生命科学

科目基礎情報

学校	旭川工業高等専門学校	開講年度	2018
授業科目	生命科学
科目番号	0023	科目区分	専門 / 選択
授業形態	講義	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	生産システム工学専攻	対象学年	専1
開設期	前期	週時間数	2
教科書/教材	配布プリント/視聴覚資料
担当教員	小林 渡

到達目標

1. 遺伝物質，タンパク質などの生体分子の働きを基に生命現象を理解し，説明する事ができる。
2. 生命科学に関する最近の話題や先端研究・応用技術について理解し，社会生活の中での行動において適
切に判断する事ができる。

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
到達目標項目1 （A-1，D-1）	遺伝子や種々のタンパク質の働きを 理解し，様々な生命現象を説明する 事ができる。	遺伝子や代表的なタンパク質の 働きを理解し，説明する事ができ る。	左記に達していない。
到達目標項目2 （ A-1 ， A-2 ， B-3 ，D-1）	生命科学分野の先端研究や応用技 術の内容を正しく理解し，説明する 事ができる。	生命科学分野の研究や技術の内 容を理解し，説明する事ができ る。	左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (生産システム工学専攻の教育目標) （生産システム工学専攻の教育目標）

学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標) （専攻科の教育目標）

JABEE A-1 （数学・自然科学・情報技術に関する知識を有し，それを活用することができる。）

JABEE A-2 （基礎工学の知識・能力をもとに，地域・社会の要求を理解し，それに対応することができる。）

JABEE B-3 （専門分野の知識と社会的良識に基づいた職業倫理を持ち，自己の技術や行為が社会に及ぼす影響について考慮することができる。）

JABEE D-1 （基礎工学及び専門工学に関する知識・技術を有し，それを活用することができる。）

JABEE基準 (b) （技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者が社会に対して負っている責任）

JABEE基準 (c) （数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力）

JABEE基準 (d) （当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力）

教育方法等

概要:

生物を非生物から区別する様々な性質は，ゲノムと呼ばれるDNA のデジタルな情報の機能に基づいている，ここでは，ゲノムの構造，そしてゲノム中に含まれる遺伝子の機能とその調節の基礎を学ぶ。現在の生命科学の重要分野である再生医学，遺伝子組換え技術等の目的と現状を学ぶと共に，先端科学に不可欠な倫理についても実例を基に考察する。

授業の進め方・方法:

配付プリントを参考資料として講義を進める。次回以降の講義に反映させるために、毎回の講義終了時に質問、理解の程度、意見等をを記述する質問票の提出を求める。また、各講義テーマについて，予復習課題を配付するので、期日までに提出する。ゲノム科学，生命科学に関するレポート、小論文の提出を求めるので，積極的に取り組むことが望まれる。

注意点:

・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は、A-1(50%) A-2(20%) B-3(10%) D-1(20%))とする。
・自学自習については、通常の予復習及びは各テーマの予復習課題の作成に充てる。ヒトゲノム及び生命科学技術における倫理に関するレポート作成，および試験準備を合計して60時間の自学自習とする。
・評価は、試験（70％）、予復習課題（10％）、レポート（10％）、質問票（10％）の合計とし、60点以上で合格とする。
生産システム工学専攻の学生については生命を分子の立場から理解することを，応用化学専攻の学生は生命を機械・エネルギーの観点から観ることにそれぞれ注意する。また，生命倫理の観点から遺伝子に関わる技術について自分なりの意見を構築することを目標に，日々の生命科学関連のマスコミ報道等にも関心を持つことが大切である。ゲノム科学，生命科学に関するレポートと小論文の提出を求めるので，積極的に講義に取り組むこと。

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	生命科学の基礎１ 生命科学の基本用語 タンパク質・酵素	生命体を作り上げている物質（タンパク質）の構造と生物の機能の関係について説明できる。（アルコールの代謝について）
		2週	生命科学の基礎１続き ゲノム・遺伝子・生物進化	DNA，遺伝子，ゲノムの関係を説明できる。生物進化と生物多様性について説明できる。
		3週	生命科学の基礎２ ウイルス、原核生物、真核生物	ウイルス，原核生物，真核生物の違いを説明できる。インフルエンザの原因となるウイルスについて説明出来る。
		4週	生命科学の基礎２続き ヒトの生体防御反応と薬	病原体に対するヒトの防御反応と薬の関係について説明出来る。
		5週	生命科学の基礎３ 生命現象と遺伝子	細胞の分化と遺伝子の関わりについて説明出来る。
		6週	生命科学の基礎３続き 生命現象と遺伝子	がんの原因と細胞のがん化について説明出来る。
		7週	生命科学の基礎３続き 生命現象と遺伝子	がん治療法の概要について説明出来る
		8週	生命科学の基礎４ 遺伝子解析技術	基礎的な遺伝子解析の手法について説明出来る。（塩基配列解読とPCR）
	2ndQ
		9週	生命科学の基礎４続き ゲノム解析、ヒトゲノムと遺伝子多型	ゲノム解析の歴史とヒトゲノムの概要を説明出来る。遺伝子の多型とDNA鑑定について説明出来る。
		10週	初歩のバイオテクノロジー1 組換えDNA技術	初歩的な組換えDNA技術について説明出来る。
		11週	初歩のバイオテクノロジー2 微生物による物質生産	微生物によるインスリンの生産について説明出来る。
		12週	動植物とヒトのバイオテクノロジー1 体細胞クローン動物	体細胞クローン生物の作成方法と遺伝子の初期化について説明出来る。
		13週	動植物とヒトのバイオテクノロジー2 ES細胞とiPS細胞	ES細胞とiPS細胞の作成方法とその応用について説明出来る。
		14週	動植物とヒトのバイオテクノロジー3 遺伝子編集技術	遺伝子編集技術について説明出来る。
		15週	生命科学の倫理的問題について	生命科学の倫理的問題について認識でき、自分なりの意見を構築する事ができる。
		16週	期末試験

評価割合

	試験	レポート	課題提出	質問票の提出	ポートフォリオ	その他	合計
総合評価割合	70	10	10	10	0	0	100
基礎的能力	20	0	5	5	0	0	30
専門的能力	50	5	5	0	0	0	60
分野横断的能力	0	5	0	5	0	0	10