週 |
合金と平衡状態図 |
合金の平衡状態図から,温度・濃度による相の変化について説明できる.
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10週 |
合金と平衡状態図② 鉄鋼材料の状態図と組織 |
合金の平衡状態図から,温度・濃度による相の変化について説明できる。 Fe-C系平衡状態図と鉄鋼材料の組織の関係が説明できる.
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11週 |
鉄鋼材料の熱処理 炭素鋼 |
鉄鋼材料の熱処理による強化機構について説明できる.
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12週 |
低合金鋼・特殊鋼・鋳鉄 |
鉄鋼材料の種類と,合金元素添加の効果,特殊鋼の役割について説明できる.
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13週 |
軽金属 |
軽金属の強化法について説明できる 軽金属の種類と特徴について説明できる.
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14週 |
非金属材料 |
セラミックス・高分子材料について,その特性について,微小構造と関連づけて説明できる.
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15週 |
学年末試験 |
これまで学習した内容について,試験を通じて確認できる.
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16週 |
試験返却 |
試験結果について見直しができる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 材料 | 機械材料に求められる性質を説明できる。 | 4 | 後1 |
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。 | 4 | 後2,後14 |
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。 | 4 | 後4 |
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。 | 4 | 後4 |
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。 | 5 | 後6,後7 |
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。 | 4 | 後4 |
金属と合金の結晶構造を説明できる。 | 4 | 後9 |
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。 | 4 | 後9 |
合金の状態図の見方を説明できる。 | 4 | 後9 |
塑性変形の起り方を説明できる。 | 4 | 後2 |
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。 | 4 | 後2 |
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。 | 4 | 後11,後12 |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。 | 4 | 後10 |
焼きなましの目的と操作を説明できる。 | 3 | 後11 |
焼きならしの目的と操作を説明できる。 | 4 | 後11 |
焼入れの目的と操作を説明できる。 | 4 | 後11 |
焼戻しの目的と操作を説明できる。 | 3 | 後11 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 10 |
専門的能力 | 60 | 20 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 10 | 10 |